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平成ゲームメモリアル第6回(前編)「平成終盤に輝いたゲームシーンとは?国内e-Sportsやバトロワゲームなど振り返る」

いよいよ最終回となる「平成ゲームメモリアル」第6回は、バトルロイヤルゲームの流行やe-Sportsの盛り上がり、VR/AR/MRゲーム、スイッチの発売など2015年ごろから現在までのゲームシーンを振り返る内容です。長すぎるから前後編にわけてしまうお腹いっぱいの最終回前編。

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■2015年から2016年の新世代機/PCで再評価された前世代のゲーム―ARゲームで現実との繋がりが生まれた



G.Suzuki 2015年には、『MGS V: TPP』がPS4/Xbox One/PS3/Xbox 360/PCでリリースされると共に小島秀夫監督がコナミを退社するという大きな変化が訪れました。またSteamへ目を向けて見ると、次々と国産タイトルがPCへと移植され、一部タイトルにはフレームレートや解像度が向上していたりとグレードアップされていました。

それだけではなく、PS4/Xbox One時代には前世代機からグラフィックなどパワーアップして移植されるリマスタータイトルが多くなったようにも感じました。みなさんは2015年辺りはどんなゲームをプレイしていましたか?

自分は『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』もPC版を買ってプレイしましたね!ハードなストーリー展開とゲームプレイが噛み合って非常に面白くて、1ヶ月ぐらいは夢中でやっていたようにも思えます。ただ、よく言われるように第2章は、カットされてしまったエピソード51「蠅の王国」も含めてじっくり丁寧に体験したかったですね。


SHINJI-coo-K ある意味で再評価のきざしといいますか、リマスターなんかはまさに「できなかったことができるようになった」典型と言えるのではないでしょうか。

G.Suzuki 例として挙げるなら『地球防衛軍4.1』や『アンチャーテッド コレクション』ではフルHD+60fps動作でよりゲームプレイを確認しやすくなりました。先の『The Last of Us Remasterd』ならスクリーンショットを撮影し、SNSへ投稿することで難しさや演出の良さを共有出来るようになった事が大きかったです。

グレードアップと言えば『GTA V』は外せませんね。PS4/Xbox One/PC版は1人称視点モードの追加とグラフィックなどが強化されてリリースされましたし。さらには自撮り機能や『GTA オンライン』での機能拡張も大きかったですね。


葛西祝 前回『Dear Esther』など、“ウォーキングシミュレーター”と呼ばれるジャンルで、2015年辺りはさらに進んだものを楽しんでいました。『Everybody's gone to rapture』や『The Begginer's Guide』など。最初期は実験的なジャンルでしたけど、どんどん物語の体験を洗練させていったことが面白かったですね。

SHINJI-coo-K 自分はその頃に遊んだゲームで印象深いのは『Her Story』(2015年リリース)ですね。これも実験的かつ物語、というかストーリーテリングに対して新しい手法で挑んでいて刺激を受けました。殺人の容疑がかかった女性の供述ビデオをデータベースで検索して事件の真相に迫る、という作品なのですがキャッチコピーが「Googleさえ使えれば誰にでも遊べる」というもので、シンプルかつ奥深いタイトルでした。


G.Suzuki自分は先に挙げたタイトル以外に『Goat Simulator』も遊んでいましたね!シミュレーターという名前が付きながらも、奇想天外なアクションや設定が盛り沢山で、時々発生するグリッチやマップに隠された意味深なロケーションを探すのが楽しかったです。2015年前後はインディーゲームとしても、先の『Everybody's gone to rapture』や『Her Story』を筆頭に、グラフィックやゲームシステムのアプローチが少し変わり始めた時期でしたね。

キーボード打海 なんだか全体的にアドベンチャー寄りですけど、自分は『ライフ イズ ストレンジ』(PC/2015年1月~)が一番印象に残ってます。かなりのテキスト量でしたが英語で読み進めて、EP4に入ったころから興奮やら感動やらで震えながらプレイしてました。

SHINJI-coo-K ああー!『ライフ イズ ストレンジ』は自分も同じくめちゃくちゃハマってて、当初は英語版をがんばって読み進めて遊んでいました。公式日本語化されたときは嬉しかったですね……!


キーボード打海 ちなみにこれは単に気持ち悪い話なので聞き流してもらっていいんですが、アートワークのマックスが自分が高校生のころ憧れてた女子に似ていて……なんなら発表時から震えてました。

SHINJI-coo-K マックスは普通にかわいいですよ!気持ち悪くないですよ!脱線しますが自分だったら『FF8』のリノアがフラれた彼女に似ててもだえながら『FF8』をプレイしてました……!

葛西祝 マジですか!SHINJI-coo-Kさん、まさかのゲームが現実の延長線上になってた!キーボード打海さんのリアル『ライフ イズ ストレンジ』の結末はどうなったんですか?

キーボード打海 完璧に脱線しますけど、高校生のころ、冴えないインターネットキッズながらもバンドをやってまして、その子を自分が出るライブに呼ぶことができたんですよね。高3の夏くらいだったかな……これは一世一代のアレだ!って思ったんですけど、彼氏を連れてやってきました。「~糸冬~」って感じでしたね。

G.Suzuki それはお辛い……

SHINJI-coo-K 今BGMがSyd Mattersの『Obstacles』(『ライフ イズ ストレンジ』メインテーマ曲)が掛かってる感じになってます……!「we were younger, we were younger」って流れてますよ!

キーボード打海 時間を戻してその女子に会わなかった人生を選択したい気もしますけど、この体験がなかったら『ライフ イズ ストレンジ』にビビッと来る可能性も減ってたので、いろいろですよね……人生……。


SHINJI-coo-K 人生……ッ!平成の最後に人生ッ!

いよいよ2015年くらいから説得力のあるドラマを描ける、心に訴えかける描写ができているゲームが本当に増えたなという印象ですね。

ゲームが映し出す“現実味”というか、現代劇かを問わず、世界のグラフィクスやサウンドなどの“ゲームとしての解像度”に対して、物語の伝え方がまだまだ手探りだったように思いますし、もちろんそれは今も手探りであるはずですが、2010年代後半からそれまでの様々な試行錯誤が実を結んだようにストーリーの説得力が増したと思います。


G.Suzuki 00年代後半の洋ゲーは、ストーリーやゲームプレイへ没入するための演出など「もう少し強く訴えかける事が出来るのではないか」と感じながらシングルキャンペーンなどをプレイしてきましたが、この2015年ぐらいになってプレイヤーに説得力を持って訴えかける演出が出来るようになったと感じますね。

キーボード打海 『Gone Home』以降、アドベンチャーゲームの仕組みや「ゲーム内で物語を読むこと」が拡張された印象があります。それ以前も近い手法はあったけど、より強まったかなと。

SHINJI-coo-K その「拡張」という表現が相応しい気がしますね。多様になって、『This War of Mine』のように明確なストーリーラインが存在しないゲームでも物語性を感じたり。


G.Suzuki 2016年には、かねてから開発が続けられていた、Oculus RiftとHTC Vive、そしてPlayStation VRが正式に発売されたことで、VRの時代が到来しましたね。

葛西祝 VRって90年代にもヘッドマウントディスプレイがちらほらありましたけど、こんなにカジュアルになるとは思ってませんでしたよ。その後もスマートフォンを利用したARのゲームが話題になったり、現実の延長線としてのビデオゲームというのが進みましたね。

G.Suzuki そうですね、ARと言えば『ポケモンGO』が2016年7月にリリースされた当初興味があってやってみたいのですが、自分の住んでいる市ではジムやポケストップが全然無くて、プレイするのに難しかったのが残念でした……。

葛西祝 『ポケモンGo』もリリース直後ってすごかったですね。普段の街を歩いていると「あきらかにこの人……『ポケモンGO』やってるな!」っていうのがすぐにわかる(笑)。リアルでポケモントレーナーたちが並んでいる光景がシュールでした。


G.Suzuki 確かに今でも隣町へ行くとそういう光景に出くわしますが、まさに「ゲームと現実が上手いこと掛け合わさった結果」なのだなと思いますね。外から見ていてもとても楽しそうですし。

SHINJI-coo-K ゲームは仮想の現実で、現実からの逃避先と見なされていた時代(連載第4回で触れたゲームバッシングであったり)があったと思うんですが、むしろゲームの方から現実にアプローチしている時代になっていますよね。前述のSNSでのシェアなり、ソーシャルゲームなり、現実に対するアプローチがある。

ゲームと生活は背反しないし、むしろ現実での生活の延長線として、ライフスタイルを拡張するものになっていると思います。『ポケモンGO』ではそういうことを感じました。実際に身体を動かせてなんの変哲もない公園へ出歩かせるなんて実はめっちゃすごいことですし。

葛西祝 背景としてはインターネットが浸透して、スマートフォンを誰でも持つようになって、デジタル環境がライフスタイルに浸透したことが大きいですね。そこに合わせて、ゲームも現実の延長線になったのかなと。

G.Suzuki ゲームプレイスタイルを現実にまで広げたARゲームと、仮想の世界へフルダイブするVRが同じ2016年に出ているというのが驚きですよね。さらにVRのHTC Viveは特に四肢をフル活用出来るルームスケールにまで広げましたから。

話が変わりますが、2015年と2016年は『シェンムー3』や『FF7リメイク』、『エースコンバット7』、『ストリートファイターV』、先の『人喰いの大鷲トリコ』などを含め続編や新展開が望まれていたタイトルが立て続けに発表されたり、リリースされたのが印象深いですね。


一方でフラットモニターで体感する『FF15』も、それまでのRPGのあり方やゲームプレイに対するアプローチが大きく変わったように感じました。オープンワールドのサブクエストも大切な思い出として残してくれて、仲間と旅をする行為自体に意味があるように感じました。さらにプロンプトのカメラで自動的に場面ショットを撮影してくれるというのも画期的です。

葛西祝 前にGame*Sparkでやった『FF15 』を振り返る座談会でも語ったことですが、いいところをサルベージしていけばもっとすごいゲームにできると思うんですよ。可能性があるゲームデザインが再検証されずに終わってしまうのがよくないので『ファイナルファンタジー16』ではその要素を取り込んで欲しいです。頼みますよ!スクウェア・エニックスさん!と願っています。

2016年は「もしかしたら完成しないんじゃないか」と思われていたタイトルが続けて発売された年でもありますね。上田文人氏の『人喰いの大鷲トリコ』も、かなり長い期間がかかった末に、発売されましたね。

キーボード打海 『トリコ』はもちろん『エースコンバット7』もそうでしたし、最近だと『ボーダーランズ』もなんですが、新しい情報を取り扱うメディアとしてもファンとしても「あの新作がいよいよ……!」という発表を目の当たりにすると熱い気持ちになります。

SHINJI-coo-K 近作で言えば2019年1月24日に発売された『KINGDOM HEARTS III』も待望されてようやく、って感じでしたよね。

G.Suzuki ナンバリングの前作発売から14年の歳月を経てリリースされたと思うとなかなか感慨深いですね。


《G.Suzuki》
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