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世界一のド派手アプリ、いざ参る!『もののけ大戦“陣”』開発者インタビュー

カードゲームアプリが蔓延するなか、満を持してド派手に斬りこんできたのが『もののけ大戦“陣”』だ。アップテンポな対戦のなかでハイテンションなエフェクトやカットインがドンドン積み上がっていくド快感を見事実現させたキーパーソンは3人!

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和やかな雰囲気の中、インタビューが行われた
  • 和やかな雰囲気の中、インタビューが行われた
  • ゼネラルマネージャー兼プロデューサー・本橋氏
  • デザイナー・三沢和人氏
  • サウンドディレクター・中村龍馬氏
  • 世界一のド派手アプリ、いざ参る!『もののけ大戦“陣”』開発者インタビュー
  • 世界一のド派手アプリ、いざ参る!『もののけ大戦“陣”』開発者インタビュー
カードゲームアプリが蔓延するなか、満を持してド派手に斬りこんできたのが『もののけ大戦“陣”』だ。アップテンポな対戦のなかでハイテンションなエフェクトやカットインがドンドン積み上がっていくド快感を見事実現させたキーパーソンは3人!

結局、企画制作の統括までやってしまった本橋大佐プロデューサー、気持ちよさ=ド派手を導き出したデザイナーの三沢和人氏、そして負けず嫌いの熱血サウンドディレクター中村龍馬氏。終始にぎやかな対話が繰り広げられたインタビューをそのままお届けします。


■コンシューマタイトルから演出の職人たちが集結

―――改めて、これまでの経歴と今回の役割を教えてください
本橋氏:スパイク・チュンソフトでは、『喧嘩番長 全国制覇』『乱世あやかし絵巻』のプロデュース&企画制作の統括、そして、オンライン事業グループのゼネラルマネージャーでもあります。

三沢氏:デザイナーで演出とエフェクト担当、『風来のシレン』シリーズや『ぞんびだいすき』などコンシューマタイトルを担当してきました。

中村氏:私もコンシューマよりで、スマホ系は初参加です。『風来のシレン』『極限脱出シリーズ』『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズのサウンドディレクターを担当してきました。今回はBGMの発注と監修、全SEの制作を行っています。サウンド関係をすべて見る人ですね。


■世界中の誰もがわかる丁寧なシンプルさ

―――デッキが5枚1組というのはいいですよね。30枚で1組とかデッキコスト系になると、集めたり構成を考えたりするのも大変だったりして
本橋氏:ありがとうございます。カード1枚にそれぞれ「属性」「系統」「性別」という要素があって、基本的には5枚のカードの中で、同じ要素を一定数以上揃えると役が発生する仕組みになっています。その他、カード1枚で発動する役なんかもあります。デッキは防御型、攻撃型とユーザーが自由に登録して、好きに呼び出すことができるので、ゲームをプレイしていない時は防御型で待機させたりなんてことができます。デッキコストなどもないので、組み合わせにユーザーの個性が出てくると思いますね。配信開始時ではカードは100枚持て、10デッキ登録できるになっています。

―――デッキの中に「役」、その構想はどのように始まったんでしょうか
本橋氏:最初は「麻雀の役」で考えていたんですね。しかし、それではちょっと複雑すぎるかなというのがありまして、もっとシンプルでわかりやすいものならポーカーだろうと。そこへキャラクターの付加価値がつくという感じですね。

―――カードのレアリティや育成などはあるのでしょうか?
本橋氏:もちろん、強化という機能であります。進化などは、配信開始後に提供させていただく形ですね。あと、レアリティについては、ノーマルとかレアとかを避けて、白・銅・銀・金・黒としてます。順に高位なモノになり、モチーフは、クレジットカードです。または、黒とか白はないですが、オリンピックのメダルなんかをイメージしてくださっても良いかなと。というのも、海外の友人たちが、NとかRというのを理解できなかったんです。クレジットカードやメダルのイメージなら、海外の方でも階層をわかってくれるでしょうし、たとえ最初わからなくても直感的に覚えやすいのではないかなと思い、そのようにしました。

―――対戦では持ち珠を消費して普通・本気・超本気の攻撃で仕掛けることができますが、実際はどのような効果があるんでしょうか
本橋氏:これは普通で攻撃した場合を基準とすると、本気だと1.1倍、超本気だと1.2倍になります。同じレベルぐらいのライバルになってくると、執念めいた状態にもなりますので、絶対倒したい時には、ぜひ超本気で倒してください。珠は30分ぐらいで回復するように調整をしていますが、このもち珠のしかけかたも腕に関わってくると思います。

―――ソーシャルグラフの部分はいかがでしょうか?
本橋氏:合戦というのがあります。これはHPの高いボス「族長」をみんなで協力して倒すものです。特徴は、「族長」の弱点を突くことで、攻撃する際のデッキのリーダー属性を他のプレイヤーと合わせることで連携が発生します。連携攻撃が発生すると超ド派手な演出で、追加のダメージがボーナスが加算されます。

―――カードの入手方法は?
本橋氏:ガチャや探索などで入手できます。あとは、仲間との交流でたまる仲間ポイントで専用の無料ガチャをじゃぶじゃぶ引くこともできます。これまた、無駄に演出がド派手で。なぜかデカイ岩を叩き割るんですよ。

(一同、ドッと笑う)

中村氏:なんなんですか、あれ?

三沢氏:あれは、つまり岩に封印されているカードを解き放つ的な……。

中村氏:なるほどね……。もう、テストプレイで何千個の岩を割ったことか。


■対戦の気持ちよさを追求するのにドタバタするなんて!

―――先ほど対戦画面を見せてもらいましたが、コンシューマーゲームにも負けない演出の派手さがあったかといいますか

本橋氏:演出が最高級にド派手。これはカードゲームの世界ってものがあるとすれば、No.1と言っても過言ではないと思ってます。1番ド派手にしたのは、三沢です。あとは和のファンタジーイラストもキモになっていて、たくさんの有名なイラストレーターさんにお声をかけさせていただいています。

―――実際、どのようなオーダーをされたんですか?
本橋氏:配信開始時は、「もののけ」というくくりの中で、実在する妖怪や幽霊をモチーフにして、「カッコイイ」「キレイ」「カワイイ」「アレレ?」をベースに絵師さんの解釈で仕上げてもらいました。配信開始時で10人以上の絵師さんが登場しますが、今後は岸和田ロビンさん、ヤスさん、らすねこさん、ワダアルコさん、まだ世の中にお見せしてないですが、西村キヌさんもご協力いただいております。

―――役の演出が印象的でしたが、1枚でも発動するものがありましたよね
本橋氏:特殊役で、一部の絵巻に備わった役です。それとは別に「隠し役」もあって、カードの属性や性別などとは別に、もののけたちの関係性などが条件となり、役が出ることがあります。これが配信開始時で200ぐらい入っています。対戦のたびに隠し役のカットインを見て、いろんな組み合わせを知る快感みたいなのがあって、これが大きな味付けになっています。

―――演出のオーダーは最初どのようにきたんでしょうか
三沢氏:「ユーザーがやっていて、気持ちいいものがいいよね。」と、こうして言うとなんだか子供みたいな説明になってしまいますが。それとは別に演出の尺にこだわりました。

本橋氏:テンポをものすごく大切にしてもらいました。表現力の豊かなスマホといえど、モバイルはテンポがキモ。作り側のエゴみたいなのを押し付けるのは絶対にダメなので、見ていてテンポよくてサクサク動いて、そこへガンガン演出が盛られていくというのはやっぱりテンションが上がりますよね。

三沢氏:どんなにハデでも、尺が長かったりすると1回目はいいんですけど、だんだん苦になってくるんですよね。なので、短め且つ気持ち良いものに、というのはずっと意識していました。

本橋氏:そうとうやりあったよね。「長い!」「今度は、短すぎ!」といった具合に。もともと三沢は、それなりに良いものを持ってきてくれるので、同じ画面を2人で見ながら微調整をかけるという感じでした。

三沢氏:微調整とはいえ何度も作り直しはしました。

本橋氏:で、そのあとに来るのが……(中村氏を見ながら)

中村氏:そう。もちろんサウンドも大変でしたよ! 「これで、もうアニメーションの尺は完成です^-^」って聞いていたいろいろな演出の尺が何度も変わりましたからね……。そのたびに当然音も再調整ですよ。三沢には「本当に完成するまで持って来ないで!」と念を押すんですけど、それでも毎日申し訳なさそうにニヤニヤしながら、新しい尺のアニメーションをもってやってくる(笑)。

(一同、ドッと笑う)

三沢氏:たしかに中村のほうにいく度に「すいませ~ん……」とヘコヘコしてましたね。

中村氏:あとやっぱり派手調整にもやられましたね。エフェクトは先に演出と尺を決定してもらって、仮画像の段階でSEを作っていったんですけど、後日清書されたデータを確認してみたら、なんかもう軒並みド派手になってる(笑)。で、「仮画像からエライ派手になったね?」って言うと「尺は変えてませんよ^-^」って。なんかもう、ね……うん。

三沢氏:もう、「呪ってやる……」みたいな?(笑)。清書する時、極力音を変える必要がないように気をつけてたんですけどね。いやぁ、申し訳ない。

中村氏:まぁ、どんどん湧き上がってきちゃったんだろうなぁと思いながら差し替えといたよ(笑)。


■水墨画の世界からド派手へ、コンセプト変更……?

―――役のコンボがハイテンションさをプラスするのに味付けになっていると思いますが、とはいえ種類が多い
本橋氏:そうですよね。基本役以外にも、1枚で役を持っている特殊役にはもちろんカットインがあって、隠し役があって…それぞれ、大きさもカット割りも役によって違うんです。絵巻を変えるたびに演出が変わると思ってもらってもいいぐらい。SEも中村がタイミングをバッチリ合わせてくれました。

―――派手な演出を1つの軸にしようというのはどこから生まれたんですか?
本橋氏:三沢、中村の二人からの賜物ですね。もともと、「プレイしていて “気持ちいい”こと」が絶対条件とは言っていました。それはソフト自体がぬるぬる動くとか、タッチした時の心地よさみたいなベーシックなのを指していたんですけど、そうしたら演出と音がどんどんハデになっていってすごくなっていって“ド派手で気持ちいい”ということになりました。

中村氏:企画当初は、レトロ調で絵のコンセプトも水墨画のように落ち着いた感じだったと思ったんですが。

本橋氏:あ~、そうだった!

中村氏:その時サウンドは、16bit時代の音源のような懐かしい感じでとオーダーを受けました。それから時が経つに連れ、探索パートの背景はその和やかな雰囲気が残りつつもバトルになると出てくるエフェクトがガラッとド派手になる(笑)。

本橋氏:きっかけは僕だったかもしれないですね。実は、途中から制作の指揮もとることになりまして。

三沢氏:開発途中に本橋が「演出とエフェクトは三沢の好きなように作って良いよ」と言ってくれたので、本当は、特に指示もなかったのですが調子に乗ってジャンジャカド派手演出を盛り込んでいったんです。ユーザーも、この方が見てて気持ちいいだろう! と。出来上がったものを本橋に見せたら好評で。

本橋氏:そうそう。どんどん派手になってきたから、コンセプトは「うん、キャバクラだな!」みたいなトコまで来て(笑)。「ド派手」というのにとてもピンときたので、今やキャッチコピーやジャンル名にまで「ド派手」という文句を使っています。

中村氏:そして、ド派手で明るい和風っていう今までにない新しいジャンルに。SEも当初50個ぐらいでいけるのかなと思ったら、最終的に200個ぐらいになりましたね。

三沢氏:グラフィックも倍ぐらいになってますよ(笑)。

中村氏:そのほとんどが対戦エフェクトという。しかし…まぁふくらんだねえ。

三沢氏:ふくらんだねえ(笑)。


■職人・中村氏の戦い

―――課金しないと楽しくないという感じがあまりしないのも珍しいですよね
本橋氏:はい。無料で遊んでいただいてもカードデッキバトルは必ず経験しますし、その他の探索などの作りもしっかりしているので、絶対楽しめると思います。実は、絵巻(カード)のキャラクターもブツブツと、ところどころで、しゃべりますし。ユーザーさんにお代を検討していただけるのは、おもしろい!と感じていただいてからでOK!その壁を超えていただくと、カードの種類も増え、お腹いっぱいの演出をこれでもかってぐらいに体験できます。

中村氏:僕は画を見てから音を付けていくので、基本的に追いかける立場にいるわけなんですけども、「また、こんなド派手なの作って!!」って思いつつも「負けてらんない」と思っていました。

本橋氏:いい関係だよね。

中村氏:まぁ、これだけド派手で音がショボかったらしょうがないので……(笑)。

―――そのSE200個はご自分で作られたんですか?

中村氏:そうです。自分で考えて、自分で作って、自分でオッケーを出すという感じでした。

本橋氏:中村がすごいのが、別の重いプロジェクトも持っているのに、そのなかでキッチリやってくるんです。しかも、三沢と僕とで、どんどん演出や尺を変えちゃうにも関わらず。

中村氏:……ええと、これはちょっと言いづらいのですが、私は一つ一つ作って本橋に確認する暇がなかったので、SEを作ったら実装まで一気にやってしまうようにしました。で、三沢と本橋は仲良しというか、すごい頻度で演出の推敲を繰り返していたので、その時に音も鳴るように仕込んでおいて、何かあったら言ってください、という受けの姿勢でいたんですよ。

本橋氏:画まわりを直したと思ったら、必ずすぐ音が追い付いてきているんです、今考えるとすごいかも。いま実感した(笑)

中村氏:尺が変わったり画が変わったりしたらすぐに言ってと、予め三沢に言ってあったんです。

本橋氏:なるほど、それゆえのスピード感だったんですね。

―――最後にユーザーに向けて一言ずつお願いします

三沢氏:7月4日のカンファレンス時に会長の中村(スパイク・チュンソフト代表取締役会長、中村光一氏)が「ゲーム会社が本気でアプリを作るとこんな感じに」と話していましたが、まさに開発陣の“超本気”が詰まったアプリになっていると思います。どうぞよろしくお願いします。

中村氏:コンシューマタイトルで心掛けている作り方をスマホにも全力で当てはめたらこうなりました、という感じですね。スマホの実機で聞こえる音を確認して一番聞こえよいチューニングをしていますよ。

本橋氏:過去最高にド派手なカードデッキバトルゲームがオリジナリティをもってできましたので、ぜひ遊んでみてください。

―――ありがとうございました!

スマートフォン向けアプリ『もののけ大戦“陣”』は、好評配信中で基本プレイ無料のアイテム課金制です。

もののけ大戦“陣” - Spike-Chunsoft CO, LTD.



(C)Spike Chunsoft Co.,Ltd. All Rights Reserved.
《きゃんこ》
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