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エピック・ゲーム・ジャパンの設立発表会が開催~Unreal Engineで日本市場に本格進出

Epic Gamesは『Unreal Tournament』や『Gears of War』シリーズで知られるゲーム開発会社である一方、世界で最も著名なゲームエンジン「Unreal Engine」を数多くのゲームメーカーにライセンスするベンダーでもあります。

ゲームビジネス 開発
エピック・ゲーム・ジャパンの設立発表会が開催~Unreal Engineで日本市場に本格進出
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Epic Gamesは『Unreal Tournament』や『Gears of War』シリーズで知られるゲーム開発会社である一方、世界で最も著名なゲームエンジン「Unreal Engine」を数多くのゲームメーカーにライセンスするベンダーでもあります。「Unreal Engine」は国内では『ロストオデッセイ』(マイクロソフト/Xbox360)や『ラストレムナント』(スクウェア・エニックス/Xbox360)などの採用事例があります。

同社ではより日本市場でのプレゼンスを高めるために、昨年末から日本法人の立ち上げ準備を進めてきました。この度、陣容が整ったのに合わせて、エピック・ゲームズ・ジャパン合同会社の設立発表会を秋葉原の富士ソフト アキバプラザにて開催しました。多数の来賓が出席し、本気ぶりを伺わせる内容でした。

■グラスホッパー須田氏も来賓として登壇

最初に登壇したのはEpic GamesのCEOで、Unreal Engineの開発も指揮するティム・スウィーニィ氏。何度も来日しているティム氏は「今ではゲーム開発者ですが、私も子供の頃は日本の任天堂やセガのゲームを遊んで成長しました。そのような思い入れのある国に恩返し出来る事をとても嬉しく思っています。既に多くのパートナー企業があり、利用を頂いていますが、これまで以上に地域に根差したサポートを日本法人を通じて提供していくつもりです」と話しました。

また、日本法人設立のために昨年来、何度も来日してマイレージが沢山溜まって嬉しいと笑いを誘った、副社長のジェイ・ウィルバー氏は「日本のパートナーと話していくうちに、より大きな展開には現地法人が必要だと痛感しました。そして今日ここに立つことが出来ました。パートナーの皆さんと共に手を取り合って成功していきたいと思います」とコメントしました。

左からジェイ・ウィルバー副社長、河崎高之社長、ティム・スウィーニィCEO、下田純也サポートマネージャー


来賓として登壇したのはグラスホッパー・マニファクチュア代表の須田剛一氏です。グラスホッパーではエレクトロニック・アーツとの共同開発のホラーアクションゲームでUnreal Engine 3を利用しています。

「3年前の東京ゲームショウでしょうか。三上(真司)さんと一緒にジェイに直接プレゼンしてもらいました。日本のスタジオにとってミドルウェアは慣れないもので、特に何かに使う前提ではなかったのですが、Unreal Engine 3を見たとき、"これは夢のエンジンだな"と思いました。それでEAとのタイトルで使う決断をしたんです。グラスホッパーでは約70%のスタッフがUE3を触りましたが、開発のスタートダッシュに物凄く威力を発揮しますし、我々の開発手法であるクラッシュ&ビルドにも上手く適合してくれるものです。今後も新しいプロジェクトには使いたいと思ってますし、エピックさんとは末長くお付き合いしたいと思っています」

「僕はゲームデザインもシナリオも書くのですが、Unreal Engine 7か8になる頃には、僕の書いたシナリオが自動生成でゲームになる、そんなエンジンをお願いします(笑)。それから、先ほど、ティムさんのフェラーリ、クリフさんのランボルギーニに乗せてもらう約束をしましたので(笑)、今やってるゲームの開発終盤の調整にはエピック本社のあるノースカロライナに行って一緒にゲームを仕上げたいと思っています。日本での成功をお祈りします!」

壇上から「来賓なう」須田剛一氏


と須田氏は冗談を交えながらも、祝いの席とはいえ、大絶賛の様子でした。

続いて同じく来賓として登壇したJ-Spec PicturesのJoseph Chou社長は「Unreal EngineはゲームだけでなくCGアニメーションにも利用できるということで衝撃を受けました。CGアニメは通常のアニメと比較してコストや時間がかかるのがネックですが、UEを利用すれば制作工程を改善できるだけでなく表現力も向上させることができます。この分野での応用を積極的に支援していきたいと思っています」と話していました。

■日本でのサポート体制は?

最後にエピック・ゲーム・ジャパンの河崎高之代表と下田純也サポートマネージャーから、日本での展開について詳しく述べられました。

最も大きいのは契約から開発サポートまで窓口が一本化され、日本語でのサポートが提供されるということです。これまでは本国に直接問い合わせる必要がありましたが、今後は日本の開発文化を熟知したスタッフによるサポートが期待できます。ライセンシーで共有するメーリングリストや緊急時のインスタントメッセンジャーでの連絡も用意されるそうです。

また、チュートリアルやドキュメントの日本語化も加速されるとのこと。現在のところ、ウェブ上にある800ページ以上(全体の約90%)が日本語に翻訳されていますが、今後も追加で翻訳がなされ、新しいドキュメントが追加された際も随時対応がされるとのこと。

加えて、既に支社がある韓国や中国とも連携し、これらの国に外注しそれにUnreal Engineを利用する場合などのサポートが向上しそうです。



■Scaleformとのパートナーシップが明らかに

ここで「one more thing」的にジェイ・ウィルバー氏が再度登壇。会場のスクリーンには「特報」という文字が映し出され、Scaleform Corporationが提供する「Scaleform GFx」がUnreal Engine 3に搭載され、UEのライセンシーが無償で利用できるようになることが発表されました。無償提供されているUDXでも年内に搭載されます。また、Epic自身も『Gears of War 3』に「Scaleform GFx」を採用するとのことです。

会場ではScaleform Corporationのプレンダン イリブ CEOと、日本のカントリーマネージャーを務める永山雄朗氏が登壇し、「Scaleform GFx」の概要を説明しました。

「Scaleform GFx」はFlashでオーサリングしたファイルをゲーム機で利用するためのソリューションで、特にメニュー画面やHUDなどのUI用途で広く利用されています。最新バージョンでは、3DメニューやAMPと呼ばれるパフォーマンスのアナライズツールが提供されています。年内にはメジャーバージョンアップの4.0がリリース予定で、Flash10やAS3のサポート、レンダリング速度の向上、モバイル機器への対応強化が図られる予定です。

UnrealとScaleformが提携Scaleform日本の永山氏UE3とのインテグレーションに対応
3Dメニューに対応AMPでパフォーマンスチェック今後のバージョンアップ予定



発表会の最後に日本法人代表の河崎氏は「これまで日本法人が存在しないことでライセンシーの皆さんには大変ご不便をかけてきたことを重々承知しております。今後は地域密着型のサポートで皆さんのゲーム開発を支援していきたいと思います」とコメント。Unreal Engineの日本での更なる普及を誓っていました。

《土本学》
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