Krome Studiosはオーストラリアのデベロッパー。CEOのRobert Walsh氏はロンドンで行われたDevelop conferenceで「開発プロジェクトを成功させる7つの秘訣」を披露したとのことです。
■現実的であれ
「現在の経済状況はナーバスなものであり、パブリッシャーが収益を欲しがっているが故にできない約束をしてしまうのも簡単」と警告。できない約束はするべきではなく、誠実であることで人々やパブリッシャーから更なる尊敬を集められるとのこと。また、「小さい」ゲームプロジェクトは存在しないため、こうした「自殺的な仕事」を避けるべきともしています。
■コミュニケートせよ
「パブリッシャーとの濃密なコミュニケーションはいかなるプロジェクトにおいても美徳。パブリッシャーにお粗末な部分を隠そうとするなかれ。彼らはあなたが思うほど愚かではなく、いつかは見つけられるだろう。率直である方がよほどよい。“我々”“彼ら”というメンタリティは無くす必要がある」とコミュニケーションの大切さを強調します。
■手段を考慮せよ
繰り返しは作業の水準と速度を上げるとした上で、「ワンオフ(専用品)を作るなかれ。もしも横スクロールゲームを作っている時にドライブする面を加えるとすれば、ドライブ面のクオリティは横スクロールゲーム自身と同じくらいである必要がある。一つの部分のために基準を下げることはプレイヤーと開発者の時間を無駄にする」と安易に例外を作ることを戒めます。
■調査すべし
今日の開発者は費用対効果をチェックしなければならないと前置きし「あなたは常に“実際にやったこと”と“やるつもりだったこと”を調査しなければならない。プロセスを調査し内部的なデッドラインを設定することは、あなたの目標達成を助ける」と自己の仕事を客観的に見ることの大切さを指摘。Krome Studiosにはこうした調査のために6人の専従スタッフが存在するとのこと。
■締切を守るべし
パブリッシャーは競争相手のゲームやジャンルとしてのボリュームなどを考慮した上で一年のポートフォリオを作るのに多くの時間を費やしており、発売予定日に遅れることは計画のない所へゲームを出すことである、と延期の危険性を指摘。「シューティングの発売を3ヵ月延期するなら、結局は次の『Halo』と競合することになるだろう」と発売日遵守の重要性を指摘します。
■危険は早く見つけるべし
「大きな挑戦をするのであれば、できるだけ早く技術者とミドルウェア、コア・フィーチャーを用意し、これらが動作することを確認すべし」とWalsh氏。「ミドルウェアを改修したいとは誰も思わないだろう」とコメントしています。
■品質管理に時間をかけるべし
Walsh氏は品質管理の重要さに関し「QAをパブリッシャーに頼るべきではない」と表現。パブリッシャーによるアルファテスト以前に内部のQAチームでテストすることで多くの成果が得られるとしています。また、昼食時にものができることは滅多にないため、QAスタッフに夜のシフトも用意すべきである、と内部テストのメリットを挙げています。
コミュニケーションや現実的であることの重要性など、7つの秘訣はゲーム業界以外の仕事とも共通点が多く、普遍的であるが故に真理を突いているのではないでしょうか。
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