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「お絵かきチャットでアイデアを出し合った」構想に15年、開発9年の手作りADV『RPGタイム~ライトの伝説~』インタビュー【TGS2021】

『RPGタイム!~ライトの伝説~』を開発するデスクワークスの藤井トム氏と南場ナム氏にインタビュー。

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メディア・インフルエンサー向けの会場展示と、オンラインイベントの2段構えで行われる「東京ゲームショウ2021 オンライン」にて、アニプレックスが販売する『RPGタイム!~ライトの伝説~』を開発するデスクワークスの藤井トム氏と南場ナム氏にインタビュー。インサイドでは本作のプレイレポも掲載しています。併せてご覧ください。


――本日はよろしくお願いいたします。構想15年、開発9年という大作ですが、開発の出発点をお聞かせください。

藤井トム氏:最初は学生の卒業制作として2人で作っていました。開発期間を改めて聞くと長すぎて嘘みたいな話ですね。ステージは今の冒頭とほとんど同じで、大体15分ほどで楽しめるRPGでした。「いつかプロになって2人で再び集まり、完成させたいよね」と話していました。

――そこから6年間が空き、9年前から再び開発がスタート、という感じでしょうか?

藤井トム氏:はい。それぞれ別のゲーム会社に就職し、プランナーとして働いていました。その間もそれぞれ会社に本作の企画案を出すなど挑戦していたのですが、手が届きませんでした。最終的に考えた結果、自分たちで作ってしまおう!ということで本作の本格的な開発がスタートした形です。

――会社で働きつつ、構想を練っていたと。

藤井トム氏:そうですね。当時は今のようにリモート会議もなかったのですが、「お絵かきチャット」で描きながらアイデアを出し合っていました。これを土曜の夜11時くらいから朝の6時くらいまで毎週やっており、1年間続きました。ただ、やはり働きながらだと時間が取れないので、独立して作ろうという事に。

――確かに、言われてみると「お絵描きチャット」的というか、皆で机を囲んで絵を描いている楽しい雰囲気を感じます。

南場ナム氏:本当にその通りで、「お前ちょっと大きく描きすぎだよ」とか、「そこ予約していたのに」みたいな。小学校で、皆で集まって絵を描いていたようなワクワク感が出せたかなと思います。

――そうした雰囲気を出しつつ、綺麗な絵になっているのに驚かされました。

南場ナム氏:基本的に2Dデザインは私が担当しておりまして、UIや3Dに関しては藤井の方が担当しています。

――制作が進行していくうえで、アニプレックスさんと出会ったのはいつごろになるのでしょうか。

藤井トム氏:本当に最近です。というのも、当初は私たちデスクワークスだけでパブリッシングしようと考えており、展示会などで様々なパブリッシャーの方にお声がけ頂いても断っていました。ただ、パブリッシングの作業は非常に大変で、開発の方だけで精一杯の状況でした。

そんな時にアニプレックスさんからタイミングよくお声がけ頂き、条件も良かったのでまさに渡りに船ということでお願いしました。あの時にお願いしていなかったらまだ完成していないと思います。

――プレイしてみて素晴らしい出来に驚いたのですが、対応しているハードがXbox/PCのみと、とてもコアな印象です。

南場ナム氏:この辺りは色々なご縁がありまして、マイクロソフトさんにE3でトレイラーを流していただき、北米などで様々な支援を頂きました。XboxとPCのみに対応した場合、日本でこのような反応を頂くのは分かっていたのですが、まずは作りやすいXboxとPCに向けて集中するということになりました。

――もともとはどこのハードに向けて作っていたのでしょうか。

藤井トム氏:モバイルに向けての開発でした。当時はインディーゲーム黎明期ということもあり、コンシューマーに出せるとは夢にも思っていませんでした。開発をコンシューマーに切り替えたことで、実際にボタンを押すという楽しさが本作にマッチしたと思います。

――現在はXboxとPCに対応しているとのことですが、今後プラットフォームを広げるといったことはお考えでしょうか。

藤井トム氏:現在は開発チームが小さいため、一つのプラットフォームに集中しています。ですので、プラットフォームを広げるかについてはリリースしてから考えていきたいと思います。

――「遊んで欲しい層」はありますか?

藤井トム氏:ビジュアル的に子供向けのゲームかと思われてしまうという心配があるのですが、幅広い年齢に楽しんでいただけると思います。本作を作った、という設定のケンタ君もクリアして欲しいという気持ちが強いと思うので、何度も失敗すると「代わりにやろうか?」と申し出てくれます。難易度は抑えているので、どのような方でもしっかりとクリアまで楽しむことができると思います。

――実際にプレイするとゲームのギミックが凄く楽しかったです。ほかにも、是非お二人が「推したいポイント」をお聞かせください。

藤井トム氏:冒頭だけ特別に色々なギミックを仕込んでいるという訳ではなく、最初から最後までアイデアを詰め込んでいます。そのため、各ステージ、各ページごとに面白い場所があるのが「推しポイント」です。

南場ナム氏:最近3Dの技術が上がっているので、紙から飛び出て遊ぶ、という試みもしています。3Dと2Dの融合はぜひ注目してほしい要素です。

冒頭のプレイ画像。漫画から飛び出る演出が楽しい。

――ありがとうございました。


以上、インタビューをお伝えしました。筆者は実際にプレイしたのですが、ゲームをプレイして5分で「これは凄い」と衝撃を受けること間違いなしです。今冬に発売予定とのことなので、発売の際には是非ケンタ君(デスクワークス)が送る、ギミック満載の冒険で遊ぶことをオススメします。

『RPGタイム~ライトの伝説~』は、Windows PC/Xbox Series X|S/Xbox One向けに2021年冬の発売予定です。

《大塩》
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