その中でも筆者のオススメは『ルイージのゴーストマンション』。これはWiiリモコンで遊ぶ4人(人間) vs Wii Uゲームパッドの1人(ゴースト) という構図で遊ぶゲームです。人間の目的はゴーストを懐中電灯でやっつけること。一定時間光を当てるとゴーストを退治できます。ゴーストの目的は人間を驚かして全員気絶させること。人間に気付かれないように前後左右いずれかから触れればOKです。
真っ暗な屋敷の中で人間は懐中電灯を点けないとゴーストの存在に気づく事ができません。一方のゴーストはステージ全体と人間の位置をWii Uゲームパッドの液晶で確認できます。人間は懐中電灯を付けてゴーストを探そうとしますが、電気には限りがあり無駄遣いできません(アイテムで補給可)。ここに情報の非対称性があります。また、人間は懐中電灯を沢山使えばゴーストのリスクは減らせるものの電気が無くなるというジレンマ、ゴーストは人間に近づけば驚かせやすいものの懐中電灯を当てられる可能性も高くなるというジレンマ、双方にジレンマがありスリリングな展開を呼びます。
ゲームがスタートするとまず人間たちは懐中電灯を付けながら、ゴーストの位置を探ろうとします。ゴーストは懐中電灯の光に当たらないように上手く逃げまわります。そして人間の背後に回り込むことを目指します。首尾よく1人に触れて気絶させられたとします。ここで残された3人の人間には2つの選択肢があります。1つ目は気絶してしまった人間は放っておく。もう1つは人数は多いほうが戦いには有利なので復活させる、です。気絶した人間には一定時間懐中電灯を当てると起き上がります。しかし、懐中電灯を当てている間にもゴーストの脅威があり、「ミイラ取りがミイラに」の可能性があります。人間が一箇所に集まるというのもゴーストには優位に働きます。全員を気絶させたらゴーストの勝ちです。人間の場合はゴーストに一定時間、懐中電灯を当て続けてゴーストを退治すれば勝ちです。
お互いの行動にリスクとリターンがあり、固有のジレンマを抱えている状況というのは独特の緊張感を生み出します。ほんの数分プレイしただけで、見知らぬ外人さんを仲間と感じてしまうような人間同士の連帯感もありました。ゲームとしては非常にシンプルなものですが、情報の非対称性が生み出す面白さを上手く料理したゲームだと感じました。
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