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ユニティとグリーの関係性をアピール ― 「Unity at GREE」が示すソーシャルゲームの未来

ゲームビジネス 開発

グリー 坂本一樹氏
  • グリー 坂本一樹氏
  • 過去に手がけたゲームの数々
  • iPhone向けに書籍執筆も手がける
  • オーバーターン サーガ(スタジオ斬)
  • リアルスキージャンプバトル(プロペ)
  • AlienFamily(グリー)
  • どうぶつフレンズ(グリー)
  • グリーの内製開発環境について
ソーシャルゲーム大手のグリーは、ユニティとの関係性構築にも積極的です。まだ評価が未定だったユニティに対して昨年8月、いち早く包括的事業契約を締結。開発パートナー向けにユニティのプロライセンスを国内独占で無償配布することを発表し、業界を震撼させました。このニュースでユニティを知った人も多かったのではないでしょうか。

「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」でもグリーは12日、講演「Unity at GREE」を行い、蜜月ぶりをアピールしました。講演者の同社テクニカルリードエンジニア、坂本一樹氏は元『太鼓の達人7』『くまうた』などのプログラマー。モバイル向けでも、ダ・ヴィンチ電子書籍大賞を受賞した『ヌカカの結婚』シリーズにかかわりました。『iOS4プログラミングブック』(共著)など、書籍執筆も手がけています。

グリー 坂本一樹氏過去に手がけたゲームの数々iPhone向けに書籍執筆も手がける


■ユニティとソーシャルゲームは相性が良い

はじめに坂本氏はグリーとユニティの連携について紹介しました。開発環境では「Unity Plugin for GREE SDK」をiOSとAndroid向けにリリース。OpenFeintでも「OFUnity」をパートナー企業向けに提供中です。さらにグリー・グローバルプラットフォーム対応SDKとして「GREE Platform SDK for Unity」を鋭意開発中。これにはユニティの「中の人」との仕様レビューやコードレビューも行われています。ユニティ社を講師に招いての社内セミナーも開催されているほどです。

続いてユニティを用いた開発事例として『オーバーターン サーガ』(スタジオ斬)『リアルスキージャンプバトル』(プロペ)『AlienFamily』『どうぶつフレンズ』(内製)が、開発期間やコメントなどを添えて紹介されました。

オーバーターン サーガ(スタジオ斬)リアルスキージャンプバトル(プロペ)
AlienFamily(グリー)どうぶつフレンズ(グリー)


主なメリットとしては▽モデルのコンバートや表示をユニティに一任できる▽iOS、Android同時開発可能▽PC上でゲームバランスなどが調整可能▽ライブラリの整備▽サードパーティやコミュニティの充実▽プラグインでネイティブの機能を呼び出し可能--などが上げられました。一方で▽シーンに配置したプレハブがアプライされているか、わかりにくい▽よりよい"日本語"ドキュメント▽プラットフォーム変更時のリソースコンバート時間の短縮▽アセットバンドルのバイナリ互換性▽アセットリソース指定でアップロードしたい--などの要望が上げられました。

このほか▽デザイナーにユニティを理解してもらい、データ受け渡しを円滑化した▽なるべくユニティエディタ上で開発できるように、端末依存部分を切り分けるなど(Dummyブリッジの作成)、ワークアラウンドタイムの短縮に注力した--など各社の工夫点も披露。総じて坂本氏は「ユニティとソーシャルゲームは大変相性が良い」と説明し、ぜひユニティでソーシャルゲームを作って、グリーで配信して欲しいとアピールしました。

■便利なツールを自作して公開

続いて、ここからグリー社内の開発体制について内容が移りました。このようにユニティとの親和性を打ち出す同社ではありますが、グリーの内製ソーシャルゲームは2Dゲームが中心。その多くはAIR(Flash)ベースで作られています。しかし坂本氏は「現状たまたま、そうなっているだけ」と説明し、WEBゲームのカジュアルなものはAIR上で開発し、コンシューマライクなものはユニティ上で開発するなど、内容によって切り分けていく姿勢を示しました。ただしユニティエディタよりもC#でソースコードを書いていくケースが多いそうです。

グリーの内製開発環境について


使用しているフレームワークはMVVMベースや、2D描画用のもので、「開発コストがどれだけ削減できるか」がポイント。▽可用性▽変更容易性▽使いやすさ▽学習容易性▽テスト容易性▽セキュリティ▽性能--の7項目のバランスがとれているものを採用し、どれか一つだけに突出しているものは、採用しないのがポリシーだと語りました。またタイトル専用の部品をまずは開発し、そこから共有できる部分を取り出して汎用化し、全社的に技術共有していると説明がありました。

このほかアセットサーバは使用しておらず、ソーシャルコーディングには、その語源にもなったgithubを採用。バグトラッキングシステムにはJIRA、CI(継続的インテグレーション)ツールには、セガ『三国志コンクエスト』事例でも有用性が語られたJenkins。エディタにはMonoDevelopを採用しているとのことです。

Meshは独自に開発BitmapFontRendererは公開予定WebView用のプラグインも公開する


その後、話はユニティのさらに深い活用法へと進んでいきました。まず遡上に上がったのがGUI管理ライブラリの「EZ GUI」です。「そもそもEZとは何だったのでしょう? イージーの意味?」と問いかけ、2D描画用のフレームワークを社内制作したとコメント。DrawMeshやSkinnedMeshRendererは自作したそうです。

テキスト描画では定番プラグインのTextMeshの機能に不満があったので、これまたMAC OS Xで使えるフォントをテクスチャーシートに変換するためのコンバータとして、BitmapFontRendererを自作しました。さらにWebView用のプラグインも、定番のものに飽き足らず自作。このうち後者2つについてはオープンソースで公開予定とされ、会場から拍手を浴びていました。

「このように私たちはオープンな姿勢で進んでいきます」(坂本氏)。自身もFacebook上で「Unityユーザー助け合い所」を運営しており、ユニティの「中の人」とコメントを付ける速さを競っているとのこと。これからも、ぜひ協力して盛り上げていきましょうと述べ、講演をまとめました。
《小野憲史》

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