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今どきゲーム事情■中村彰憲:洋ゲー最前線:“天才の時代”復活?!デュラン・フィトラーの『Audiosurf』

以前よりフィーチャーしつづけているValveのコンテンツ配信システム「Steam」ですが、その中で昨今、特に人気を博しているのが『Audiosurf』というゲームです。

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中村:「音楽でサーフィン」というコンセプトは斬新ですよね。

デュラン:当初『Tune Racer』の開発を進めていたときは、カーブや丘などが存在しないトンネルを、車でレースするという内容だったんだ。音楽がより激しく奏でられるごとに、プレイヤー自身も速く進むようデザインしたんだけど、これがすごく効果的だったんだよね。そこで“下り坂”を加えることで、この加速状態に説得力をもたせた。このデザイン概念が、『Audiosurf』体験の核心のようなものになっていったんだ。ただ、こんな考え方は、レーシングゲームで相手と競争するうえでは、まったく合理的じゃない。だけど、そこが7-DayGamesのいいところさ。「とりあえず試してみる」っていうことだよね。

『Audiosurf』はとにかく、「自分自身が持っている音楽を体感する」ということが基板になっていて、そこが、他の音楽ゲームと大きく違っているところなんだ。たとえば、音楽を最後まで終わらせないで全部演奏させることなんかが、すごく重要なんだ。たとえプレイヤーがうまくプレイできなかったとしてもね。彼らは自分の聞きたい曲を選んでプレイしているわけだから、僕はそれを途中で無理矢理止めてしまうのは良くないと思ったんだ。
トラック上にある同色のブロックをひとまとまりにすることで、得点を得る
※クリックで拡大画面を表示


中村:ゲームの冒頭で示されるレーストラックもCoolですよね。

デュラン:これはもともと音楽分析アルゴリズムのデバックツールとして開発されたものなんだ。プレイ中それを確認することができなかったから、ミニマップとして画面の左上に表示していたんだ。そしたら僕の兄のエリックが、「ゲームの最初のほうでもトラック全体を遠距離撮影のようにして見せたほうがいい」って提案してくれたんだ。丘の上からトラック全体を見渡せるのを相当気に入っていたんだよ。

中村:
このゲームでは、Youtubeなどでゲームプレイを自慢することが非常に重要になっていますよね。このような使い方をプレイヤーがすることは、当初から予定していたことですか? このようなプレイヤー同士のコミュニケーションというのは『Audiosurf』にとってどの程度重要でしょうか?

デュラン:コミュニティ関係のデザインは、テスティングを進めた初期段階で生まれてきたんだ。エリックと僕自身、自分たちが出したハイスコアをメールで交換していたんだ。それぞれの曲でどっちがチャンピオンかって競い合う中でね。これがスコアボードを開発するきっかけになっているよ。ただスコアボードは、メールでの重要な性質である「人をちょっとバカにする」的な機能がそっくり奪われてしまった。そこで、Dethronedシステムを導入することにしたんだ。これは、だれかが自分のハイスコアを更新してしまったときにメールで通知するっていうシステムなんだ。

 ただ、Youtubeについては本当に驚いたね。「僕たちもそろそろプロモ映像を作ろうか」と考えていたんだけど、気がついたら、ウェブが『Audiosurf』のプロモ映像でいっぱいになっていたんだ。

中村:開発するうえでのチャンレンジについて教えてください。

デュラン:まず、楽しかった経験からだけど、いろんなキャラクターを作れたというのは楽しかったね。だいたい30ぐらいのキャラを作ったうえで、もっともよかったものだけを残したんだ。開発するうえで最悪だったのはインターフェイスかな。すべてのフィーチャーを追加していくのはすごい楽しいことさ。でもそのためのインターフェイスも一緒に考えなくちゃいけないから、そこが、面倒だったね。

■デュラン氏のゲームライフ

《中村彰憲》
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