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Scaleform4.1で可能になるユニティとの連携とは ― オートデスク社インタビュー

ゲームビジネス 開発

オートデスク社・Ankur Mohan氏
  • オートデスク社・Ankur Mohan氏
  • ScaleformベースのiOSゲーム『TwinSpin』
  • ユニティエディタ上でStarshipDemoのFlashで作成されたスタートメニューを実行
  • スタンドアロンのアプリケーションとしてStarshipDemoのスタートメニューを実行
  • Unityエディタ上でStarshipDemoのミニマップを表示
  • スタンドアロンのアプリケーションとしてStarshipDemoを実行したもの。HUDと3DiをScaleformで表示
FlashでUIを作成できるソリューションとして赤丸急上昇中の「Schaleform」。本紙でも何度か機能をレポートしています。そのSchaleformが近く4.1にバージョンアップし、ユニティと連携することが発表されました。

「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」でも協賛セッション「Scaleform in Unity/UnityでScaleformを利用する」で講演を行ったオートデスク社のシステムソフトウェアエンジニア、アンカー・モハン氏に、ユニティでScaleformを使用するメリットや特徴などについて、話を伺いました。

オートデスク社・Ankur Mohan氏


■大作ゲームからモバイル向けまで領域を拡大

―――よろしくお願いします。まずはScaleform4.1の新機能について教えてください。

アンカー・モハン:いろいろありますが、ひとことでいえばモバイル用に最適化したことです。まずActionScript BitmapDataを使用できるようになりました。これは多くのFlashゲームを制作するディベロッパーから強く要望されていた機能です。4.0ではマルチスレッド処理に対応しましたが、ActionScriptの処理はメインスレッドで行われていて、レンダリングが別スレッドで行う設計になっていたので、すぐに実装できなかったのです。これが4.1で可能になりました。ActionScript BitmapDataの機能を使うと、ビットマップの中に書かれている画像の情報を直接修正できるようになります。他にXMLにも対応しました。

また、ScaleformはUIだけでなく、Flashで作ったミニゲームのゲームエンジンとして利用可能なモバイル版のプレイヤーを提供し始めました。この特性を応用して、ブラウザFlashゲームをモバイル向けに移植することも容易になりました。iOS向けの『TwinSpin』(GlobZ社)は、その好例です。

ScaleformベースのiOSゲーム『TwinSpin』


―――FlashゲームのディベロッパーがScaleformを使うメリットは何でしょうか?

アンカー・モハン:マルチプラットフォーム展開が非常に容易になるのが一点です。またFlashゲームはFlashプレイヤーで動くだけですが、ScaleformはいろいろなデバイスとFlashコンテンツを、APIやC++などを通して容易に結びつけます。いまや、大手だけでなく中小ディベロッパーがさまざまなゲームエンジンを使う時代ですからね。またScaleformのレンダリング速度は多くのFlashプレイヤーより高速なので、この点でもメリットがあります。

いろいろ申しましたが、簡単にまとめると、PCブラウザ向けにFlashのカジュアルゲームを作っているディベロッパーが、簡単にモバイルデバイス向けのネイティブアプリを作れるようになるのです。もっとも、ScaleformはネットワークAPIはサポートしていないので、この点は注意が必要ですが。

またモバイル端末はメモリの制約がPCやコンソールより厳しいため、Flashコンテンツの最適化を行う上で、メモリ・パフォーマンス解析ツールのAMPが役に立ちます。これを使用すると、CPUやメモリの使用量などの状況をリアルタイムに確認できます。これなどは多くのカジュアルゲームディベロッパーに喜ばれるのではないでしょうか。

―――当初Scaleformはコンソールの大作ゲーム向けミドルウェアという印象がありましたが、モバイル向けに拡大しているのは面白いですね。

アンカー・モハン:特に戦略を変えたというわけではなく、より多くの方々にScaleformを使用してもらいたいという考えは一貫していると思います。それにモバイルゲームは市場で最も成長速度が速い分野の一つです。インディや小規模ディベロッパーは非常に旬な分野で、ユニティもそこに大きく焦点を合わせていますよね。いまやローコストだけどハイボリュームで、カッティングエッジな3Dゲームを、小規模ディベロッパーが作れる時代です。当然Scaleformも、これまでカスタマーではなかった方々に対して、どんどんアプローチしていきたいと思っています。

―――Scaleform4.0では800タイトル以上にライセンスされていると伺っています。これがモバイル向けに展開することで、どれくらい拡大すると見込まれますか?

アンカー・モハン:正直に言ってわかりません。タイトル数は日々増加していますし、実際はもっと多いのではないかと思います。Scaleformのライセンスディベロッパーも、中国・韓国・日本で拡大しています。これからは東欧やロシアが大きな可能性を秘めていると思います。「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」の基調講演もチェコのディベロッパーだったそうですね。こんなふうにゲーム開発者は世界中に広がっています。オートデスクにとっても、これは大きなチャレンジです。

■ユニティ向けにプラグインを用意

―――では、一番お聞きしたい質問です。Scaleform4.1でユニティと統合されるそうですが、実際にはどのようになるのでしょうか?

アンカー・モハン:他のゲームエンジンと同じように、Scaleformで作成したUIをユニティで作成したゲームと簡単に統合できます。もっとも、ゲームエンジンとの統合レベルについては差があります。Scaleformはエピック社と密接な関係を保っていて、レンダリングやシェーダーパイプラインなど、アンリアルエンジンの深い部分まで深く結びついています。ユニティはこれとは違っていて、専用のプラグインを提供する予定です。

ユニティエディタ上でStarshipDemoのFlashで作成されたスタートメニューを実行スタンドアロンのアプリケーションとしてStarshipDemoのスタートメニューを実行
Unityエディタ上でStarshipDemoのミニマップを表示スタンドアロンのアプリケーションとしてStarshipDemoを実行したもの。HUDと3DiをScaleformで表示


もっとも機能的には劣るものではなく、最近のコンソールゲームで多く見られるような3DUIも、Scaleformなら簡単に作って組み込めますよ。ご存じのとおり、ユニティはインディや小規模ディベロッパーの間で爆発的に浸透しています。彼らがPCやコンソールゲームだけでなく、モバイル向けにマルチプラットフォーム展開しようと思ったら、UIをScaleformで作ると移植しやすくなります。特にモバイルデバイスはメモリが厳しいので、AMPによる最適化が貢献すると思います。

―――日本のソーシャルゲーム・ディベロッパーは現在、フィーチャーフォンを中心にFlashベースでゲームを作っています。これが現在スマートフォンを対象に、ユニティなどのゲームエンジンを使う方向にシフトしています。こうした中でディベロッパーがScaleformを使うことに、どのようなメリットがありますか?

アンカー・モハン:まず指摘したいのは、FlashやAirなどのソリューションはゲーム開発に特化されたものではないということです。そのためGUIやHUDなどをイチから作る必要があります。これがScaleformを使うことで、MMOキットやHUDキットなどの、ゲームに最適化されたパーツをすぐに使用することができ、開発が効率化されます。そのため繰り返しになりますが、ユニティでカッティングエッジな3Dゲームを作って、リッチなGUIを載せたいなどの場合に有効ですね。

―――ちなみにScaleform4.1のリリース時期はいつですか?

アンカー・モハン:まだ決まっていませんが、近日中にβバージョンを公開する予定です。

―――ありがとうございました。
《小野憲史》

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