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『ゴーストトリック』開発後期onインサイド(第3回)・・・プログラムと背景の苦労点は?

任天堂 DS

『ゴーストトリック』開発後期onインサイド(第3回)・・・プログラムと背景の苦労点は?
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みなさんはもう遊ばれました? 巧舟氏による完全新作『ゴーストトリック』。良作として評判の高いゲームですが、その開発には様々な苦労がありました。本企画ではインサイド上での開発後期として、開発スタッフの皆さんにお気に入りシーンを聞いていきます。



第三回はプログラムを担当した本田氏と背景デザインなどを担当した長嶋氏です。

本田 俊彦さん(制作部)

担当箇所は?
プログラマとして、基本システム部、2Dアニメーション、背景処理、スクリプトエンジンなどを担当。基本的には眼に見えない部分を作って、他のスタッフがゲームを作っていくための土台を整備する仕事です。システムが落ち着いた終盤は、プログラムのメンテナンスの傍ら各種要望の相談窓口やチーム運営的な仕事も担当していました。
メッセージ
あれは2007年の冬だったでしょうか。このゲームのビジュアルをどうしていくかを模索しているときに、ふと思いつきで提案したプリレンダのアニメーション(※)が、あれよあれよと仕様やツールやプログラムがどんどん整備されて、ゴミ捨て場の最初のシーンが出来てしまいました。

ビジュアル面の方向性は固まって良かったのですが、次々生み出される素晴らしいアニメーションの数々のおかげで、これ以下のクオリティにはできんぞ‥‥みたいな強迫観念ができたといいましょうか、もう、やるならトコトンやるぞ!という雰囲気になっていったように思います。

なんとなく大変な仕事になりそうだ、という予感はあったと思うのですが、数少ないオリジナルタイトルに関われるチャンスでもあったので、できるだけやりたいように作ってもらおうと決意しました。

今思うと暴走だよなーと思います(笑)

冷静なプログラマなら選ばない選択肢だったかもしれません。無茶をいうプランナーをなだめすかして、納期とクオリティのバランスを取るのが仕事だったはずなんですけれど、逆に煽ってしまってたような‥‥でも、反省はしていません!他のプログラマのスタッフにはかなり無理言って頑張ってもらったので、恨まれてるかもですけれど、最後まで押し切ってしまいました。

幸いなことにチーム全体のモチベーションはずっと高かったですし、カプコンを支えてきたベテランの人たちが参加していたこともあって、なんとか最後までやり切ることができたと思います。

そして、2010年の春先にふとアニメパターンの数を数えてみると‥‥10万超えてる!なんて驚愕の事実が。まあ分かってはいたんですが、改めて数字をだしてみると、凄い仕事してきたな!という実感が湧いてきました。

最終的にはプロジェクト全体のファイル数が80万を超えました。携帯ゲーム機では史上最多ではないでしょうかね‥‥。ギネスブックに載せられるかも!?と思ったり。

‥などと少し数をだしてみたりしましたが、数だけではなく、一つ一つにコダワリと沢山の愛が詰まっているゲームとあいなりました。遊んでくれた人ならきっと伝わってくるものがあったと思います。まだ触れてない人にはぜひ手にとってみて欲しいです。

最後に。このゲームを作っている間は、ずーっとテンテコの舞いを踊っていましたが、とても幸せな期間でした。楽しく、熱く、最後まで良い仕事が出来て本当に良かったです。『ゴーストトリック』チームは最高です!そして、このようなチャンスを与えてくれた全ての人に感謝です。ありがとうございました!

※プリレンダのアニメーション
DS実機でリアルタイムにポリゴンのキャラクターを動かすのではなく、PC上で作成したキャラクターの動きをあらかじめ2Dのドット絵のパターンとして出力しておき、それをDSでアニメーション表示するという方法
テンテコの舞
沢山あるんですが、やっぱりテンテコの舞いは外せません。仕事でかけずり回っていた頃を思い出しますね。まじめ看守のモーションはどれも面白いので必見です。遊んでくれた人の感想にも出てくることが多いですよね。ぜひ覚えて「踊ってみた」してみてください!

長嶋 昭子さん(制作部)

担当箇所は?
バックグラウンド全般デザイン・ゲームステージ背景デザイン・作成全般。パブ・プロモーション等の背景デザイン・・・などバックグラウンドデザインと作画をさせていただきました。その他チーム管理・人員アテンドマネージメント・スケジュール管理等のチーム運営と管理を並行して担当させていただきました。結果、スタッフから「オカアサン」「アネゴ」「アニキ」・・・などの様々な名前を頂戴致しました。
メッセージ
このチームに配属されて以来、巧ディレクターの柔らかい口調のダメだしと夜遅くまで黙々とストイックに制作作業をこなす開発のメンバー達と、そして開発メンバーを信じて、放任・・いや、自由に作らせて下さった竹下Pの御心と・・・。それらメンバー全員の妥協しらずの結集力が強く表れたタイトルでした。さらには、このタイトルを作る事を与えて下さった会社及び開発外でご助力戴いた方々のおかげだと思っています。

背景デザインのイメージ作りを引き受ける位置にいるという意味あいから、シンプルな背景画の中で細かい動きを特徴としたキャラ達の世界観を導いていけたらと・・・。巧舟独特のテイストと笑いを含んだシナリオの中で動くキャラたちの群像劇に、背景はあくまでバックグラウンドであり、浮き上がらないよう、人物キャラ達をころさないよう・・・表現的にはパースをつけず、単色づかいで、文字を排除し、どの国でどんな時代かが不明なデザインを・・・以上のような点に注意して作成した次第です。

制作途中1章・2章目が完成した頃に雑誌社の方々に意見をいただく機会があり、「可愛らしくもあり、芸術的でもある色遣いがとてもすてきでした!」・・・と嬉しいコメントを頂戴いたしました。

卓越した巧ワールドに少しでもシャープな絵柄の背景がマッチしたのかと思い、その後のステージは意気揚々と楽しく描かせて戴きました。ユーザーの方々には印象深い配色とシンプルだけど細かくデザインされた背景の絵柄の中にどことなくミステリアスなイメージを感じながらこの世界観を楽しんで戴けたらと思います。

長年、この業界で背景画のお仕事をさせて戴いてきて、携わったすべてのタイトルとその時のチームメンバーは素晴らしい宝物です。。そして今回『ゴーストトリック』というタイトルがそのひとつに加わりました。多種多様に進化し、そして新たなゲームソフトを生み出すこの業界の中で、『ゴーストトリック』が遊んで下さった方々・これから手にとって遊んで下さる方々にとって、このタイトルがお気に入りのゲームソフトのひとつに加わる事を願っております。
ジーゴの抜けっぷりに・・・
冒頭のクレーンの鉄球がジーゴの頭上に落ちて、転がる鉄球にジーゴがはりついているシーンです。開発時はじめて見た時からのお気に入りです。
クールなジーゴの抜けっぷりに思わず顔がほころびます。この「抜き」加減がこのタイトルの味だと確信したシーンでした。
・・・でこれはストラップになって、いつでも立体はりつきジーゴさんがそばで揺れてます。

開発後期は毎週金曜日の公開となります。お楽しみに!
《土本学》

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