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『Wiiの間』の印象と課題

任天堂と電通は、Wii向けの新たな映像配信サービスとして『Wiiの間』を5月1日より開始しました。スタートから数日経ちましたので、その印象と今後の展望、課題について述べてみたいと思います。

任天堂 Wii
任天堂と電通は、Wii向けの新たな映像配信サービスとして『Wiiの間』を5月1日より開始しました。スタートから数日経ちましたので、その印象と今後の展望、課題について述べてみたいと思います。

『Wiiの間』は名前の通り、Wiiの中のお茶の間を作ろうというもので、お茶の間のような空間が用意され、自分や家族のMiiを設定、ちゃぶ台を囲んで生活が始まります。部屋には有名人や歴史上の人物(コンシェルジェMii)が来客、オススメの番組を紹介してくれます。他にも部屋にはメッセージボードや、ウェザーニュースと連携したカレンダーや、スポンサー番組が見られる「会社の間」が存在します。特に何もしなくても、ちょこちょこコンシェルジェMiiが来てくれるので番組をダラ見したい人もOKです。

現在配信されているのは「自然Wiiテレビ 動物たち」「伝えるWiiテレビ THE SPEECH〜言葉の力〜」「職人Wiiテレビ 修理、魅せます。」「挑戦Wiiテレビ BIG STEP」「Wiiの間クッキング」「生活 体に聴く小噺」といったもの。スポンサー番組を含めると約40本ほどです。毎日新規番組が追加されているようです。映像は質を2種類で選べ、私は高画質を選択したのですが、十分な綺麗さだと感じました。

内容としては、アフリカゾウの生態を伝えるもの、マザー・テレサの言葉を伝えるもの、劣化した写真を修復する職人を紹介するもの、結婚式の司会を初めて任された女性の物語、など多岐に渡り、どれも視聴してみましたが、質の高いものになっています。どちらかというとNHK的な優等生的な番組ですが、民放でも視聴率を取れるのでは? というラインナップです。番組にはスポンサーが付いているようで、「自然Wiiテレビ」はセブン&アイ、「職人Wiiテレビ」はホンダといった具合に、番組終了後に当該の会社の「会社の間」に移動することができます(しなくてもOK)。

「会社の間」では会社毎にCM映像や投票というようなゲーム機ならではの仕掛けでその会社が紹介されます。最初のスポンサーとなっているのは、セブン&アイ、ユニリーバ、ホンダ、イオンの4社で、消費財メーカーを中心に良いスポンサーを集めていると思います。ユニリーバであれば「Lux」の誕生物語、ホンダであればインサイトを紹介する物語、という風に、ただのCM映像というよりは、楽しみながら企業イメージをアップさせるような流れが汲まれています。各社の内容はそれなりに興味深いものになっていると感じました。

もともと『Wiiの間』は発表時点から「テレビや広告に携わっている人たちが作ってみたかった新しい視点からのいろんな番組をご提供していきます」ということが謳われていて、どうやら今の配信されている映像や会社の間を見ると、そこに重点が置かれているように思えました。また、テレビマンが作りたい作品、広告マンが思う広告のあるべき姿、を実現したいという思いが感じられます。

個人的には興味深い映像が多く、この取り組みが成功して欲しいと思うのですが、懸念もあります。任天堂はユーザーが毎日起動してくれるようなコンテンツが欲しい、電通はWiiのユーザー数をベースに新しい媒体に唾を付けたい、そんな同床異夢のような気がしてなりません。

『Wiiの間』を毎日起動してもらいたいのであれば、ニュースチャンネルやお天気チャンネルは当然統合されているべきだと思います。折角お茶の間という空間を作ったのですから、映像を見るだけの場では勿体ないです。(いまどれだけいるか不明ですが)とりあえずニュースや天気をWiiでチェックしようという人は取り込むべきです。もっと大胆な事であれば、Wiiメニューに統合して、左半分は『Wiiの間』になっているような構造が考えられます。そうすれば、Wiiを起動するだけで、受動的に様々なコンテンツを楽しめる、テレビに近い存在になれるでしょう。任天堂自身も様子見なのではという印象があります。

先に述べましたが『Wiiの間』で提供されているコンテンツは個人的に非常に楽しみなものが多いですし、広告媒体としても、クーポンを配ったり、消費者に嫌われない広告のあり方というのは面白いものです。

しかし当然ながらそれを実現するには継続的にスポンサーが付く必要があります。パートナーは電通ですから当面は問題ないとしても、最終的には多くのユーザーが閲覧して、行動に繋げられるメディアである必要があります。改めて僕が言う必要はないと思いますが、Wiiの普及台数が900万台とするとリーチ可能な人数は2000万人を下らないでしょう。非常に可能性がある媒体です。一方で『Wiiの間』を入手するのに必要なネット接続は、約3割程度のユーザーに留まっていると言われます。WiiウェアやVCの販促にも繋がりますので、ぜひここを引き上げる取り組みをお願いしたいと思います。

私は「職人Wiiテレビ 修理、魅せます。」の続編をぜひ沢山見たいので、『Wiiの間』はぜひ盛り上がって欲しいと思います。そのためには、起動する理由を増やすこと、Wiiのネット接続率を上げる努力をすること、でしょう。もちろん後者は私たちのようなメディアのすべきことでもあると思いますが・・・。新しい取り組みが成功することに期待をかけたいと思います。
《土本学》

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