これを受けて、200万本と期待された年間売上は45万本に下方修正。同社のアナリストであるDoug Creutz氏は「タイトルの品質ではなく任天堂市場におけるサードパーティの困難さ」ではないかとコメントしています。
同様に任天堂ハードで高年齢層を狙った『House of the Dead: OVERKILL』は二週間で45000本、『MADWORLD』は約一ヶ月で65000本。任天堂ハードで高年齢向けのタイトルを欲しており、なおかつ二週間〜一ヶ月という期間にゲーム屋で購入する人々は3万弱〜9万といった極めて大ざっぱな試算が可能です。
いくつかの推理をしてみましょう。「二週間〜一ヶ月の数字」であることに注目してみます。
年齢を経るほどに忙しくなっていくのが人。仕事などの都合で、発売直後にフットワーク軽くゲームを買いに行くというのも難しくなってきます。これらのソフトは高年齢向けなので、買いたいと思っていてもなかなか体が空かない人が多いとすればどうでしょうか。
「任天堂ハード」に焦点を当ててみましょう。
WiiやニンテンドーDSはお茶の間で共用されることも多いハードです。そこに、子供には見せられない高年齢向けソフトを導入するのは、個人用ゲーム機に同じソフトを導入するより困難が予想されます。家族がいる場合は、経済的な事情からも「もう一台自分専用のものを買う」のは難しい場合もあるのではないでしょうか。
では、任天堂ハードにおける高年齢向けソフトは絶望的なのでしょうか?
決してそうではないでしょう。単発ではなく連続したムーブメントとなることで様々な変化が起こるのではないでしょうか。自分専用のハードを買うにしても、遊びたいゲームが1本や2本なら困難でしょうが、5本、10本、15本ならどうでしょう。遊びたいゲームが15本あれば、自分専用ハードを検討する充分な動機とは言えないでしょうか。
高年齢向けのソフトも、数が増えることでジャンルとしての地位を獲得できるのではないでしょうか。ジャンルとしての地位があれば、ゲーム屋の棚の専有面積も広くなり、より目立ちやすくなります。大人向けのゲームがあるということで、発売直後の二週間〜一ヶ月に万難を排してゲーム屋へ直行する以外の層にもアピールできるのではないでしょうか。
現在はWiiやニンテンドーDSという広い畑に種がまかれたばかりの段階。
特に『Grand Theft Auto: Chinatown Wars』はCowan and Company自身が「業界が期待しすぎたのではないか」と指摘しています。
ゲームの質に問題がないどころか、Metacriticにおいて『Grand Theft Auto: Chinatown Wars』は94点、『MADWORLD』は82点、『House of the Dead: OVERKILL』は79点を獲得しています。
結果づけることで分かった気分になってしまうのが我々人間ですが、スタートしたばかりの高レーティングゲーム、「結果」を求めるのはもう少し先でもいいのではないでしょうか。
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