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【P.D.M タケヤリマン編】第2回 ポイソフトのデザイナー北郷「べ、ベルトコンベアーが……」

どうも、ポイソフトの中川(晃)です。

ゲームビジネス 開発
どうも、ポイソフトの中川(晃)です。

なにやらまた営業がなにか企んでるらしいです。
その企みの名は、ポイソフトチャンネル。

Youtubeにポイソフトチャンネルを作ってそこにこれまで弊社が作った動画などをアップして、たくさんの方に見てもらおうじゃないか、ということみたい。

今のところ特にやることが決まっているわけではないですが、また私と社長のグダグダ実況動画なんかもアップされたりするかも?どんな展開があるかは今後のお楽しみということで。

詳細の発表はポイブログ(http://poi-blog.at.webry.info/)で営業から行われます。要チェックやで!

とまあ、インサイドさんの枠を使って宣伝するのはこれくらいにして。
『タケヤリマン』の開発秘話の続きをお話ししましょう。

ミーティング後のディナータイム中に彗星のように現れた、『イクサイク』という名の「農民が竹ヤリを手に戦争に行くゲーム」。この大雑把なゲームがタケヤリマンに形を変えていくさまをご堪能くださいませ。

では、P.D.M.タケヤリマン編 第二話、どうぞ!


■デザイナー北郷「べ、ベルトコンベアーが……」

社長「かっかっか!よし、これつくろう!イクサイク!」

社長のこの一言で、『イクサイク』こと『タケヤリマン』の第一歩が踏み出されました。そしてこのあと、まさかの立て続けにゲーム内容が決まっていくのです。


私「問題はどんなゲームにするか、だけど」

社長「うん」

私「じゃあ、デザイナー北郷に決めてもらおう。とりあえず全部。」

北郷「は!?」


ご覧のとおり、見事なムチャ振りです。往生際悪くデザイナー北郷が「なにを言っているか分からない」とか言っているのを、とにかく思いついたことを何でもいいから言え、という社長命令で粉砕。

3分ほどデザイナー北郷の発言を、目をキラキラさせつつ待ち続けるオール社員ズ。その視線を受けつつ、苦虫を噛み潰したような顔でうんうん唸るデザイナー北郷。


北郷「ベ、ベルトコンベアーが……」

私「!(キュピーン)」

北郷「あ、いや、今のはなかったことに……」

私「はい、来ました!ベルトコンベアー!!次回作はベルトコンベアーで運ばれてくる敵を、主人公が竹ヤリで突きまくるゲームに決定しました!」

社長「よっしゃ!それやで!かっかっか!」

営業「やんややんや!」

北郷「……(エー)」


その後、コンベアで運ばれてくるからには、ハリボテがバタンバタンって立ち上がったり倒れたりするとオモロイよな!
そうなるとやっぱ、ゲーセンの体感アトラクションだよな!
と、流れるように企画が決まっていきます。

実はこのように、デザイナー北郷の迂闊な発言により、『タケヤリマン』の雛形が産声を上げることになったのでした。


■そしてコンベアーは消えた

ディナーミーティングの内容をまとめた結果、『イクサイク』(タケヤリマン)は、複数レーンのベルトコンベアーで運ばれてくるハリボテを、竹ヤリで突きまくる体感アトラクションゲーム、というゲームデザインに決まりました。


(QRコードをニンテンドー3DSのカメラで読み取ると、写真を3Dで見られます)

ベルトコンベア画像1ベルトコンベア画像2ベルトコンベア画像3


しかしながら、仕様を詰めていくに従って、このコンベアが問題になったのです。というのも、コンベアにそって動くハリボテの動きはどうしても直線的になってしまいます。完全にレーンごとのタイミングゲーム、いわゆる音ゲーの感覚に近くなります。

この次に行われたミーティングでは、そのことについて話し合われました。


私「かくかくしかじかで、音ゲーっぽくなる気がするんですわ。」

社長「せっかくならアクションゲーにしたい!音ゲーはそれはそれで面白いんだけど、『イクサイク』とは違う気がする」

私「うーん……、じゃあこれはある意味重大な決断かもしれないけど……。ベルトコンベアーをなくすか!」


ゲームセンターのにあるエアホッケーの要領で浮いた敵ハリボテが、盤面上を縦横無尽に動き回って、それを竹ヤリで突いて遊ぶ、というのはどうでしょう?というのが私の提案でした。


社長「うん、それはそれでいいと思う、んだけど(チラッ)」

北郷「ん?」

社長「いや、ベルトコンベアーなくしていいのかな?って」

北郷「オレが今までベルトコンベアーにそんなに前向きだったように見える?」

私「一応ほら、発案者だし……、思い入れとか……」

北郷「ない」

社長「じゃ、じゃあ、ベルトコンベアーをなくすということで!」


かくしてデザイナー北郷がひねり出した「ベルトコンベアー」は、『タケヤリマン』誕生のキッカケでありながらも、ゲーム内にその痕跡をまったく残さないという、数奇な運命を辿ることになったのでした。


それでは次の週から、『イクサイク』から『タケヤリマン』へ。そして『タケヤリマン』を構成する要素についてお話させていただこうと思います。

それではまた来週!

【続く】


【著者プロフィール】
中川晃宏(なかがわあきひろ)株式会社ポイソフト/プログラマー
「社長が訊くひゅ~ストン編」で恥ずかしい顔を晒しているので気になる方は見てみてください。
最近忙しいという名目のもと自堕落な生活をしてしまっていたせいで少し肥え気味。
ダイエットしないといけないと思いつつも今日もかぼちゃコロッケを食べる。
《中川晃宏》
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