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【TGS 2012】ゾンビ再登場の真意やこだわりを聞く『バイオハザード6』カプコンプロデューサー平林良章氏インタビュー

東京ゲームショウ2012にて、大盛況のうちに終わったステージイベント「バイオハザード6 発売直前 スペシャルステージ」ですが、終了後に本作のプロデューサーを務める平林良章氏に直接お話を伺う機会がありましたので、その模様をお届けします。

ソニー PS3
右/平林氏、左/ブースコンパニオンのBSAA隊員
  • 右/平林氏、左/ブースコンパニオンのBSAA隊員
  • 7人の主人公たちの4つの物語を描く本作
  • シリーズ中久々に再登場するゾンビ
  • 新クリーチャー、ジュアヴォはダメージを受けた部位を変異させる特質を持つ
  • 新キャラクター、ジェイク・ミューラー
東京ゲームショウ2012にて、大盛況のうちに終わったステージイベント「バイオハザード6 発売直前 スペシャルステージ」ですが、終了後に本作のプロデューサーを務める平林良章氏に直接お話を伺う機会がありましたので、その模様をお届けします。

―――先ほどのイベントは大変大盛況でしたが、国内でのユーザーの反響はいかがでしょうか。
平林:非常にポジティブないいお言葉も、もっとこうしたほうが良いという今後の課題になるようなお言葉も頂いています。最初考えていたよりも手応えを感じるコメントが多かったのは確かです。肯定のコメントも、否定のコメントも、次の課題になったり今回の評価に繋がるので、全体として「いいコメント」だと真摯に受け止めています。

―――前作『5』から『6』へはどのように進化を遂げているのでしょうか。
平林:色々なところに手は入れているのですが、一番力を入れたポイントは、シチュエーションや戦闘などをもっと怖くしたい、というところです。アクション性が上がっているとよく言われますが、根本はここに通じています。バイオの怖さはシチュエーションの怖さと敵との戦闘の怖さ、両方だと考えていて、色々なバリエーションで攻撃したり、色々なシチュエーションで見せる際に、プレイヤーの行動が制限されていると"怖さ"は表現できない。行動のバリエーションを増やすことで、自ら選択し生き延びることが、サバイバルホラーだと考えています。

―――"怖さ"にこだわったということですが、本作では4つのシナリオが用意されており、それぞれ異なる恐怖を描いているのも特徴的です。特にそれらの"恐怖"を描写するうえで意識した点はあるのでしょうか。
平林: どれもバイオとしての恐怖という、根底は崩したくないと考えていました。バイオの恐怖はオカルトや生理的に不快な恐怖ではなく、怖いんだけど先が見たい、というバランスの上に成り立っていて、怖すぎると進めなくなるし、怖いのが常に続くと麻痺してしまう。部分的に見れば怖いシーンも怖くないシーンもありますが、繋げてプレイしたときバイオらしい怖さが表現できているよう、全体の流れを意識した構成にしています。

各シナリオには、どこから始めても楽しめるようユーザーの好みに柔軟に対応するため特色をつけました。『1』のようなゴシックでスローなホラーにはレオン編を、『3』のネメシスに追われる恐怖が好きならジェイク編、『5』が好きな方ならクリス編が気に入って頂けるはずです。是非自分の好みのシナリオから遊んでみてください。

―――:移動しながらの射撃やスライディングなど、多彩に搭載された新アクションですが、その中でもバイオなりのこだわりというものがあれば教えてください。
平林:丁寧に、極力触り心地を良くしよう、というのはありました。これはバイオに限らずカプコン全体としての、アクションゲームに対する考え方でもあります。単独で見るとリアルなモーションでも、連続して繋いでいくことによってどうしても絶対時間が延長しもったりしてしまう。そのため完全にシームレスに繋げるパターンと、キャンセル込みでキビキビ動くものと、そのミックス、というバランスを追及するため何度もテストを繰り返し、今の操作体系に落ち着きました。

―――新モード「エージェントハント」では、敵となってプレイヤーを襲うというシリーズ初の試みがなされていますが、このモードを搭載するにあたって、何かきっかけというものはあったのでしょうか。
平林:「エージェントハント」は独立したモードではなく、あくまでクロスオーバーシステムのひとつとして最初から決まっていました。各シナリオに敵として交錯したらどうなるか、という、クロスオーバーと同じ発想がベースになっています。キャンペーンを主人公たちだけではなく、敵の視点からもプレイしてみて欲しいな、ということですね。純粋な対戦モードは別途、DLCでご用意させて頂いています。

―――本作では『3』以来久しぶりに敵としてゾンビが登場する点も注目されていますが、その理由とは何だったのでしょうか。
平林:チーム全体が、本当にゾンビが好きなんです。ただ、ずっとゾンビでつくってきて、『4』で狙って撃つというシステムに大きく変えた際、ゾンビを相手に狙って撃つのはゲーム的な面白さとしてベストじゃないように感じていたところがありました。当時まだ、アイデアが成熟し切れていなかったというのもあります。そこで『4』『5』と違うモチーフを扱ってみましたが、やっぱりゾンビは好きだし出したいな、というのはずっとあって。今回ようやくその方向性が見えたため、満を期して復活させた、というわけです。

ゾンビだけでなく『6』ならではの新しい要素も欲しいと考えたときに生まれたのがジュアヴォです。賢く思考しながら姿とゲームプレイが変化するという点で、ゾンビと対になる存在として大きな役割を担っています。ジュアヴォはしっかりと構えて銃器を扱うことができますが、ゾンビは同じように銃を持っていても全然違う。生前の記憶が残っているだけで、たまたまぶら下げていた銃の引き金を引いてしまったら、それがたまたま主人公たちに当たってしまったいう感じ。消防士だったのなら消火器を、ゾンビに対抗しようとしていた若者なら鉄パイプを持っているかもしれません。同じ銃でも、ジュアヴォとゾンビが持っている意味は全く違うんです。そこも含めて、少し前までは同じ生身の人間だったゾンビという存在の恐怖を、味わって頂ければと思います。

―――本作から登場する新キャラクターのジェイクは、今までのキャラクターとは少し異なる雰囲気が魅力的ですが、キャラクターデザインにおける彼のコンセプトなどを教えてください。
平林:ダークヒーローを描きたい、というのが最初にディレクターのなかにあって。クリスもレオンも非常に好青年なので、アクセントとして新キャラクターを加えるにあたり、まずビジュアル的なインパクトを考えました。バイオって実は坊主厳禁だったんです。海外ゲームで坊主が多いとかいうこととは関係なくて、ただ髪の毛ってケレン味だから欲しいよね、という理由で。僕らも「坊主はないですからね」と言っていたんですが、ある日ディレクターが用意してきたデザインを見たら坊主になっていて。しかも金髪だし(笑)。そういう、今までのバイオにはなかった新しいアプローチがジェイクにはふんだんに使われています。

言葉の使い方もそうです。ジェイクは結構汚い言葉づかいをしますが、今までのバイオでこんなに汚い言葉づかいをさせたことはなかったんですね。でもボイスディレクターに、クールな格好良さを描くには必要だと言われ採用することになりました。

―――4人の主人公を軸としたシナリオが展開される本作ですが、個人的に一番好きなシナリオを教えてください。
平林:4人と言っても、実際は7人の主人公という枠で言えば、ピアーズのストーリーが一番好きです。その理由は物語の大きな盛り上がりのところにあるので、今は言えませんが(笑)。

―――:最後に、製品版の発売を楽しみに待っているファンの皆様へ、簡単なメッセージをお願いします。
平林:カプコン自体もそうですし、150人をオーバーするチームの全員も、昼夜問わず頑張ってきました。振り返ってみると、よくこんな物量をつくってきたなと思います。どれかシナリオ1本だけでなく、4本それぞれのシナリオやマーセナリーズなど、是非最後まで遊び尽くしてください。それが何より一番有難いことですね。どうぞ、よろしくお願いします。

―――ありがとうございました!

インサイド&Game*Sparkでは本インタビューのほか、東京ゲームショウ 2012内で開催されたスペシャルステージレポもご用意していますので、合わせてご覧ください。

『バイオハザード6』はPS3/Xbox 360版が日本国内で2012年10月4日に発売予定。PC版の価格・発売日は未定です。なお現在開催中の東京ゲームショウでは現地でしか体験できないエイダ編のプレアブル出展が行われていますので、こちらもお見逃しなく。
《ひよking》

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