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【CEDEC 2009】「みんなが知らない!?キャラクター版権タイトルの作り方」をサイバーコネクトツーが説く

ゲームビジネス その他

【CEDEC 2009】みんなが知らない!?キャラクター版権タイトルの作り方
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株式会社サイバーコネクトツーといえば『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』『.hack//G.U.』などのタイトルで評価が高いデベロッパー。CEOの松山 洋氏とディレクターの下田 星児氏が、キャラクター版権タイトル(キャラものゲーム)に関して秘密を明かしました。

■入門編 版権タイトルの基礎知識

最初に登壇されたのは松山氏。「誰に喜ばれているか」が明確であり、デベロッパーとしてもプロモーションがやりやすいのが版権タイトル。オリジナルタイトルは売れるかどうかが分からないので「契約に繋がりにくい」(松山氏)側面が存在します。版権タイトルはゲームだけが独立して存在するのではなく、原作との連携も必要。「版権と共に盛り上がるものでないと好まれない」とのことです。

ユーザーが求めているのは「キャラクター」「ドラマ」「世界観」の三要素。「あのキャラは出るのか」「あのシーンは再現できるのか」「世界観に浸れるのか」が重要であり、キャラクター性を表現するのに向いているという意味で格闘ゲームを選択したといいます。

通常は出版社からの提案で制作される版権タイトルですが、現場レベルから提案するという逆をいくスタイルがサイバーコネクトツー。出版社とアニメ会社による厳しいチェックを経てゲームを作成しており、その厳しさは「脚本も一字一句チェックが入る」(松山氏)ほどであるそうです。

「愛のないクソゲーを無くしたい」と語る松山氏は、愛がない制作者がゲームを作ってしまうと、原作の様々なエッセンスを取りこぼしてしまうとその危険性を指摘します。版権タイトルに定評のある同社ですが、『NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー』シリーズの当初はアニメ監督とかなり激しいやり取りが行われたとのこと。しかし、通常は行わないアニメ監督へのプレゼンを繰り返すなどして「友情で仕事をしている」(松山氏)ほどの信頼関係を形成。「ここがダメ」という指摘が「ここをこうすれば良くなる」というサジェスチョンへと変わっていったといいます。

デベロッパーの中には指摘を取り入れない所もあるとのことで、こうした姿勢が版権元のモチベーションを下げると警告します。同社では監修で指摘された部分をデータベース化することで同じ指摘を受けない体制を確立しているそうで、こうした部分も信頼関係の構築に一役買っているようです。

■実践編 版権タイトルならではのゲームデザイン

第二部では下田氏が登壇。版権とゲームデザインの関係性を語ります。サイバーコネクトツーではゲームデザインの際に「この一言を聞けば、原作が思い浮かぶ」というキーワードを抽出。ここからゲームとして使える部分を探していくといいます。下田氏は、版権タイトルの制作に関し「版権独特のバトルシステムを作る必要がある」と指摘。「スタッフがファンの目線で愛を持つこと」が大事であると説きます。

同社の手法は「バトルとドラマの華麗なる融合」であり、これは「ゲームを2本作るようなもの」であるものの、そうでなければファンの期待に応えられないと語ります。「前に作ったあのシステムにキャラクターだけ乗せる」ような安易な手法は厳禁であり、キャラクターをゲームに合わせるのではなく、「その版権にしかできないゲームデザイン」であるべきだ、とゲームデザインと版権の結びつきの必要性を強調しました。

■同業者によく聞かれる質問

「同業者によく聞かれる質問」というテーマで松山氏が再度登壇。版権タイトルの制作における疑問点に答えていきます。ゲームを作るには資料が必要ですが、アニメ版の設定資料は貰えるものの、単行本などその他の資料は全て自社で購入しなければならないとのこと。

また、TVの視聴率が変化することで放映スケジュールに変更が加えられ、新キャラクターが予定より早く登場するといったこともあるそうですが、こうした事態に対応しゲームにも新キャラクターを投入するために「アニメやマンガの進行にアンテナを張る」(松山氏)ことも必要であるそうです。

サイバーコネクトツーでは、単行本を15冊ずつ購入するのに加えて原作マンガの週刊誌を5年分保存。さらに映画のチケットを会社で購入して配布、海外イベントに積極的に参加して現地ファンの動向を掴むなどの取り組みを展開しているとのこと。松山氏は、こうした投資は作品のクオリティに直結すると語りました。

松山氏は「愛のない作品は作っちゃだめ」「絶対に版権にあぐらをかかない」「似ていればOKという訳ではない」と版権リスペクトの大切さを繰り返し、最後に「版権タイトルとオリジナルタイトルは同じくらい作るのは大変だが、同じくらい楽しい」との結論を提示しました。版権タイトルを作る苦労が現場レベルから語られるという意味では、非常に貴重な講演だったといえるのではないでしょうか。
《水口真》

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