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【CEDEC 2010】調査データで浮き彫りにするゲーム開発者の年収、キャリア、学歴

ゲームビジネス 開発

【CEDEC 2010】調査データで浮き彫りにするゲーム開発者の年収、キャリア、学歴
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華やかに見えるゲーム開発者という職業。そのキャリアとはどのようなものなのでしょうか? 東京大学大学院情報学環の藤原正二・特任助教は大規模なアンケート調査による「ゲーム開発者の就労意識とキャリア形成の課題」をまとめ、初めてこの問題についての体系的なデータとして明らかにしました。ゲームのお仕事フェアの講演として行われた「ゲーム開発者の働き方とキャリア」ではこの貴重なデータを使い学生に向けてゲーム開発者の実態を明らかにしました。

東京大学大学院情報学環の藤原正二・特任助教


まず藤原氏はゲーム開発者を「ゲームの企画・開発を担う構成員の総称」と定義。キャリアとは「将来に渡っての人間の生き方」としました。

■ゲーム開発者のプロフィール

平均年齢諸外国と比較した男女比


まず平均年齢です。中心となっているのは30代の前半。これは業界自体が若いということにも要因がありそうです。「終身雇用は見られず、定年まで勤める人はごく僅か」です。グラフから一目瞭然ですが、圧倒的に男性中心です。これは世界的に同じ傾向で、藤原氏は「エンターテイメントの創造にはダイバーシティ(多様性)が求められているのではないか」と懸念を示しました。

最終学歴、米国との比較職種と最終学歴の関係性


最終学齢では日本では大学と専修学校で約7割を占めます。対して海外では大学卒業が64%、大学院も加えると約8割になります。この違いには、日本では専門学校がゲーム開発者育成機関としての地位を確立している事が挙げられそうです。一方で、職種と最終学歴の関係性を見ると、プロデューサーやプランナーで多いのは大学卒業。プログラマーやグラフィッカーで多いのは専修大学卒という結果になっています。先攻した学問系統との関係性でも、プログラマーは理工系が多く、グラフィッカーは芸術・表現系が多いなどある程度の相関性が見られます。

教育機関数地域別


教育機関数でも専門学校は圧倒的です。これには「時代に応じてカリキュラムに柔軟性を持たせられる専門学校の利点が影響したのでは」とのこと。ただし、所在地では東京・大阪・名古屋に偏重が見られます。

ゲーム開発は分業・協働でありコミュニケーション能力が必須


■ゲームが好きだから開発者になる

好きだからゲーム開発に前向きな企業選択


続いて、開発者がゲーム産業に参入(就職)した理由について。圧倒的に多いのは「ゲームが好きだから」という回答。次いで「自分の能力・個性が活かせる」「仕事が楽しそうだから」が続き、大多数が前向きな志望理由を持ってゲーム産業にやってきた事が分かります。

また、今の会社に就職した理由においても、「自分の能力・個性が活かせるから」「仕事が面白いから」「技術を覚えられるから」というのが上位3理由で、こちらも前向き。藤原氏は「内発的なモチベーションが推進力になっていて、やる気の高い人が多いというのがゲーム産業の特徴です」と言います。

求められる資質・能力ゲーム業界で求められる技術力


そのことは求められる資質にも反映されています。最も多いのは「熱意・意欲」で、次いで「想像力・発想力」、「積極性・チャレンジ精神」です。ここで専門的な技術スキルは全く上位にきません。ただ、当然のことながら技術的にも求められるものは大きく、CESAの有識者会議では技術ロードマップを策定、毎年のCEDECで更新されています。

■ゲーム産業の給与は

平均給与他業界との比較


気になるゲーム産業における年収ですが、年齢が上がるにつれて急激に上がる年功序列賃金となっているようです。勤続年齢による上昇は年齢ほどではないようです。これは専門学校卒が多いのが影響しているのかもしれません。他の産業と比べると平均年齢は低く、平均年収は高いという結果になっています。勤続年数が短くなっていますが、藤原氏は「ゲーム開発者はプロジェクト単位で動く人が多く、組織に従属するのではなく、自らキャリアを切り開いていかなければならない」と話しています。

転職ありなしの平均年収転職回数と平均年収


転職回数と平均年収の相関を見ると、転職をしない方が年収には有利のようですが、転職回数と平均年収との相関は見られません。

仕事の継続理由では「お金を得るため」がトップです。2位は僅差で「この仕事が楽しいから」「現在の仕事が好きだから」「自分の才能や能力を発揮するため」が並んでおり、才能が発揮できない組織にいたり、そういう組織になってしまった場合に転職するという手段が取られるようです。

勤務形態は裁量労働制が多いようです。

■開発者のキャリア開発

開発者の育成は積極的には行えておらずOff-JTの実施内容は


入社後の育成についてはOJTが中心という企業が多いようです。キャリア開発自体は個人の裁量に任せるというケースが多く、企業が行う場合も、人事部が主導するというよりは、開発現場が主導しているようです。具体的な取り組みも乏しく、せいぜいCEDECに派遣するという程度が多くなっているようです。藤原氏は「人を育てられる人材が不足し、そのための時間も不足している」とのこと。

プロデューサーまでのキャリアパスを考えると、開発職でも営業職でも道のりはあり、学歴や職種によって到達年数は異なっていきます。その平均年齢は10.29年だということです。

キャリアパターンキャリアの節目とは

キャリアアンカー8つのカテゴリ開発者のキャリアアンカー


ただし、プロデューサーを目指すばかりがキャリアパスとは必ずしも言えません。それぞれに目指す志向があるからです。その一つの方向性としてキャリア・アンカーの8カテゴリとして提示しています。ゲーム開発者の中には、「起業家的創造性」「純粋な挑戦」「保障・安定」といったキャリア・アンカーが強い人が多いようです。

最後に藤原氏は一つのキャリア戦略を提示しました。(1)まずは豊かな学びとゲーム経験を蓄積し、開発者の前段階としての素養を養っていく段階です (2)次いでRJP(Realistic Job Preview)=良い点も悪い点も知る。すなわち憧れの段階から、現実を直視し軌道修正しながら、自分の道を定めていくことです (3)では人的なネットワークを構築し (4)では自分のキャリアのデザインを節目節目でやっていきます (5)そしてキャリア・アンカー、キャリア選択の指針を形成していくことです。

キャリア戦略おわりに


藤原氏は「ゲーム開発者は大変な点もあるが、人々を楽しませるやりがいのある仕事」だと締め、未来のゲーム開発者にエールを送っていました。
《土本学》

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