韓国HanbitSoftは、オンラインゲーム『ヘルゲイト:ロンドン』 (Hellgate:London)韓国版において、低年齢向けのティーンバージョンを導入すると発表しました。ティーンバージョンでは流血や身体欠損といった残虐表現と乱暴なメッセージがマイルド化され15禁となります。『ヘルゲイト:ロンドン』は名作『Diablo』シリーズを手がけたスタッフによるアクションRPGで、『Diablo』同様に悪魔をフィーチャーしたダークな世界観が特徴。現行バージョンは18禁なので対象年齢が3歳下がることとなります。
韓国ネクソンは、オンラインゲーム『メイプルストーリー』において、プレイヤーに奨学金100万ウォン(約10万円)を贈るキャンペーンを開催します。希望者は「自分の夢」を公式サイトに投稿すればOK。10名が選ばれ、奨学金100万ウォンが贈られます。『メイプルストーリー』はローティーン層をターゲットとしたアクションRPG。日本のオンラインゲームからすると年齢層を絞り込んだキャンペーンは珍しく、日韓オンラインゲーム界の違いが見てとれます。
韓国ネクソンは、ソウルの小学校6年生100人を対象に、ゲームやネットとの関わり方をレクチャーするキャンペーンをスタート。「元気なゲーム生活」をキャッチフレーズに、ゲームと生活の両立、個人情報保護などをテーマに据えての授業を行い、ディスカッションで個人個人のインターネット生活の問題点を洗い出すという試みを行います。『メイプルストーリー』『クレイジーアーケードBnB』などローティーン層をターゲットとしたゲームが多いネクソンだけに、重要なアプローチといえるでしょう。
ローティーンへのオンラインゲームの浸透度が高いのが韓国の特徴。今回紹介したようなローティーン層をターゲットとしたキャンペーンやイベントに加えてアイテムもローティーン層向けのものが存在。『メイプルストーリー』ではゲームキャラクターが登場する算数の参考書が販売されています。
日本のオンラインゲームでは特定の年代層をターゲットとしたキャンペーンやイベントはあまり行われない傾向にあります。韓国版『RF online』では「族長」に月額38万円の給料が支払われる、社会人の年代をターゲットとした制度がスタートしましたが、日本版でこれが導入されるというアナウンスはありません。キャンペーンやイベントは全年齢向けであり、「社会人向けの深夜キャンペーン」「ローティーン向けに学用品をプレゼント」といったアプローチはまだまだ珍しいものとなっています。
韓国のオンラインゲームが年代というものを明確にする背景には、同国のレーティングシステムが存在します。オンラインゲームをプレイするには住民登録番号が必要で、18歳以下が18禁ゲームをプレイしたりするのは基本的に不可能となっています。これを窮屈と見るか、ターゲット年代を絞り込むチャンスと見るかは大きな違い。『ヘルゲイト:ロンドン』式は前者、『メイプルストーリー』『RF online』式は後者といえるでしょう。ターゲットを絞り込むマーケティングは成功のためには不可欠。与えられた状況をプラスとできるかどうかは取り組みが重要というわけで、オンラインゲームを活かすも殺すも人次第なのです。
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