■「英梨紗」が注目を集め、最終的には“箱推し”へと至る

──これから遊ぶユーザーに向けて、『バニガ2』で、特に注目してほしい部分はどこですか?
臼田氏:今回、特に力を入れた部分は……全部なんですけど(笑)、まずは先ほどお話ししたシナリオですね。引き続き登場した3人に、新キャラ3人、みんな力を入れてますので、堪能してほしいですね。
あとは……前作の時点で「こういうのを作ろう」「ああいうのを入れよう」と、かなり盛りだくさんに考えていたんです。ただ、開発工数との兼ね合いもあって、かなり削った部分がありました。
例えばカラオケは、前作でも入れたかったんですが、工数的な問題で実装できなかったんです。今回はそこを頑張って入れたので、ぜひご堪能ください。

──新キャラ3人を含めた6人の中で、特に反響が大きいと感じるキャラクターはいますか?
臼田氏:やっぱり英梨紗ですね。英梨紗は、前作のアップデートで後ろ姿だけ登場させたんですよ。当時から『バニガ2』を制作していて、「もう作ってるし、ちょっと見せちゃおうか」くらいのノリでアップデートに入れました。そうしたら、後ろ姿だけなのにXでトレンド入りしてしまって。
また、スピンオフ作品の『へべれけ ばにーがーでん』のエンディングにも出したりして、英梨紗をずっと“チラ見せ”していたんです。そういう寸止め状態だったので、「まだか、まだか」とユーザーさんの期待値が高まり、『バニガ2』発売当初は英梨紗が一番反響ありました。
でも、それから黒音や瑠那のインパクトも広がっていき、結果的にどのキャラクターもユーザーさんの印象に残ってくれたのかなと思います。
──Xなどを見ていると、「最初に英梨紗を攻略した」とか、「この子かわいい!」ってスクショを上げている人が多い印象でしたね。
臼田氏:他のキャラを優遇しちゃうみたいでアレなんですけど(笑)、残りの2人もプレイすると、かなり好きになる要素があると思います。
英梨紗は、ツインテールでツンデレっぽいという、すごく入りやすいキャラクターなんですよね。でも、残りの2人もプレイしていくと、どんどんキャラクター性が見えてくるので。

──確かに英梨紗は、作品のとっかかりとして入りやすい魅力がありますよね。他の2人は少しクセがありますが、しかしクセを知れば知るほど、もっと味わいたくなるといいますか。
臼田氏:アイドルグループで例えると、英梨紗は“神7”みたいな存在で、まずユーザーさんを引き込んでくれる。でもそこから、「最初は前田敦子や大島優子が好きだったのに、別メンバーも好きになった」みたいな感じで、他の子にもハマってくれるんですよね。
──わかります。そして最終的には“箱推し”になるんでしょうね。6人全員好き、みたいな。
臼田氏:そうですそうです。『バニーガーデン』は、結構“箱推し”が多いんじゃないかなと思っています。「全員攻略した」っていう声も結構ありますし。
こういうギャルゲーは、「人気が伸びないキャラ」が出てきやすいのですが、『バニガ』は、今のところそういうキャラがいませんね。
──確かに、そういうイメージはほとんどないですね。『バニガ』は、どのキャラも愛されている印象を受けます。
臼田氏:生み出した側としては、本当にありがたいですね。
──そうしたバランス感を出すために、意識したことなどはありますか?

臼田氏:ぶっちゃけると、「このキャラいたら面白そうだな」で選んでる部分が大きいですね(笑)。もちろんバランスは見てますけど、例えば瑠那とかは、「こういうキャラをひとり入れたいな」っていうのが最初にありました。
ちょっとネタバレですが、最初はサキュバスにしようかとも思ったんです。でも、ちょっと過激すぎるし、黒音とセクシーさが被るかなとか。だったら吸血鬼っぽくして、ロリババア系にしてみようとか。だから、狙い撃ちというよりは、「このキャラいたら面白いよね」という発想なんです。
うちはユーザー分析というより、“ネタになる面白いものをどんどん入れていく”タイプなので、話題性を狙ったキャラ作りになっていますね。
──キャラクターの方向性を決める時は、主要スタッフで話し合って決めますか? それとも最初に案を出して、そこから固めていく形ですか?
臼田氏:まず僕が「こういうキャラにしよう」みたいな案を出します。それをイラストレーターさんに伝えて描いてもらい、そのイラストからどんどん設定を広げていく感じですね。その後はライターさんとも話しながら、どんどんキャラ設定を膨らませていきます。
──最初に“核”があって、そこから形を整えていく感じなんですね。
臼田氏:そうですね。僕が「これ面白いかな?」という案を出して、そこからみんなで肉付けしていく形です。
■PCゲームに付きものの「Mod」、臼田氏の見解は

──『バニガ2』はPC(Steam)版も出ましたが、PCゲームに付きまとう話題として「Mod」があります。プレイ環境の改善や解像度向上など、Modと一口に言っても様々ですし、実際に『バニガ2』では解像度の改善などのModがリリースされました。これらの「Mod」についてどうお考えでしょうか。
臼田氏:今までは、会社としても個人としても、Modに対してそこまで強く意識していたわけではなかったんです。ただ、『バニーガーデン』は多くのユーザーさんに触れていただいていますし、3Dゲームということもあって、Mod文化とも結構関わる作品になっています。
僕個人としては、ユーザーさん同士で楽しむ分には、別にいいんじゃないかなと思っています。もちろん、Modを入れて何か問題が起きても、うちは保証できませんが。
一言でまとめると、「ユーザー間で楽しむ分にはOK」という感じです。データを吸い出して悪用するとか、権利を侵害するような行為は当然ダメで。
配信文化もそうなんですけど、多少グレーな部分ってあるじゃないですか。うちのゲームを楽しんでくれている人たちなら、その範囲内であればいいかなと思っています。

──同人誌に近い対応ですね。もちろん、企業によって同人誌も扱いは変わりますが、平均的なラインという意味で。
臼田氏:そうですね。悪く言えば、“見て見ぬふり”です(笑)。会社に直接「これ大丈夫ですか?」って聞かれたら、「ダメですよ」とは言いますけど、そこも同人誌と似ていますよね。個人としては、そこまで嫌悪感はありません。
もちろん、商売にすると話は別ですが、個人やファン同士で楽しむ範囲ならいいんじゃないかな、というスタンスです。
あと、全裸Modみたいなのは一旦置いておいて、「こういう機能あったら良かったな」みたいなものを見かけると、参考になることもあります。
「これ入れた方が良かったか」と一考したり、アップデートや次回作で取り入れようかなと思ったりもしますね。
──誰も傷つけず、権利侵害もしないなら、みんなで楽しもう、と。
臼田氏:それがひとつの理想ですよね。ウチもいろんなネタを扱ったりしていますから、あんまり偉そうなことも言えないですし(笑)。
■「全力でバカをやる」がモットー

──ゲーム本編以外の部分では、借金関連の展開に驚かされました。あの要素について、お話を伺えますか?
臼田氏:はい、大丈夫です。前作で取り入れた「借金したら漁船に乗せられる」という展開が結構話題になって、ユーザーさんも面白がってくれたんです。だったら、そこをもっと膨らませようかな、と。
これもネタバレになりますけど、鉄骨渡りっぽいことをやらせてみたり、落ちたら見覚えのある病室にいたり、地下施設っぽい場所に行ったりとか(笑)。
──てんこ盛りでしたね(笑)。
臼田氏:本当は、もっとやりたかったネタもあったんですけどね。それは次回作があったらやろうかなと。
──まだあるんですか!? 気になりますねぇ……! 今回の借金関連は本当にネタだらけで、突き抜けていて驚きました。
臼田氏:もう、尖りに尖りましたね(笑)。いろいろアイデアを出し合った時に、「どこかで見たことあるやつ」の方が面白いんじゃないかとなり、かなりインスパイアさせてもらいました。
──こういう遊び心は、セクシーな美少女ゲーム部分とは全然違う方向性ですが、qureateさんらしさを感じます。
臼田氏:そこは、開発スタッフ全員で意識してます。「全力でバカをやる」がモットーですね。ユーザーさんを笑わせたい、クスッとさせたい、という気持ちで全力でやってます。
──qureate作品の『ファンタジスタ明日翔』でも、「バイブスが足りない」というフレーズを見るたびに、頭の中に“何か”が過ぎってしまいます(笑)。

臼田氏:誰かの頭の中でチラつかせたいんです(笑)。僕、そういうの好きなんですよね。どうしても入れたくなっちゃう。だから今後も、そういうネタは出てくるかもしれません。いつか怒られるかもしれないですけど(笑)。
──怒られないかビクビクしながら、ギリギリを攻めていくと。
臼田氏:はい(笑)。「銀魂」みたいなものだと思っていただけると。
──なるほど、わかりやすいですね。「僕とロボコ」的な。
臼田氏:そうですそうです。でも、愛を持ってインスパイアしてるんです。決してバカにしてるわけじゃない。本当に好きだからこそ、ちょっとネタとして入れさせてもらってる感じですね。
──qureateさんに一番期待するのは、やはり美少女やコミュニケーションの部分になりますが、そういう遊び心も今後続けてほしいばかりです。
臼田氏:怒られるまでは続けようかなと思っています(笑)。













