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『ウォッチドッグス レギオン』ハッカーはなぜ豚のマスクをかぶるのか? 伝説のテロリスト「ガイ・フォークス」を知る

11月5日はロンドンが最も燃え上がる一日だったのです。

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『ウォッチドッグス レギオン』ハッカーはなぜ豚のマスクをかぶるのか? 伝説のテロリスト「ガイ・フォークス」を知る
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本記事は『ウォッチドッグス レギオン』、ユービーアイソフト、およびGame*Spark編集部と全く関わりのない一般的な事項を述べるものです。

情報の信憑性について当方は一切の責任を負わないこと、作中の描写と似ている点があっても「偶然の一致」であることをご了承ください。




『ウォッチドッグス レギオン』が発表されたとき、マスクをかぶったハッカーと聞いて、多くの人が「アレ」を連想したでしょう。そう、不気味につり上がった笑みと髭が印象的な、あの変なお面です。ハッカーがなぜ「アレ」をかぶるようになったのか、これには少々込み入った事情があるのです。


これを語るには、400年前のロンドンを騒がせたある大逆人の伝説から始めなければなりません。これを知れば、ロンドンで巻き起こる大事件が少し違って見えるかもしれませんよ。


伝説のテロリスト「ガイ・フォークス」



新型コロナウイルス対策のため、イングランドは本日11月5日よりロックダウンに入ります。「なぜよりによってこの日から」と思っている市民は少なくないでしょう。というのも、今日はイングランドで最も派手な祭り「ガイ・フォークスデイ」(ボンファイアナイト)だからです。


日本ではあまりなじみのないイベントですが、イギリスが舞台の「ハリー・ポッター」「パディントン」、ドラマ「シャーロック」でも秋の風物詩で登場します。この日はイギリス中の街に夜通し篝火が焚かれ、ありったけの花火をこれでもかと爆発させます。ルイスの街のものが最も有名で、オーストラリアやニュージーランドでも行われているそうです。直前のハロウィンは前座に過ぎません。そもそもハロウィンはアメリカ経由で入ってきたもので、イギリスではケルト圏以外はマイナーなのです。


では、これは一体何をやる行事なのかというと、「ガイ・フォークス(Guy Fawkes)」という男に見立てた人形を市中引き回し、磔の上火炙りに処すというなかなか物騒なもの。子供たちが“A penny for the Guy!”を合いの手に練り歩き、「今年の話題の人物」が焼かれるのが恒例です。要するに、犯罪者を見せしめに処刑するのを嬉々としてやっているというわけです。


毎年処刑の憂き目に遭う「ガイ・フォークス」は一体何をやらかしたのでしょうか? 彼はイギリス史上最も有名な爆弾テロ事件「火薬陰謀事件(Gunpowder plot)」の実行犯で、国王暗殺を画策したのです。



16世紀のイギリスでは1534年のヘンリー8世による英国国教会設立によって、カトリックの信者は厳しい弾圧を受けていました。何しろ国王自身が離婚のためにカトリックを排除しようとしたので、信者は王に逆らっている、あるいは同じカトリックの敵国に与しているとされ、非常に肩身の狭い状態が長く続いていました。


そんな中でカトリックの過激派は大胆にも国王暗殺計画を実行します。決行日は1605年11月5日、国会が召集されて国王ジェームズ1世が議場に現れる時を狙い、ウェストミンスター宮殿の議事堂を爆破しようというのです。地下室に大量の火薬樽を仕込み、実行犯のガイ・フォークスは決行の時を待ってその場に待機していました。



ところが計画は密告によって露見。ガイ・フォークスは潜伏しているところを見つかってロンドン塔に投獄、拷問の末に計画を自供しました。地方に逃れていた仲間も逮捕され、国王の爆殺未遂という前代未聞の事件はイングランド中に知れ渡ることとなりました。翌年にはこれを記念した祝日が制定され(1859年に廃止)、国を挙げて爆破テロが未遂に終わったことを喜ぶ、または大逆人を処刑するという世にも奇妙な祭りが誕生したのです。念のため宮殿内に爆破物がないか点検するのも慣例になっています。


一方、カトリック教徒側にとっては、未遂に終わったものの弾圧に一矢報いた英雄です。暴君に立ち向かったヒーローとして、反逆者の象徴的存在になっていきました。


レジスタンスのヒーロー「V」



それから約400年後、ガイ・フォークスが一気に名をあげるきっかけが起こりました。アメリカの漫画出版社DCコミックスより発表された「Vフォーヴェンデッタ」の中で、レジスタンスのシンボルとしてとして登場するアンチヒーロー「V」がかぶっているのが「あの」ガイ・フォークスマスクなのです。


「Vフォー・ヴェンデッタ」の舞台は全体主義体制が敷かれたロンドン。独裁者による粛正で反体制の思想を持つものは次々と投獄されるなか、正体不明の「V」が過激なテロを実行していく様を描きます。


そして2005年には「マトリックス」を手がけたウォシャウスキー兄弟(当時。現在は姉妹)による映画が制作されました。映画の中で「V」は、11月5日にガイフォークスの仮面をつけて集合せよと全国民に呼びかけました。映画のクライマックスには、呼びかけに応じた群衆が全員同じマスクをつけるシーンがあります。隠れていた同志が集合し、国家へ反逆する。ガイ・フォークスはイギリスの伝承から、世界に名を馳せるトリックスターへと上り詰めました。


なお、このマスクは著作権の存在する「Vフォー・ヴェンデッタ」のライセンス商品です。何かしらの目的で利用する際にはご注意ください。


火薬陰謀事件から一人歩きを始めたガイ・フォークスはコミックのヒーローとして蘇り、強力なイメージを持って再び現実の世界に降り立ちました。政治的デモ活動において反体制の意思を示すアイテムとして使われるようになったのです。


ハクティビスト集団「アノニマス」



2008年2月10日、世界の各地で「Vフォー・ヴェンデッタ」のマスクをつけた集団が出現しました。彼らの目的は宗教団体「サイエントロジー」への抗議であり、自らを「Anonymous(名無し)」と名乗りました。


アノニマスはインターネット上で活躍する政治コミュニティで、抗議活動として政府や企業にハッキングを仕掛ける「ハクティビスト」の集まりです。特定の指導者がまとめているのではなく、緩やかなつながりの中からトピックに関心のあるの参加者がその都度集まって活動を行います。そのためアノニマス全体が特定の目的を共有している、ということではありません。


日本でも時折アノニマスによる大規模なハッキングが行われています。著作権を盾にネット上の監視を強化することへの懸念から、2012年の違法ダウンロードを罰則化する改正著作権法への抗議として「オペレーション・ジャパン」を実行しました。その際に法制化と関係ない霞ヶ浦河川事務所のサイトが標的にされており、どうやら「霞ヶ関」と「霞ヶ浦」を間違えてしまったようです。


不特定の人間が流動的に活動するアノニマスですが、彼らは活動声明の際にこのようなスローガンを掲げます。


We are Anonymous. We are Legion. We do not forgive. We do not forget. Expect us.



我々はアノニマスだ。我々はレギオン(部隊)だ。我々は許さない。我々は忘れない。覚悟せよ。


特定の指揮官はいないとはいえ、集まった同志が大規模な作戦を展開する様は、確かにネット上のゲリラ部隊のようですね。この「レギオン」は部隊、軍隊と訳されることが多いのですが、キャピタライズされているので、実は特定の固有名詞を指しているのです。



「Legion」とは新約聖書に登場する悪魔のことで、悪霊の集合体(legion)と表現されます。人間に取憑いていたいたレギオンをイエスが諫めると、レギオンは近くにいた「豚の群れ」に乗り移ります。すると湖の中へ群れが突進し、取憑かれた豚は溺れ死んでしまいました。アノニマスは特殊部隊でもあり、悪霊のように掴み所のない集団ということかもしれませんね。


「テロとの戦い」、そして究極の監視社会へ



ロンドン市街では度々テロ事件が発生しており、2001年にはアイルランドの過激派によるもの、2005年にはロンドン同時爆破事件、2017年には2件の無差別殺傷事件(3月のウェストミンスター宮殿、6月のロンドン橋)が起こっています。


そんな背景もあって、ロンドンは世界一の監視社会と言われるほどに、街中至る所に監視カメラが設置されています。ナンバープレートの自動追跡システムが搭載され、顔認証システムも試験的に導入。今年1月には市街全体へ顔認証を拡大すると発表されました。ロンドンの街では人々がどこへ行き、何をしているかが全て記録されているのです。外出禁止令が出たイギリスで、一歩外に出ようものなら警察が飛んでくる……まるでディストピアな世界が今まさに出現しようとしています。



そんな中「The dazzle club」という団体の活動が話題を呼んでいます。監視社会へのカウンターとして、顔認証システムをかいくぐるフェイスペインティングを行っています。顔の特徴をペインティングでカバーし、監視カメラの追跡をブロックする試みです。街を歩くだけで個人情報が吸い出される今、人々はプライバシーを守るために戦おうとしているのです。





デジタルパノプティコンとも言われる監視システムの実情を、皆さんはどう思いますか。街を歩いていて監視カメラを見つけたら、レンズの向こうにいる誰かもあなたを見つけているのです。


なお、本記事は雑多なトピックを列挙しているだけのものです。「架空のロンドン」とは全く関係のない事項であり、信じるか信じないかはあなた次第です。

《Skollfang》

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