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シリーズ未経験でも『電車でGO!! はしろう山手線』は楽しめるのか? “ゼロ”を目指す独特なプレイ体験に初心者が挑み、VRモードで衝撃を受ける【先行プレイレポ】

シリーズ未経験者による『電車でGO!! はしろう山手線』先行プレイレポートをお届けします。

ソニー PS4
シリーズ未経験でも『電車でGO!! はしろう山手線』は楽しめるのか? “ゼロ”を目指す独特なプレイ体験に初心者が挑み、VRモードで衝撃を受ける【先行プレイレポ】
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乗り物の運転を題材としたゲームは、古今東西を問わず多数あります。車やバイクのレースを主軸とする作品では、順位や速度こそが重要で、分かりやすく言えば「誰よりも速いこと」が正義で、勝利に直結します。しかし、乗り物を操作するゲームの全てが、同じ方向を向いているわけではありません。乗り物を運転しつつも、速さに絶対の価値はなく、かとって遅すぎるのも論外。決められた時間に合わせることが至高という、かなり珍しいゲームも存在します。それは、『電車でGO!』シリーズです。


その名前からも分かるように、『電車でGO!』は電車の運転を行うゲームです。しかもただ動かせばいいだけではなく、現実世界と同じように、到着時刻に合わせて運行する必要があります。速さはあくまで管理するものであり、限界を超えた速度に酔いしれる楽しみとは無縁です。



こんな特異なゲームは、さぞコアなファン向けだろうと思われることでしょう。しかし、本シリーズの1作目『電車でGO!』が1996年にアーケードデビューを果たした際には高い注目を集め、翌年初代プレイステーションに移植されるとミリオンを記録する一大ブームとなりました。


以降、様々なシリーズ作がアーケードやコンシューマを席巻し、愛される人気シリーズへと成長します。しかし、コンシューマ向けの展開は00年代で一区切りし、以降は沈黙の時代が続くことに。一方でアーケード向けは、空白期間があったものの、シリーズ20周年を記念する『電車でGO!!』が2017年に登場。更に、『電車でGO! 復刻版』が2019年にリリースされるなど、近年新たな動きを見せています。



そして10年以上の沈黙を破り、新たなコンシューマ向けの展開も決定しました。『電車でGO!!』をベースに調整を行い、新要素を加えた『電車でGO!! はしろう山手線』が、PS4向けソフトとして12月3日に発売されます。ちなみに、ニンテンドースイッチ版も予定されていますが、こちらの発売日・価格は共に未定です。


満を持してコンシューマに帰ってくる『電車でGO!』最新作に、期待を寄せているシリーズファンも多いことと思います。しかし、沈黙が長かったため、若い世代やコンシューマ専門のユーザーの中には、『電車でGO!』を遊んだことがなかったり、存在自体を知らなかったりする方も少なくないはず。


今回は幸運にも発売前に『電車でGO!! はしろう山手線』に触れる機会を得られたので、そのプレイレポートをいち早くお届け。前述のように未経験者のユーザーも少なくないと考え、まったくのシリーズ初心者でも楽しめるのか、その点について体験を交えて掘り下げていきます。なお本稿は、PS4版を使用してのプレイレポートとなります。


初心者は、チュートリアルであがいて闘志を燃やす



まずは、『電車でGO!! はしろう山手線』のチュートリアルを進めつつ、『電車でGO!』シリーズ全体にも共通するゲームのルールについて、かいつまんで紹介します。決められた区間を予定通りに運行するのが、『電車でGO!』の基本であり、一番大事な目的です。本作のチュートリアルでは、渋谷から恵比寿までのルートを走ります。



肝心なのは、到着時刻と停止位置。定められた時刻通りに、決められた場所に停める。速すぎても遅すぎてもダメというルールは、ゲーム全般を見渡しても珍しい部類だと思います。普段触れてないルールなので、シリーズ未体験者には新鮮な刺激を味わえそうです。


反面、慣れていないルールに抵抗を覚える可能性もあります。恥ずかしい話ですが、筆者は苦手意識があって敬遠していた側です。『電車でGO!』シリーズはもちろん知っていたものの、なんとなく難しそうに感じて、これまで手を出せずにいました。


文字通りの初心者なので、チュートリアルであっても緊張感が走ります。しかし、「安全のためブレーキをかける」「ドアが閉まったことを確認する」など、発車前でもやることがあり、緊張に気を取られているヒマはありません。



ちなみに運転でミスをすると、ミッションゲージが下がってしまいます。このゲージがゼロになるとミッション(=運行)が失敗になるので、注意が必要です。逆に、優れた運転をすることでボーナスが加算されるため、文字通り腕前が問われます。


加速・減速は左スティックで実行。ここの調整が繊細だったら、とても制御しきれない・・・と苦手意識を抱えたまま操作してみましたが、予想よりも加速・減速は緩め。いい意味で、全力で加速しても速度は急に上がりません。そのため、想像よりも速度調整はしやすいように感じました。



冷静に考えれば、緊急時の非常ブレーキは別として、通常運行の加速・減速が激しすぎたら、多くの乗客を載せる乗り物として明らかに問題なので、これは筆者の苦手意識が強すぎた思い込みでしょう。同じように身構えている方がいれば、この点はどうか安心してください。


しかし、加速・減速が緩やかということは、急な切り替えが出来ないとも言えます。運行中、速度制限のある場所が頻繁に出てくるので、無闇に飛ばしすぎると調整が間に合わないことも。かといって遅すぎると、今度は到着時刻に遅れてしまいます。そのやりくりが、緊張しながらも手応えを感じるポイントのひとつです。



また、速度だけに気を配るわけにはいきません。区間を走行していると、接近する鉄橋や保線作業員への合図として、警笛を鳴らす必要があります。また、すれ違う電車が近づいてきたら減光スイッチを「暗」に切り替えるなど、区間中もやるべきことが多め。なお、すれ違った後は「明」に切り替え直さないといけませんが、筆者はこの操作をよく忘れていました。うっかりしやすいので、本作をプレイされる方は心に留めておいてください。



あれこれと慌ただしい初プレイながら、なんとかホームの停止位置に辿り着くことができました。もちろん、成績はかなり低め。12秒も延着し、停止位置も3mほどずれています。




停止位置に止まった後は、リプレイ画面へと切り替わり。3mも誤差があると、ホームドアの位置とかなり食い違っています。それでも停止位置はまだマシな方で、その他のスコアはもっと低い有様です。


しかし、これだけひどいスコアでも──もしくは、ひどいからこそ──「今度こそ!」と思ってしまうのは、到着時刻・停止位置の2点で“ゼロ”を目指す独特なゲーム性に刺激を受けたおかげでしょう。次はもっと上手く停まりたい、と沸き立つ心のままに、今度は通常のゲームモードへ挑んでみます。


正確な読みと、計算違いをアドリブで対応する臨機応変さが、『電車でGO!』初心者を魅了する



本作のゲームモードは、「おうちでGO!モード」「アーケードモード」「VRモード」の3つが搭載されています。実力を計るには「アーケードモード」が良さそうですが、初心者なので「おうちでGO!モード」をチョイス。



「おうちでGO!モード」には、「運転士の道」「デイリールーレット」「フリー走行」があり、この中でも最も基本的なのが、ひとつずつミッションをこなしながらエンディングを目指す「運転士の道」です。今回はこちらをメインに進めてみます。



本格的なプレイに入ったとはいえ、やるべきことはチュートリアルと同様です。道中の速度調整や警笛、減光などの操作を行いながら、到着時刻と停止位置をそれぞれゼロに近づけるだけ。



しかし、実際のプレイは、説明ほど簡単にはいきません。速度制限を守りながら走り、遅すぎないように気をつけていると、遠くに作業員の姿を発見。慌てて警笛を鳴らしたら、今度は電車とすれ違うので減光スイッチを「暗」に。これで落ち着けるかと思ったら、速度制限の予告が出て、距離感を計りつつ慎重に速度を上げなければなりません。


実際の山手線を再現した風景は、フォトリアルとまではいかずとも、なかなか見応えのある景色が描かれているので、正直じっくりと見たい気持ちも。しかし、運転中にそんなゆとりは皆無でした。



ゲームに慣れれば、景色を満喫しながらしっかり操作もこなせるのでしょうが、初日の初心者には荷の重いスタイルです。いつか腕前が上達したら、そんなプレイを楽しんでみたいものです。



そして、区間ごとのクライマックスと言えるのが、停止位置へのアプローチ。残り時間に合わせて速度を押さえる調整は、反射神経よりも経験や直感が重要で、手探りで詰めていく感覚に独特の味わいがあります。


ちなみに、場内での再加速は追加のスコアが加点されないので、慣性と減速だけで綺麗に停まりたいところ。そのためには、遅すぎない程度の速度の維持が肝要。速度がありすぎると到着時刻よりも早く着いてしまいますし、速度を下げすぎると間に合わず、やむなく再加速を迫られるハメになることも。


と言っても、「やっぱり難しいゲームなのか」と決めつけるのは早計です。例えば、これはあくまで筆者のやり方ですが、慣れないうちは思い切って「停止位置」か「到着時刻」のどちらかをガン無視し、片方だけに集中するやり方で挑んでみました。



ひとつだけなら対処も比較的しやすいですし、ガン無視したもう片方も、割とある程度の範囲で留まってくれる(ことも)。しっかりとしたプレイを目指すには全く適しない方法ですが、全くの初心者でも、狙いを絞ることで少しずつ精度が上がっていきました。



糸口の掴み方はプレイヤーそれぞれですが、今回プレイした範囲では、「運転士の道」における難易度の上がり方は緩やかで、急に立ちはだかる高い壁のようなものは感じません。このモードをコツコツと遊んでいけば、初心者でも自分のペースで基礎が身に付くことでしょう。




ですが、決してヌルいだけでもなく、例えばルートが枝分かれする「シークレットミッション」の難易度は歯応え満点。調子に乗って挑んだものの、あっさり返り討ちに遭いました。経験者向けの難易度だと思われるので、シリーズファンの方もご安心を。


また、「イージー」「ノーマル」「ハード」「ベリーハード」と難易度が選べるので、自分の腕前に合わせて調整するのもひとつの手。筆者はノーマルを通して遊んでみましたが、「運転士の道」なら初心者でも問題なく楽しめそうです。



合計して5時間ほどプレイした実感としては、発車前や走行中は「必要な手順を正しく行う」楽しさがあり、見せ場の集大成とも言える場内では「状況を元に逆算する推察力」と「その推察を実行できる正確さ」が求められ、表裏一体の緊張感と手応えを味わえます。


そして、読みが甘かった時には、反射的な対応力も欠かせません。この、「アドリブで合わせる感覚」もまた楽しく、上手くいった時は本作ならではの醍醐味を実感できます。



確かに容易いゲームではありませんが、少し意識するだけでも、「運転士の道」の序盤クリアは意外となんとかなります。偶然ですが、初心者でも「ニアゼロ」を叩き出せました。まったくの初体験でも十分楽しめることが実際に分かったので、興味が湧いた方はこの世界に飛び込んでみるのも一興です。



もちろん、高ランクやハイスコアを狙うならば、上級者レベルの腕前が問われることになります。それだけに、達成した際の手応えもまた大きなものでしょう。腕に自信がある方は、ぜひ挑戦を。


初心者・経験者の両方にお勧めしたい「VRモード」



『電車でGO!! はしろう山手線』の本編に関するプレイレポートは以上となりますが、最後に「VRモード」についても少し触れたいと思います。PS VRがなければ体験できないため、遊べる人は限られますが、『電車でGO!』ファンと初心者、その両方にお勧めできるモードだと感じました。


VRモードで遊べるのは山手線の原宿~品川間。また、4段階の難易度と、3種類の区間(2、3、6)が選択可能。それぞれを決定すると、VRモードの幕開けです。



VRモードが始まると、プレイヤーの周囲は運転席に早変わり。その席にいるのは当たり前とも言えますが、実際に体験すると“運転席にいる自分”という臨場感に包まれ、プレイ開始直後からテンションがハネ上がります。




そもそも『電車でGO!』シリーズがヒットした理由として、運転士への憧れという一面も拭えません。そして、VR化された運転席にいるだけで、これ以上ないほどの“運転士気分”に浸れます。


アーケード版は運転席を再現した筐体になっていますが、こちらは「どこまで見渡しても、運転席からの景色」なので、憧れたシチュエーションの臨場感は桁違い。例え真後ろを振り返っても、やはり運転席なのです。理屈ではなく、その感覚が嬉しい。



車内の機器は簡素なデザインで、残念ながら「実物そっくり」とはいきません。しかし、雰囲気作りに必要な水準は保っていますし、運転席から見える光景に目を奪われるので、さほど気にならないというのが正直なところ。この臨場感だけでも体験する価値があるので、『電車でGO!』ファンはぜひ味わって欲しいモードです。



そして初心者にお勧めしたい「VRモード」の長所は、距離感の把握がしやすい点です。仮想空間とはいえ、通常のモードよりも相対的な関係を掴みやすい印象を受けました。



大げさに言えば、距離と速度を肌で感じられるので、いつもより停止位置が狙いやすい感触です。実際にスコアも、停止位置・到着時刻ともにすんなりとAが取れました。


「VRモード」の経験が通常モードに上手く活きるかどうかは、人によるかもしれません。とはいえ、苦手を克服する糸口になる可能性は十分秘めているので、まずはVRモードで距離感と相対的な速度を実感するのも、悪くない手でしょう。


なりきり気分と、距離感の把握。2つの長所を実感できた「VRモード」は、『電車でGO!! はしろう山手線』だからこそ味わえる魅力のひとつです。PS VRがあるならば、プレイを検討する価値のあるモードだと、最後に強く推させていただきます。



PS4版『電車でGO!! はしろう山手線』は、2020年12月3日発売予定で、価格は7,800円(税抜)。なおニンテンドースイッチ版は、発売日・価格ともに未定です。





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《臥待 弦》
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