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【VIDFEST】「ロングテール」のクリス・アンダーソンが語る「無料」経済の将来像

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【VIDFEST】「ロングテール」のクリス・アンダーソンが語る「無料」経済の将来像
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バンクーバーで開催されたデジタルコンテンツの総合イベントVancouver International Digital Festivalで、Wired Magazineの編集長のクリス・アンダーソン氏がFree Economy(無料経済)をテーマとする基調講演をおこないました。アンダーソン氏は“ロングテール”を提唱したことで知られており、ウェブ全体の無料の流れをベースに、ゲームの無料モデルを扱っており、非常に注目すべき内容となっていました。

まず、従来からある「無料」経済の例として「ジレットの安全カミソリのデビュー」と「ウェブや放送など広告による媒体」をあげて、「無料」が目新しいものではないことを強調。ケン・ジレットは安全カミソリを開発したときに、まったく新しい製品だったため、従来のカミソリユーザーに売り込むのは難しいと判断、普及させるために一式を大量に無料配布したといいます。一度使い始めればずっと使われるはずの製品であり、最初にばらまくコストはその後の替え刃の売り上げで回収できるわけです。

■「無料」はお金の流れをちょっとだけ変えること

さらに、最近見られるようになった新しい「無料」経済の流れとして、アンダーソン氏は
 1:Freemium
 2:Labor Exchange
 3:Gift Economy
の3つをあげます。

1の「Freemium」は、Free+Premiumの造語で、無料配布するもの(Free)と有料サービス(Premium)をミックスすること。以前は1%の無料+99%の有料というスタイルだったものが、99%の無料+1%の有料というふうに割合が変わってきたと指摘。比率はそこまで極端ではありませんが、無料オンラインゲームの課金ユーザーや、ニコニコ動画のプレミアム会員比率などをみるとうなずけるところです。

2の「Labor Exchange」は、無料の商品やサービスの対価として、消費者が何かを作り出すこと。

3の「Gift Economy」は、オープンソースソフトウェア(※)やWikipediaなどに見られる無償の活動の集積です。

アンダーソン氏は、こうしたさまざまな「無料」の流れがゲームの分野におきていることを指摘します。

■「世界一人気のある無料ゲームは? ソリティア!」

ゲームの分野におけるさまざまな無料モデルとして、アンダーソン氏があげたのは以下のようなものがあります。日本でもなじみのあるものから、日本ではぴんと来ないものまでさまざまです。

Freemium:
・デモ版の配布(例:Xbox Live)
・無料・有料で差別化されたアクセス(例:米Club Penguin)
・デジタル資産(例:アバターアイテム、FIFA Soccerのユニフォーム)
・ダウンロードデータ(例:レコード店としての「RockBand」)

関連分野での販売:
・マーチャンダイズ(商品展開)
・TCGのカード販売
・ゲーム大会トーナメント参加費
・デジタル資産のオークション(RMT)

誰か別の人が払う(Thirdparty pays):
・広告としてのゲーム
・ポータルサイトなどでのカジュアルゲーム
・ゲーム内広告
・ARG(オーギュメンテッドリアリティゲーム ※2 不明)
・バンドルされたゲーム(Windowsにおけるソリティア)
・トライアルペイ (何かを試したら遊べる、というもの)

Gift Economy:
・MODなどUGC
・フリーウェア
・フラッシュゲーム
・ゲーム攻略サイトなどのコミュニティ活動
・寄付

Labor Exchange:
・Verbosityなど問題をユーザーに作らせるクイズゲームサイト

アンダーソン氏は、講演の最後に「どんなものであれ、遅かれ早かれ、あなたのビジネスは『無料』と戦うことになる! あなたのプランは?」と来場者に呼びかけました。北米ゲームマーケットはこれまで、ネクソンが持ち込んだ「基本無料・アイテム課金」のゲームビジネスモデルにとまどっているとも言われていますが、適応するのも早そうです。

(※:オープンソースソフトウェアへの参加は無償の活動ですが、いわゆるボランティアと異なり、意識的にせよ無意識にせよ参加者が「ソースコードを公開する(あるいは公開で機能強化やバグ修正に協力する)方が、成果を自分だけの秘密にしておくよりも、得られる効用が大きい」と判断しているとの研究もあります - 参考文献「民主化するイノベーションの時代」)
《伊藤雅俊》

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