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【CEDEC 2014】毎年3000万円を稼ぐサイバーコネクトツーの広報宣伝部、ファンを増やす好循環の作り方

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【CEDEC 2014】毎年3000万円を稼ぐサイバーコネクトツーの広報宣伝部、ファンを増やす好循環の作り方
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サイバーコネクトツーは主に受託開発を行うデベロッパーでありながら、独自のグッズ展開を行うなど、自社ファンの開拓に積極的に取り組んでいます。そんな同社の取り組みについて、業務部 戦略企画課 宣伝広報室 チーフの山之内幸二氏が「ファンも会社も大喜び! ゲーム開発の副産物で年間3000万円稼ぐ宣伝広報室のヒミツ」と題した講演で明らかにしました。"稼ぐ宣伝広報室"という衝撃的な響きか、同社ファンの多さか、会場は立ち見も出る盛況でした。

山之内氏はサイバーコネクトツーの宣伝広報担当として、自社開発タイトルのPR活動に奔走しながら、2008年4月から自社オリジナルグッズを販売する通販事業を立ち上げ、現在までに150点を超える商品を展開しています。この規模を自社で、しかもデベロッパーが展開しているというのは世界的に見ても例がないと思われます。

既に150以上のグッズを展開している


「どうしてグッズ展開をするのか?」という問いに山之内氏は「だれもグッズ化してくれないから!!」と力強く回答。そもそもは、誰も作らないなら自社で作るか、という松山洋社長の鶴の一声で始まったそうです。デベロッパーが作るグッズは、実際に作品に最も近い距離で制作ができ、そうした商品にはファンからの強いニーズがあると山之内氏は言います。

サイバーコネクトツーのやり方は、社内にある開発の副産物を利用するというもの。ゲーム開発の過程では世界観設定資料、アフレコ台本、キャラクター設定、デザインラフ、絵コンテ、コンセプトアート、落書き、ボツ案など多彩な資料が生み出されます。「社内にこういうものがあれば、今すぐ冊子にして販売しましょう」と山之内氏は話します。こうした資料はファンにとって、最も見たいアイテムなわけです。「うっかりシュレッダーにかけられてしまったりもするので、開発中から意識してもらったほうがいいですね」とのアドバイスも。

社内にこんなものがあったら出版しよう!


講演では赤裸々に過去3年間の売上についても紹介。2011年から3年連続で3000万円以上、3年半で実に1億2700万円もの売上を立てることができたそうです。しかも、利益率も変動がありますが45~63%と非常に高い水準にあります。

過去3年間の売上


山之内氏は更に詳しく個別の商品を例に収支を説明。ケモナーをターゲットにした書籍「THE KEMONO BOOK」では2200冊を生産し、制作費や印刷費は130万円程度。販売価格2000円に対して1冊当たりの原価は402円で、443冊を販売すれば損益分岐点に達する計算です。また、映画をテーマにした「ドットハック セカイの向こうに+Versus 完全設定資料集」は1050冊の生産で制作費や印刷費が170万円程度。販売価格3600円に対して原価は1754円で、損益分岐は526冊です。こちらは版元に対するロイヤリティが数%必要になります。



山之内氏によればいずれの書籍も順調に販売が進み、回収が出来ているそうです。同社ではぬいぐるみなど書籍以外にも様々なグッズを展開していますが、最も利益率が高いのは書籍だそうです。

ただし、サイバーコネクトツーのグッズ展開は、出版社や権利元などの商売を邪魔しないのが大原則。版元によるグッズ展開が終わるまで基本的に行わず、多くの場合、ゲームの発売から1年以上が経過した後に、まだ付いてきてくれるような濃いファンに向けて展開していくそうです。このやり方は販売数が見込みやすいという利点もあるとのこと。

毎年数十のアイテムを展開するために、社内にDTP経験者が3名在籍するデザイン室を設けて、社内で企画・デザイン・校正・販売まで完結する体制が整えられています。ただ、フルタイムでグッズ制作に携わるというよりは、ゲーム開発のロゴやアイコン制作などにも関わり、固定費の負担を軽減しているそうです。

販売については当初は独自のECショップを運営していたものの、発送業務が負担になることから、現在はアマゾンのフルフィルメントサービスを利用しているとのこと。売上の大半はアマゾンだそうです。

■グッズとイベントが生み出すファン増加サイクル

宣伝広報部という、コスト部門と見られがちな部門が売上を立てていくというユニークなスタイルを取るサイバーコネクトツー。しかしその最終的な目的は売上を稼ぐことではないと山之内氏は説明します。

「THE KEMONO BOOK」の例
好循環のサイクルを作れている


グッズがあれば物販で収益を上げることができます。様々なイベントに出展したり、イベントを開催する際は、とにかくグッズを並べて販売します。イベントに多少費用がかかっても、グッズで回収できるなら許容できるレベルに収まっていきます。イベントに出ればファンや潜在的な顧客とのタッチポイントを増やせます。こういう好循環を生む事が出来ると言います。もちろんファンが増えれば、最終的にはつくったゲームが売れる事に繋がります。

「すべてはファンを増やすため」と山之内氏は言います。ファンは情報に飢えています。小さくても展開を続けることで退屈させず、作品にコミットする姿を見せることができます。売上を稼ぎながら、ファンの拡大への良いサイクルを生み出していく。松山洋社長のトーク力だけでない、サイバーコネクトツーの考え抜かれた強さを感じたセッションでした。
《土本学》

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