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【GTMF2010東京】サウンドデザイナーの心強い味方、ADX2がお披露目

ゲーム開発を支えるツールやミドルウェアが一堂に集まる、Game Tools and Middleware Forum 2010東京会場が1日、大手町サンケイビルにて開催されました。

ゲームビジネス 開発
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ゲーム開発を支えるツールやミドルウェアが一堂に集まる、Game Tools and Middleware Forum 2010東京会場が1日、大手町サンケイビルにて開催されました。

「CRI ADX2」を発表したばかりのCRI・ミドルウェアはさっそくセッションにて新製品の概要を明らかにしました。登壇したのは専務取締役CTOの押見正雄氏、主にミドルウェアのサポート業務に携わっている櫻井敦史氏です。

「ADX」は音楽/音声の再生やマルチストリーミングを実現するミドルウェア。1995年にセガサターン向けに登場して以来、1000タイトル以上で採用実績があります。そんな「ADX」が15年の時を経て新製品へと生まれ変わります。これまで「ファイルマジックPRO」や「CRI Audio」として独立してきた関連ミドルウェアの機能を包含し、音楽の制作から読み込み、再生まで統合的なサウンドソリューションとなりました。

「ADX」からの大きな変更点はオーサリングツールの「AtomCraft」が搭載された点です。押見氏によれば、「15年前は音楽を鳴らすのが最優先だったが、今日では制作環境を整えて生産性を高める事まで求められる」とのこと。「AtomCraft」では様々な音楽素材をドラッグ&ドロップでタイムラインに配置して、それをキューと呼ばれる塊にして、それをプログラマが指定するだけで音の再生が出来るようになります。ランダムでの再生や「CRI Audio」にあったAISACで距離減衰を設定するなど、単一の素材を様々な手法で再生し幅を持たせる事も出来ます。これらの作業をサウンドデザイナー主体で行う事が出来ます。デモがありましたが、非常に分かりやすく直感的に設計されている印象でした。

マルチプラットフォームへの対応も強化され、「AtomCraft」で制作したものは、あらゆるプラットフォームで最適化された形で出力できます。対応するのはPS3、Xbox360、Wii、DS、PSP、PC、iPhone/iPad、Android、組み込み機器、業務用といったプラットフォームです。これらで同じサウンドデータを利用できるため、ハードを意識する必要がありません。また、Wii、DS、PSPではハードウェアも利用して低負荷な再生を実現してくれます。

新たな音声コーデックも「ADX2」の特徴です。これまでの「ADX」は高音質で低負荷でしたが圧縮率は1/4程度でした。「HCA」(High Compression Audio)は高音質でありながら1/6~1/12ほどの高圧縮を実現します。また、これを拡張し、複数音の同時再生時に負荷を抑えることのできる「HCA MX」も登場しました。会場では16音の同時再生でデモが行われましたが、ADXで5%程度の負荷だったものが、HCAでは10%程度、HCA MXでは3%程度に抑えられていました。「HCA MX」は複数の音を再生している場合に、共通化できる処理があることに着目したもので、ピッチ変更が出来ないなどの制限はありますが、今日のように大量の音を同時に鳴らして深みを出すようなゲームには最適のコーデックと言えそうです。もちろん、異なるコーデックでエンコードした音を同時に鳴らす事もできます。

今後は『アルトネリコ3』で実現したアダプティブミュージックが搭載されます。ストリーム音楽でありながら再生中のキーチェンジやテンポチェンジが可能になります。これにより、戦闘中に緊迫した場面になると音程を上げたり、テンポを上げたりといったことが可能になります。デモも行われましたが、楽曲の印象は大きく変わり、その効果に来場者は聞き入っているようでした。

その他、実機に繋いだ状態でリアルタイムに編集を可能にするインゲームプレビューや、ゲームの状態に合わせて音楽を再生する簡易スクリプト言語のようなゲームステート変数、などの機能が追加されていく予定です。

7月1日からPS3、Xbox360、Wii、DS、PSP版がリリースされています。価格はこれまでのADXと変わらない価格設定です。
《土本学》
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