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『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』本日4月22日で10周年─結末の“痛み”をユーザーも共有した個性作! バージョンアップ版への購入意欲も調査

魅力的なキャラクター、意外性と衝撃に満ちた物語、世界を雄弁に表現するBGMなど、突出した個性で人気を博した『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』を振り返ります。

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スクウェア・エニックスが2017年2月に発売した『ニーア オートマタ』は、国内外でロングランヒットを記録し、約2年が経過した2019年5月には世界累計出荷・DL販売本数が400万本を突破。今後の展開にも注目が集まる人気作へと成長しました。

この『ニーア オートマタ』の前作に当たる『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は、設定面などで繋がりを持ち、いずれも単体で楽しめますが、両作品をプレイしているとより深く『ニーア』の世界を堪能できます。

2010年4月22日にリリースされた『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は、人によって受け止め方が異なるものの、個性的な側面が多いため、記録よりも記憶に残る作品として語られることも少なくありません。

本日4月22日は、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』が発売されてから丁度10年が経過した節目の日となります。そこで今回は、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』が備えていた特徴的な要素や忘れがたいポイントを振り返り、この記念日を祝いたいと思います。また本作について、読者の方々から届いた生の声もご紹介。ユーザーの思い出に触れながら、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

◆機種で異なる主人公、プレイヤーの心を抉る2周目以降の展開、そしてセーブデータに関わるギミックも



三人称視点のアクションRPGとなる『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は、場面によって横スクロールやサウンドノベル形式でゲームが展開するなど、ゲーム性にも驚きが多く含まれている作品ですが、まずは販売形態そのものも実に特徴的でした。

本作はPS3とXbox 360向けにリリースされましたが、正確に記すならば『ニーア レプリカント』がPS3に、そして『ニーア ゲシュタルト』がXbox 360に登場。大筋の物語などは同一ですが、主人公となる「ニーア」の立場に大きな違いがありました。

「ヨナ」と呼ばれる病弱少女を守り、そして救うのが本作の目的ですが、『レプリカント』におけるニーアは、ヨナの兄。一方、『ゲシュタルト』のニーアは、ヨナの父親となります。もちろん年齢も大きく異なり、兄のニーアは青年(少年期もあり)ですし、父親の場合は壮年相応の見た目となります。


バージョン違いで2本のゲームを展開する作品は皆無ではありませんが、各主人公がここまで大きく変わるケースはかなり稀。もちろん、その設定に合わせて各キャラクターの台詞も一部異なり、ユーザーが読み解く関係性も「兄妹愛」と「親子愛」にそれぞれ分かれます。

ゲーム購入時点から個性的な作品ですが、本編自体は順当にユーザーを引きつけながら、折々で強烈なインパクトを与えつつ、ヨナを救う王道的な物語を紡いで結末を迎えます。ですが、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』が本格的に牙を向くのは、追加要素が盛り込まれる2周目から。

育成状況などを引き継いで始まる2周目は、1周目では描かれなかった視点などを交えて展開。これまで単なる敵として戦ってきた相手に、どのような立場や過去があったのか。その事情を浮き彫りにすることで、プレイヤーのメンタルをがっつり削っていきます。


個々のエピソードと見せ方が優れているだけに、プレイヤーが受けるダメージは相当なレベルに。作中の過去と現在が画面を通してこちらを乱打し、ノックアウト寸前です。が、ニーアにとってはヨナを救うことが全て。誰かの事情や想いも踏みつけ、それでも前に突き進む強さを見せ、状況と感情の奔流がプレイヤーを飲み込みます。

主人公のニーアや、相棒的な存在と言える白の書、仲間に加わるカイネにエミールといった主要人物は、それぞれが持つバックボーンでキャラクター性に厚みがあり、先の読めない物語をより豊かなものに演出。印象的なサブキャラクターも多く、ストーリー全体が本作の評価を力強く押し上げる結果となりました。

また、2周目以降はエンディングも変わり、寂しさや切なさ、大きな悲しみがあり、しかし一抹の希望も含まれているなど、印象深い結末がプレイヤーを待ち受けています。加えて、特定のエンディングではセーブデータに関するギミックがあり、これも当時のプレイヤーを大いに驚かせました。


セーブデータに関わる仕掛けは、切り口はやや異なりますが『ニーア オートマタ』にも仕込まれており、苦渋の決断を下した方も多いことでしょう。痛みを伴う結末を、プレイヤーが喪失という形で共有することで、忘れられない出来事となるのかもしれません。このギミックは、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』から受け継がれたものでした。

青年と壮年の主人公をそれぞれ用意し、繰り返すことで厚みと重みが増していく物語を描写。「一人のために、全てを滅ぼす」というキャッチコピーに相応しい結末と痛みを、プレイヤーと分かち合う驚きの演出。その全てを盛り上げる優れたBGMに彩られ、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』は特出する魅力に溢れた作品として愛されました。

ゲーム全体を見れば気になる点も要所にあり、減点法だと点数が低めになりやすいものの、加点法だと一気に点が伸びること間違いなし。そんな極端さも、『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』らしさを感じさせます。

◆10年の時を経て、更に動き出した『ニーア』シリーズ



前述の通り『ニーア ゲシュタルト』はXbox 360で、『ニーア レプリカント』はPS3で遊べます。ゲーム機としては一つ前の世代ですが、中古市場も含めれば十分入手できるハードなので、今から遊びたいという方は実機を視野に入れるのもひとつの手です。


また、先月発表された『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』も気になるところ。この作品は、『ニーア レプリカント』をバージョンアップしたもので、対応ハードはPS4/Xbox One/Steam。プレイ環境も幅広く、現代にマッチしているので、こちらの登場を待つのもお勧めです。

ただし『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』は、リメイクやリマスターではないので、内容に変化がある可能性も否定できません。『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』の発売時期は未定のため、リリースに備えてオリジナル版をプレイしておき、違いがあるのかどうかを直接チェックしてみるのも一興でしょう。

また『ニーア』シリーズには別の展開もあり、iOS/Android向けに『ニーア リィンカーネーション』を配信予定。こちらも、詳細や配信時期はまだ明かされていませんが、実機プレイ動画が先日公開され、多くのユーザーから関心を集めました。


オバケのような存在を引き連れ、荘厳な建築物を駆け抜ける少女。『ニーア』シリーズらしさに満ちたBGMも魅力的で、実に興味深い映像となっています。

『ニーア』シリーズの幕開けから数えて10年が経過した今、新たな展開が続々と判明しています。その原点を見つめ直しながら、これからの『ニーア』にも注目しましょう。




《臥待 弦》
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