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『ドラッグ オン ドラグーン2』15周年に濃すぎる敵キャラを振り返る─「食べること」「魅力」「快楽」を捧げた守護者たちが愛おしい

この15周年を機に、カイムやアンヘルに想いを馳せる方が多いことでしょう。ならば自分だけでも、ザンポ・ハンチ・ヤハを思い出さねば!

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スクウェア・エニックスから発売されたアクションRPGは数あれど、絶望と荒廃に彩られ、ひときわ異彩を放つ『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズは、唯一無二とも言える存在感を纏っています。

シリーズ名にもなった1作目は、絶望を更なる絶望で上書きするかのような展開の数々で、多くのユーザーに驚愕を与えました。通称「新宿エンド」と呼ばれるエンディングは、インターネット上で今もその名を見かけるほどの知名度です。

また、シリーズで最も新しい『ドラッグ オン ドラグーン3』は、PS3向けに登場。こちらもクセの強い作風でしたし、6年半前のリリースなので、今も記憶に留めている方が少なくないことでしょう。


この色濃い2作品に挟まれた『ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』は、シリーズ作の中では比較的目立たない作品かもしれません。本シリーズは、絶望や狂気をテーマとした展開やエンディングが多く見受けられますが、『ドラッグ オン ドラグーン2』においては、絶望や狂気の度合いはやや低め。(一般的には良いことですが)むしろ希望を感じさせる展開もあるため、シリーズにおいては異質な作品と言えるかもしれません。

ですが、絶望や狂気がまったく影を潜めたわけでもありません。特に筆者は、敵として登場する3人のキャラクターに大きな衝撃を受け、プレイから15年が経った今も忘れることができません。

『ドラッグ オン ドラグーン2』自体は、ゲームとしてはやや難もあり、万人に勧めやすい作品かと言えば残念ながら「NO」でしょう。また、絶望に惹かれた一部のシリーズファンが物足りなさを覚える気持ちも、分からないではありません。

ですが、『ドラッグ オン ドラグーン2』にも、絶望ゆえに人を魅了する狂気は確かにあります! 本日6月16日は、本作が発売されてちょうど15年が経過した記念すべき日。このアニバーサリーを祝い、記憶に刻まれた3人の守護者を振り返りたいと思います。

契約で浮き彫りになる弱さ、求めるが故に届かない儚さ─だからこそ人間らしく、愛おしい!


こちらの画像は『ドラッグ オン ドラグーン』のものです

1作目にあたる『ドラッグ オン ドラグーン』では、物語が幕開けするよりも前から主人公サイドに絶望が蔓延しており、度肝を抜かれました。主人公のカイムからして、復讐のために刃を振るいながらも、その殺戮は実のところ己の衝動を満たす手段に過ぎません。

そんなカイムと契約を結んだのは、一匹のドラゴン・アンヘル。カイムにとっては、両親の敵と同種の竜族なので、その思いは複雑だったことでしょう。何もかもかけ離れているひとりと一匹の旅路は、幕開けの時点で波乱の予感を覚えるばかり。そしてこの“ほの暗さ”に、一部のユーザーは心惹かれました。

この他にも、快楽に耽っている間に弟たちが惨殺されたレオニールや、夫と子供が殺されたことが原因で正気を失い、幼子を殺してはその肉を食らうアリオーシュなど、狂気の片鱗には事欠きません。ちなみに、この2人も仲間に加わるキャラクターなので、主人公サイドの業の深さがお分かりいただけると思います。

更に『ドラッグ オン ドラグーン』では、ヒロインや敵方の絶望ぶりも相当なもの。どの角度から見ても徹底されている“希望のなさ”が、容赦なくプレイヤーに襲いかかりました。


絶望にまみれた1作目と比べると、『ドラッグ オン ドラグーン2』の主人公サイドは、比較的穏やかなものです。ストーリー展開に従って状況は苦しくなるものの、少なくとも物語開始時点では、1作目ほどの絶望は背負っていません。

ですが、シリーズの特色でもある“絶望”をしっかりと担って登場したのが、直轄区を統べる3人の守護者たち。そのうちの一人が、イフリートと契約した「ザンポ」です。


小柄ながら筋骨隆々なザンポは、身体の逞しさとは裏腹に言動は子供じみており、全体的に幼稚な印象を与えます。その性格の形成は幼少期に要因があり、彼は元々虚弱体質の未熟児でした。

少しでも強くなりたいと願ったザンポは、食べることに執着を見せます。食べて大きくなりたいと考えただけなく、彼にとって食べることが“生きること”だったのかもしれません。

そして幸いにして不幸の始まりだったのは、彼の家が裕福だったこと。身体の弱さを不憫に思った両親は、彼に好きなものを好きなだけ与え、その結果ザンポは、我慢を一切覚えずに大人となりました。

感情を抑える術もなく、自らを鍛える向上心もありません。そんな彼は、イフリートと契約を交わすことで、強靱な肉体を得ることが出来ました。ですが、強くなったのは肉体だけで、心は当然未熟なまま。器と中身が釣り合わないアンバランスさが、彼の醜さをより強調する形になったのは、実に皮肉な結果です。

しかも契約の代償に失ったのは、「食べること」。成長すらまともに出来なかった彼が持つ、唯一価値のあるそれを、強靱な肉体と引き換えに手放したザンポ。それは、“生きること”を手放したようにも感じられ、敵ながら非常に寂しい気持ちに駆られました。


2人目の守護者は、「太陽の微笑み」と称された愛くるしい少女時代を持つ「ハンチ」。可愛らしさに似合うような美しい心の持ち主ではありませんでしたが、その容姿のおかげか、大きな問題はなかったようです。ただし、ある一件を迎えるまでは。

船遊び中に湖へと落ちたハンチは、助かりたい一心で、ケルピーと契約をかわしてしまいます。契約の代償として彼女が支払ったのは、「魅力」。その結果、太陽の微笑みが失われ、内面は取り立てて美しくもない彼女を、誰もが相手にしなくなります。

この出来事がハンチの性格を歪めていき、周囲の人間は更に遠巻きとなり、出口のない悪循環を繰り返していきます。そして、唯一声をかけてくれる人物に依存し、縋るような思いで絶望と狂気に染まってしまいました。

契約によって内面が浮き彫りになる流れは、奇しくもザンポと同じ。心根が強ければ、代償を払っても強くいられるのか。それとも、心根の弱い人間だから契約を持ちかけられるのか。いずれにしても、ハンチやザンポの行く末に、希望を見出すのは難しそうです。


ですが、3人目の守護者「ヤハ」は、ハンチやザンポとは少々異なります。ザンポは足りないものを補うため、ハンチは助かるために契約を結びましたが、ヤハは明確な目的のためにノームの申し出を受けました。

ヤハは幼少期に孤児院で暮らしていましたが、優れた容姿を武器にして、富裕層の庇護を受けて孤児院での生活から抜け出します。その後も、美貌と肉体を駆使して騎士団の中で成り上がったヤハは、ノームとの契約により、その魅力を更に輝かせることを選びました。

契約で手にした魅力があれば、ヤハは更なる地位を目指すことも可能でしょう。しかし、契約の代償として失ったのは「快楽」。これまで彼が出世の武器にしてきた性行為は、苦痛をもたらす諸刃の剣となりました。自ら選択した結果とはいえ、あまりに手痛い取り引きと言えます。

そして、ヤハの心にずっと残されていたのは、とあるキャラクターへの想い。騎士団での出世や、視線だけで相手を魅了する契約者としての力は、その人物を手に入れるためだったのかも──と考えると、様々な想いや想像が脳裏を駆けめぐります。ちなみにその人物も契約者なので、残念ながらヤハの魅了は効きません。これも悲しい結末です。

その身を差し出し、そして快楽すら諦めたヤハ。しかし、欲れば欲するほど、欲しいものが遠ざかってしまう悲運の道を歩む形となりました。善悪は別にして、確固たる意志と行動力を持ったヤハですら、契約の闇に飲み込まれてしまいます。

現実世界でリアルに会う相手としては、3人とも個性が強すぎですし、上手く接する自信はありません。ですが、未熟さや醜さ、そして強さによって道を外れてしまった彼らは、非常に人間らしくもあります。ゲーム内では敵として倒す他ありませんが、彼らが彼らなりに報われる未来があってもいいのでは──そんなことをつい考えてしまう、愛すべき守護者たちでした。

こちらの画像は『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』のものです

まだ発売時期は未定ですが、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズと繋がりのある『ニーア レプリカント』がバージョンアップし、『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』としてリリースされる予定となっています。この勢いに乗り、『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズもリメイクなどして欲しいところ。その暁には、ザンポとハンチ、そしてヤハに、希望がありますように。



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《臥待 弦》

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