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スマホで「ガンプラ」をキレイに撮るコツとは?すぐ実践できる“5つのテクニック”を伝授【プロカメラマン】

ガンプラ好きなプロカメラマンが、今すぐ実践できる“ガンプラ撮影術”を伝授します。

その他 フィギュア
プロカメラマン・小原聡太によるガンプラ撮影術
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[文=小原聡太(フォトグラファー)]

三度目の緊急事態宣言が出され、なかなか苦しい状況が続きますね。そんななか、家でできる「ガンプラ」という趣味が再注目されつつあります。読者の皆さんの中にもお好きの方はいるのではないでしょうか。

そして、うまく組み立てられたら「誰かに見てもらいたい!」という思いから、写真を撮ってSNSにアップしている人も多いかもしれません。

しかし、撮った時こんな写真になっていませんか?


・引きで撮ってしまったことで何が伝えたいかわからない写真(無駄な情報が多い写真)
・被写体をとりあえず真ん中に置いてしまう
・自分の影やスマホの影が映り込む



・ガンダムの白が明る過ぎて飛んでしまっている写真
・意図せずブレてしまっている写真
・意図せずピントが合っていない写真

それが5つのポイントを意識するだけで、スマホ撮影でもこんな写真に変わります。


今回、アニメ!アニメ!など多くのウェブメディアで撮影をしているガンプラ好きなプロカメラマン・小原聡太が、今すぐ実践できるガンプラ撮影術5ポイントを伝授させていただきます。

お伝えする5ポイントはガンプラ撮影だけでなくフィギュア、人物、料理といった様々な撮影にも応用できるものです。ぜひお伝えすることを意識して撮影し、推しを素敵に撮ってSNS等でぜひ共有してみてください!

アナタの写真がイケていない理由は?


なんとなく「写真、イケてないなぁ」と思いがちな方は、以下のポイントに当てはまっていないでしょうか?

・何を伝えたいかはっきりしていない状態で撮影をしている。
・被写体をフレームのどこに配置するかをなんとなくやっている。
・とりあえず立たせただけで撮っている。
・太陽や照明といった光の事を考えていない。
・どこから撮ってもさほど変わらないと思っている。

どうですか?ドキッとしたポイントはないですか?

これから5つのポイントを解説していきますが、大前提として「写真は楽しむのが一番」です。

写真を撮りたいと思った時、あなたの心がなにかしらに反応しているはず。難しいことを考えてシャッターチャンスを逃してしまってはもったいない。心が動いたらシャッターを押しましょう。

これから説明する5つのポイントは、意識するだけで上達に繋がります。何事も継続が大事、繰り返し行えば撮影時には自然とできるようになるはずです。まずは一度でいいのでやってみてください。

1.伝えたいことを写真に込めよう!


あなたが写真を撮りたいと思ったとき、なにかしらに心が動いているはずです。「その心を動かしたものはなんなのか?」「伝えたいことはなんなのか?」を把握して写真を撮ってみましょう。

例えば、「ガンダムの顔がカッコいい!」と思ったのなら、全身を撮るのではなくいっそガンダムの顔にピントを合わせ顔が大きく写るように撮ってみましょう。それだけでこの写真はガンダムの顔を見せたいんだなと伝わります。

人はピントが合う所に目が行くものです。伝えたい箇所にピントをしっかりと合わせましょう。もし全身のディテールを見てもらいたいなら、背景に余分な情報が写らないように、白や黒といった無地の背景をバックに撮影しましょう。

その写真を何でそのように撮ったか、意図や狙いをしっかりと説明できれば、良くないとされがちな「ブレ」や「ハイキー/ローキー(明るい写真/暗い写真)」や「ピントを外した」写真だってOKです。
「ガンプラは自由だ!」という言葉があるように「写真も自由だ!」あなたが表現したい事を写真に込めましょう!

2.頭のてっぺんから足のつま先まで…全集中してポーズをつけるべし!


ガンプラや可動フィギュアは、自分で動く事ができず、ポーズは撮影者が考えてつけなければなりません。
でも逆に言えば、ポートレート(人物撮影)と違って、どんなに時間がかかってもどんなに難しいポーズをお願いしても、何も文句を言わずやってくれます。ですから自分がカッコいいと思うポーズになるまでとことんイジっちゃいましょう。
もし、自立が難しければアクションベース等を使用するのも一つの方法です。


ポーズによって印象が変わる例として、以下の写真をご覧ください。


どちらも同じ立ち姿ですが、どちらがカッコよく見えますか? 左の写真は猫背で力強さが感じられず、右の写真の方が強そうに見えないでしょうか。
人もガンプラも立ち姿一つで印象が大きく変わります。ビシっとポーズを決めてあげましょう。

3.グリッドを利用して三分割法を意識してみよう!


写真を撮る時、フレームのどこに何を置けばいいのかわからない事ってありますよね?
そんな時はカメラの機能で「グリッド」を表示してみましょう。すると画面に縦横を三分割する線が表示されるはずです。

その線の交点や線上に見せたいものを配置するのが「三分割法」です。比較的万能な構図法なのでぜひ試してみてください。それだけで写真がまとまったような気がしてくるはずです。

以下、中央にフレーミングした写真(1枚目)、三分割法を意識した写真(2枚目)をご覧ください。


1枚目の写真も悪くないですが、2枚目の三分割方を意識した写真の方が動きを感じられると思います。

他にも色々な構図があるので興味がある人は調べてみてください。慣れてくると複数の構図を合わせて使えるようになりますよ。
そして、様々な映像作品は構図を利用して制作されています(もちろん「ガンダム」シリーズも)。素敵な作品をいっぱい観て、自分の中に“カッコいい構図”のストックをどんどん溜め込んでいきましょう。

4.光の当たり方を影で読もう!



光の当たり方で、写真の印象は大きく変わります。
たとえば、晴れの日、曇りの日、懐中電灯を下から当てた場合で、顔の写り方が全然違ってくることがありますよね。

それは光の当たり方はもちろんですが、「影」の違いでもあります。「ゲレンデマジック」という言葉があるように、雪の白がレフ版の役割をして影を和らげてくれることでいつもより綺麗に見えたりするんです。光のあたり方/影の出方はモノの見え方を左右します。

光がどこからあたっているか考える時に意識して欲しいのが、影がどのように出ているかです。影がどこにどのように出ているかを辿っていくと、光がどの方向から当たっているかがわかります。
部屋の光だけだと影が強すぎる場合、被写体の近くに白い紙や白いプラ板を近づけてあげましょう。そうすると影が和らぎます。
白レフでは違いがわかりにくい場合、鏡でまずは反射位置を把握するのも一つの手です。
下の写真は左が部屋の光のみ、右が部屋の光を鏡で反射させてガンダムの顔の影を和らげてあげた写真です。


鏡で反射が強いと感じた時は白レフにしましょう。
ガンプラは小さいので近づいて撮ることが多いです。自分の影やスマホの影が写真のフレーム内に映り込んでいないか、被写体に影を落としていないか気をつけながら撮りましょう。

5.一番いい角度から狙い撃ちしよう!


「カメラの位置を変えただけでは、見え方はそんなに変わらないのでは?」と思っていませんか?

ではこちらの2枚の写真を観てください。この2枚の写真の違いは何かわかりますか?


実はスマホの天地を逆にして撮っただけなんです。スマホの大きさはせいぜい拳1個半。だけどこんなにも見え方が変わるんです。

自撮りをしたときにいい角度で撮ると盛れた経験はないでしょうか?レンズの位置や角度、つまりは視点の位置や見る角度によって見え方が大きく変わります。
せっかくのデジタルカメラ、色んな位置から撮ってみましょう。慣れてくると、「ここから撮ればカッコよく撮れるだろう」と予測できるようになりますよ。

5.ポイントを意識していざ実践


ということで、お伝えした5ポイントを意識して実際に撮影してみましょう。 私も読者の皆様の撮影環境を想定し、3つの条件をつけて撮影していきます。

1.スマートフォンで撮影
2.撮影場所はPCデスク上
3.特殊なライトとフラッシュは使わない

なかなか厳しい条件ですが…推して参いるッ!(ゼンガー・ゾンボルト風)」
復習ですが、まず大事なのは「その写真で伝えたいことを決める」です。

今回の写真で伝えたい事
・完成した直後のガンプラのカッコよさ
・「HG RX-78-2 GUNDAM BEYOND GLOBAL」(以下ビヨンドグローバル)の可動域の凄さ
この2点を伝えられる写真を撮りたいと思います。

撮影場所はPCデスク上という制限をつけたことから、プラモ製作環境を感じさせる背景にする。ポーズは「ビヨンドグローバル」の可動域の凄さをみせたい事から、膝を曲げた状態でのポージングをチョイス!
一度撮ってみます。


う~ん、何かが足りない気がします。一度撮ってみて実際自分がイメージしていた雰囲気がでているか、自問自答するのも大事です。
また、お友達とかに見てもらうのもオススメです。写真を人に見てもらうのは恥ずかしいかもしれませんが、アドバイスをもらうのも成長への近道です。

部屋の光をつけた状態だと光がまわりすぎて求めていた雰囲気がでていません。私が求めているのは、「夜に一人で頑張って作ってできた時の達成感」、そして「少し寂しい雰囲気」も写真に込めたい。
そこで、部屋の光を消してみました。流石に月明りだけでは厳しかったのでどこにでもあるLEDペンライトを一つだけ使って舞台のスポットライトのような当て方をして撮ってみました。


どうでしょう。背景のプラモ製作グッズが黒く見えなくなってしまいましたが、少しずつ雰囲気ができてきたと思いませんか?

最初は手持ちで撮ってみて、「ここだ!」という角度が決まったらカメラを固定しましょう。今回は三脚の代わりに積プラ(買ったけど造れていない積まれたプラモデル)を椅子の上にのせ、スマホホルダーを利用してカメラを固定。


カメラの固定が終わり、ポージング/ライティングの微調整が終わったら後は撮影するだけ。見せたいところにピントを合わせ、シャッターボタンを押す時にカメラが揺れてぶれないようにセルフタイマーを設定して…狙い撃つぜ!(ロックオン・ストラトス風)


いかがでしょうか? だいぶ雰囲気が出てきました。
この写真はスマホで撮ったままの状態ですが、せっかくなので少し「編集」もしてみましょう。今やほとんどのスマホには編集やフィルター機能がついていますから、誰でも手軽にできます。

「編集は少し難しいんじゃないか?」「撮ったまんま(真実)じゃなくなるじゃないか?」など色々な意見があると思います。
ですが、写真を撮る際にシャッターボタンを押しただけでは「自分が見たのと違う」なんてことはありませんか? それは、自分の観たときの感情や想いが反映されていないからです。なので、自分が観たときの感情やみせたいイメージに近づくように編集してみましょう。

スマホの機能で編集した写真がこちらです。


月明りの中作業したような雰囲気がでてきたと思いませんか? そして月明りのような青さを少しのせることによって、ちょっとした寂しさも出てきたのではないかと思います。

スマホの機能とLEDペンライトだけでもこういった写真が撮れるのです。「プロだからでしょ?」と思うかもしれませんが、まずは今回お伝えした5ポイントを意識して写真を撮ったり見返したりしてみてください。そうすればあなたの写真もいますぐに上達するはずです。

カメラの性能の違いが、画力の決定的差ではないということを教えてやる(シャア風)



「やっぱり一眼レフとか本格カメラじゃないと良い写真が撮れないのかなぁ?」と思っていませんか?

そんなことはありません。スマホのカメラだって十分に良い写真が撮れます。ここまでの作例は全部私のスマホ(iPhone7)で撮影した写真です。
ここからは、スマホカメラの性能をちゃんと引き出してあげれば、スマホでも一眼に負けないカッコいい写真が撮れることをお伝えします。

スマホで綺麗に撮れないのはなぜ?



まず、スマホで撮った写真が綺麗にならないのには原因があります。そのほとんどが、周囲が暗くて光が弱い時です。つまりは「光量」が足りない時。
スマホが勝手にISO感度(画像センサーの光の感度)をあげて、シャッタースピードを遅くして撮影するため、ノイズが大きく出たりブレてしまったりすることがほとんどなのです。

ですから、マニュアルで設定してこの現象が起きないように撮影できればスマホでも、けっこう綺麗に撮れるんです。iPhoneの場合は「Camera+2」といったアプリでマニュアル撮影できますし、Androidの場合は標準でマニュアル撮影ができます。

マニュアル設定だけで厳しければ、「三脚」を使用して光量を稼ぐ



とはいえ、マニュアル設定だけでは光量が足らず、暗かったりノイズがのった写真になってしまいがち。より本格的な撮影をしたいのであれば「三脚」の導入をオススメします。

とくにガンプラやフィギュアのような「動かない被写体」であれば、シャッタースピードをいくら遅くしても写真がブレません。そのためISO感度を低く設定して、ノイズ無しの綺麗な写真が撮りやすいんです。

暗い撮影環境は、スマホだけではなく一眼レフなどの本格カメラも苦手なもの。一眼でもスマホでも三脚を使用する理由は基本一緒のため、スマホでも三脚とマニュアル撮影でその性能を引き出してあげましょう。

見せてもらおうかスマホカメラの性能とやらを!!



最後に、私のスマホ(iPhone7)カメラの性能を極限まで引き出した、ちょっと本気を出した写真をお見せしたいと思います。使用するライトは、皆さんも用意しやすいウェブミーティング用のカメラ2灯とUVライト1灯のみ。

撮影した写真はこちら。





いかがでしょう。なかなか綺麗に撮れていると思いませんか。
最新のスマホカメラは望遠機能もついているし、ポートレートモードという背景をぼかしてくれるモードもついていたりと優秀です。せっかくの優秀なカメラ使わないのはもったいありません。

ご参考までに、今回使用したアイテムも紹介しておきましょう。


    【使用機材】


    カメラ:iPhone7
    撮影/編集アプリ:Camera+
    使用ライト:
    ・VIJIM R66 2灯
    ・umintop IYP365 1灯



    LEDライトに関してはミニ三脚付きのこちらもオススメです。
    ULANZI VL49


    UVライトに関しては、不要な色を極力カットできるこちらもオススメです。
    Lumintop Tool AA UV 365



もし、スマホでは物足りなくなり本格的に写真を撮りたいなぁと思ったら、レンズを交換できる一眼レフなどの本格カメラを買って写真を楽しんでいただければと思います。

以上、プロカメラマン伝授のテクニックいかがだったでしょうか?
今回お伝えしたテクニックを駆使して撮影し、ぜひガンプラ、ロボット、フィギュアといった様々な推しをSNSなどで共有してみてください。

皆さんのガンプラライフに栄光あれ!


【関連記事】本記事の著者・小原聡太による“ガンダムモルカー”はコチラ

【プロ伝授】ガンプラをスマホで綺麗に撮るコツは? 今すぐ実践できる5つのテクニックを伝授

《小原聡太》
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