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『グラブル』5月古戦場では水属性でお馴染みのヴァルナがボスに─起源はインドの古い神、でも実は水属性じゃ収まらない?

『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』では、5月も19日から古戦場イベントがスタートしました。今回のボスは、水属性のSSR召喚石でお馴染みのヴァルナです。

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『グラブル』5月古戦場では水属性でお馴染みのヴァルナがボスに─起源はインドの古い神、でも実は水属性じゃ収まらない?
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『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』では、5月も19日から古戦場イベントがスタートしました。今回のボスは、水属性のSSR召喚石でお馴染みのヴァルナです。

ほか多数の召喚石と同じように、彼女も私たちの世界にモデルがあり、インド神話に登場しています。

『関連記事』
『グラブル』4月の古戦場イベント、ボスは土属性の星晶獣・キュベレー!どこかで聞いたことがありそうなこの名前、起源はギリシャ神話?
https://www.inside-games.jp/article/2019/04/23/121917.html

元は最高神の地位に。単なる水の神じゃない



実はヴァルナは元々、単に水を司る神というわけではありませんでした。インド神話が今のような形となるさらに前の時代、ヴァルナは司法の神として崇められており、最高神の1柱だったのです。現在は創世神・ブラフマー、守護神・ヴィシュヌ、破壊神・シヴァがいたポジションの1つを、ヴァルナが持っていたというわけですね。『グラブル』でも戦争開始時に「断罪の杖をここに」という台詞があり、戦闘中には「永遠の戒めを与えよう」や「裁きを受けよ」といった台詞、撃破時には「その力を持って潔白を証明するか」という台詞があります。いずれも司法神らしい言葉になりますね。

ですが歴史が進むにつれて、インドに様々な民族が住むようになります。その過程で様々な神話からの影響を受け、徐々に立場も変化していくことになりました。

水との関係もその中で強くなっていくことになりますが、最初から水との繋がりがなかった、というわけではありません。古代インドの聖典である「リグ・ヴェーダ」では、ヴァルナの拠点が水の中にあるとされています。
(*)ちなみに「リグ・ヴェーダ」では、ヴァルナではない水の神が登場します。アーバスという女神で、水そのものを象徴する神として描かれています。医療とも結びつけられた神ですが、あまり有名な存在ではありません。ただ水の神なだけあって当時からヴァルナとは関係があり、ヴァルナの部下ではあったようです。


水の神として扱われるようになったヴァルナは、世界三大叙事詩の1つである「マーバーラタ」にて海の主だと呼ばれるようになります。また、インドの河や湖に住んでいるとされる幻獣・マカラに乗って旅をしたとも。『グラブル』でもタコらしき生き物にヴァルナが乗っていますが、恐らくはマカラの影響を受けたものでしょう。

ヴァルナには安産のご利益が? 特殊技の元ネタ集


『グラブル』のヴァルナが使用する特殊技は、由来があるものがいくつかあります。その中には日本と関係のある言葉が使われていたりも。


それは通常時、あるいは特殊行動で使用してくる「水天陣」という技です。水天とはもともと仏教の言葉で、ヴァルナを指しています。日本の各地には水天宮という神社がありますが、その水天とは古代、ヴァルナのことでもありました。安産祈願で有名な神社で、福岡県や東京都、福島県などにあります。ご利益を得たいのであれば、今回の古戦場では罰が当らないよう注意した方がいい……かもしれません。

(*)ちなみに現在では明治時代の神仏分離により、水天宮ではアメノミナカヌシが祀られています。アメノミナカヌシは古事記において太古のヴァルナと同じく最高神の一角とされ、共通の要素を見ることが出来ます。

お次はオーバードライブ時に発動する「アパーム・ナパート」について。これは「リグ・ヴェーダ」に登場する神で、水の子、という意味があります。これはヴァルナというより火の神・アグニと繋がりが深く、その分身であるとされています。黄金の姿で光り輝く姿だったとか。

『グラブル』のヴァルナが使用するアパーム・ナパートは一見すると水で渦のようなものを作っている技ですが、その中央には光の筋も見えます。神話のアパーム・ナパートの姿を反映させて、そういった演出にしたのかもしれません。

3つ目の特殊技、「白蓮水衝」では、その演出からハスの花を確認することが出来ます。ハスはインド原産の花で、インド神話でも登場する象徴的な花です。インド神話の最高神であるシヴァ、ブラフマーは創世神であるヴィシュヌのヘソに咲いたハスの花から誕生したとされており、他にもヴィシュヌの妻・ラクシュミーはハスの花に座った姿で、ハスの花を持ち、ハスの花の衣装を着ています。

他にもハスは、泥水から生まれるという過程から仏教の象徴としても扱われています。泥、つまり欲に塗れた俗世間に生まれても、修行次第で美しく咲くことが出来る、という悟りへの道筋を示しているわけです。

また、「一蓮托生」という言葉の語源にも関わっています。極楽浄土に生まれ変わる時は蓮の上に転生するとされており、そこから同じ蓮の上に転生する、運命を共にする、という意味でこの言葉が生まれました。

『グラブル』のヴァルナでは毒もお馴染み。毒要素はどこ?



ここまで古戦場で戦うヴァルナと、その原典についてお話しましたが、召喚石の召喚時効果である毒の要素は、神話の中にも見つけることが出来ません。

では毒を敵に付与する能力は『グラブル』完全オリジナルなのか、というとそうでもなかったりします。

神話は代わって、ギリシャ神話。ホメロスが書いたとされる「オデュッセイア」にその元ネタがあります。主人公であるオデュッセウスは故郷に帰る途中にある島へ辿りつくのですが、そこにいる住民たちはハスの実を食べて生活する人々でした。彼らはオデュッセウスが島の調査に出した仲間たちを歓迎し、実をご馳走してくれます。

しかしそのハスの実にはとんでもない副作用があり、食べた者は実を食べること以外に一切関心を持たなくなってしまうのです。毒がまわった部下たちはオデュッセウスにもハスの実を勧めましたが、彼には故郷に帰るという目的がありました。その目的すら忘れてしまうハスの実を食べるわけにはいかず、オデュッセウスは部下を無理やり船に乗せて再び旅へ……というエピソードです。

先月から今月初めに行われたシナリオイベントでは、古戦場を批判?する敵キャラが出たばかり。古戦場を走っている間は、ハスの毒にやられないよう要注意ですね。



参考文献:『図解 水の神と精霊』(著:山北篤、出版社:新紀元社)、『海の神話』(著:朱鷺田祐介、出版社:新紀元社)、『世界の神々と神話の謎』(著:歴史雑学探究倶楽部、出版社:学研パブリッシング)、『お寺と神社 素朴な疑問が解ける本』(編集:博学こだわり倶楽部、出版社:河出書房新社)、『オデュッセイア』(著:ホメロス、訳注:呉茂一、出版社:グーテンベルク21)、『幻想動物辞典』(著:草野巧、出版社:新紀元社)、『女子のしあわせを引き寄せる神さまカタログ』(監修:戸部民夫、出版社:サンクチュアリ出版)
《8月》
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