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ユーザーコミュニティを形成し、ともにゲームを作る―『禍つヴァールハイト』坂尻Pが新規IPにかける想い

『禍つヴァールハイト』配信開始にともない、プロデューサーの坂尻一人氏にお話しをうかがいました。『ウルティマ オンライン』や『FF XI』といった、今の坂尻氏を作り上げた名作MMORPGの名前も飛び出しました。

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4月23日(火)より配信開始となるKLabGamesのスマートフォン向けモバイルオンラインRPG『禍つヴァールハイト』。『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』や『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』などの、他社IPを活用したタイトルで優れた実績を持つ同社が放つ、渾身のオリジナルタイトルにかける意気込みとは? 4月中旬に開催されたメディア向け先行体験会で坂尻一人(さかじりかずと)プロデューサーにお話をうかがいました。

――2017年の「東京ゲームショウ 2017」で正式発表された本作が、4月23日から配信となります。

坂尻いよいよリリースということで、私自身も楽しみにしています。本作は新規のオリジナルIPとなりますので、成功させるためにはゲームがよくできていることはもちろん、少しでも多くのみなさんにこのゲームのことを知っていただくことも大切です。そのため、番組の配信という形でみなさんとコミュニケーションを取りながら、事前にコミュニティを作り上げていくという形を取りました。


――制作の過程では、オリジナルIPならではの悲喜こもごももあったかと思います。

坂尻喜びという面では、オリジナルの作品を作るのはシンプルに楽しいですね。これは開発チーム一同、同じ想いだと思います、世界設定にしても、デザインにしても、ゲーム性にしても、なんでも自由にモノ作りができるというのはクリエイター冥利につきます。

一方で"悲"というわけではありませんが、そうして作ったゲームが自己満足できるだけのものになってしまっては意味がありませんし、さらに、基準となる原作がない以上、開発が"正しい方向"に進めているかという確信を得るのも難しい。そこで、本作ではクローズドでのユーザーテストを多めに実施しました。システムやバランス、UIはもちろん、シナリオも書いたら書きっぱなしにするのではなく、評価を参考に修正するべきところは適宜手を加えています。

――本作には実際の装備とは別に外見だけの装備を設定できる"見た目装備"システムがありますが、これも他社のIPだとなかなか思いきったものはできなさそうですよね。見た目装備専用のアイテムが単体で販売される予定などはあるのでしょうか?

坂尻もちろん考えていますが、課金によりすぎないよう、素材を集めて作成したり、特定の敵が一定確率でドロップしたりなど、ゲームを遊んでいただければ手に入るものも多数用意しています。

これだけでも延々と遊べそうな「見た目装備」システム

――個人的に、こういう着飾れるシステムが好きですので楽しみです! 本作は生田美和氏を起用されるなどストーリーにも力を入れておられます。物語に込めたテーマやコンセプトなどはあるのでしょうか。

坂尻本作の世界はとても過酷で、人類が今まさに滅びかけているという状況です。現代の若い方たちも状況は違えど同じようにそれぞれ背負っているものがあり、大変な思いをされておられると思います。そうした方たちに向けて、何か体験が重ねられる物をお届けできれば……とは意識しています。「過酷な世界でも、いっしょに生き抜いていこうよ」というメッセージを込めています。

――今後、メインストーリーが完結する(完結させる)見通しなどはありますか?

坂尻メインストーリーはリリース時点で第4章まで用意しており、話としては第8章でひと区切りを迎える予定です。ただ、そこで終わりというわけではなく、物語のトーンが画一化してしまわないように、展開を大きく変えたストーリーを考えています。リリース後の実装となりますが、"まがつくん"をメインにすえたサブストーリーも用意していたりします。メインストーリーに明確なエンディングがあるかどうかは、現時点ではまだナイショとさせてください。

また、せっかく「ヴァールハイト」という広大な世界を用意し、ゲームとしても大勢のほかのプレイヤーといっしょにプレイできる環境を設けていますので、プレイヤーのみなさんには、そうしたプレイ体験を通じて自分たちだけのストーリーを作ってもらえたらうれしいです。そういう意味では、エンディングはないとも言えるかもしれませんね。

機動兵団の広報部に所属する謎の生物・まがつくん。フルネームはマイケル・ガル=ガリ・ツァラトゥストラですが、作中では頭文字をつなげて「まがつくん」と呼ばれています

――毎年3月に開催される「AnimeJapan」に、2018年、2019年と2年続けて出展されておられます。アニメ化の進捗はその後いかがでしょうか?

坂尻一迅社様の「月刊COMIC-ZEROSUM(コミックゼロサム)」でもオフィシャルのコミカライズが決定していますし、本作はゲームにかぎらず、いろんな方にいろんな形で触れてもらいたいと考えています。発表させていただいたアニメ化もそのひとつということですね。もちろんプロジェクトは継続して進めていますよ。詳細に関しては、後日あらためてお知らせできればと思っています。

――楽しみにしています。ゲームの方に話を戻させていただきますが、本作は海外展開も視野に入れておられるのでしょうか。

坂尻海外展開は弊社の戦略のひとつとなっておりますので本作もそのつもりです。本作は「MMORPGをいかにスマートフォンに遊びやすく落とし込むか」というコンセプトで「モバイルオンラインRPG」というジャンル付けをしています。"日本のRPGの新たなIPを世界に届けていく"というスタンスで勝負をしていきたいと考えています。

――先ほど試遊をさせていただきましたが、目的地にオートで向かってくれたり、バトルもオートバトルがあったりと快適ですね。

坂尻レベル上げや素材集めはどうしても反復作業になってしまう面もありますので、そういうときはオートで気軽にこなしてもらえたらと思います。ただ、オートだけで強敵に勝てるようなものではないことはご理解ください。僕自身オンラインゲームが好きで、この業界に入るきっかけもMMORPGだったものですから、それだけで完結できてしまうのはゲームとしてどうなのだろう、という思いもありまして。

――本作にはウォーリア、ナイト、ハンター、ガンナー、プリースト、ウィザードという6種類のジョブがありますが、オススメのジョブはありますか?

坂尻プレイを始めてからすぐに何度でも変更できますので、気になるジョブを選んでもらって大丈夫です。「隊長が好きな声優さんだから」などの理由で選んでもらうのもいいと思います。プレイのしやすさで言うなら、最初はナイトかプリーストがいいかもしれませんね。

――試遊ではナイトで遊ばせていただきましたが、序盤で覚えられる防御アップのスキルが発動まで少し時間がかかるので、敵の攻撃を見てからではなく、攻撃しはじめる直前に使う必要があると感じました。かといってこのスキルを使わなければ勝てないということもなく、やりこみ甲斐があるバランスだなと。

坂尻そうですね。見てから対応するというよりは、「危険を察知して行動する」というような調整になっています。

――主人公が所属する機動兵団の隊長はどのキャラも個性的ですが、開発スタッフで人気の隊長はいますか?

坂尻一人のキャラにおいそれと肩入れはできませんが、女性スタッフにはユルゲンが人気ですね(笑)。プレイヤーのみなさんには、それぞれお気に入りの隊長や部隊を推してもらえればと思っています。

左が女性スタッフに人気なウィザード隊隊長のユルゲン。右のガンナー隊隊長ヤスミンはやまさき編集長イチオシ

――ところで、先ほど「業界に入ったきっかけがMMORPGだった」とおっしゃっていましたが、よろしければご経歴もおうかがいできますか?

坂尻かつてPCで『Ultima Online(ウルティマ オンライン)』をプレイして、「これがMMORPGというものなのか!」と大きな衝撃を受けたのが、私がこの道に進むきっかけでした。当時、ゲームマスターとしてよく知られた方の1人だったSage Sundiさん(*)とお会いする機会に恵まれ、自分がいかにこのゲームに衝撃を受けたかを語ったら気に入っていただけまして、その後、スクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社できることになりました。

そこでは『FINAL FANTASY XI』のイベントを考案するコミュニティプランナーに就いていました。『FF XI』はプライベートでも夢中になったゲームですので、『ヴァールハイト』でもそのエッセンスがあったりするんですよ。装備にパッシブスキルが付加されていて、ジョブのロールに紐付けられているところとかがそうですね。

(*)Sage Sundi:日本語で書くと「賢者サンディ」。『ウルティマ オンライン』のゲームマスターの一人。『ウルティマ』シリーズの生みの親であるリチャード・ギャリオット氏がかつて来日した際に通訳を務めた縁で、ギャリオット氏から付けられた名前なのだという。Sage Sundi氏はその後、スクウェア(現スクウェア・エニックス)に移籍して『FF XI』の制作、運営に携わった

――そうした名作MMORPGにさまざまな形で触れてきた坂尻氏が率いる開発チームが手がけたのが本作ということですね。それでは月並みですが、最後にひと言お願いいたします。

坂尻禍つヴァールハイト』は、番組の配信という形でみなさんとコミュニケーションを取りながらいっしょに作ってきたゲームだと思っています。その思いや姿勢は、これからも変わりません。ぜひ遊んでいただいて、忌憚のない感想を聞かせてください。喜びの声をいただければもちろんうれしいですが、ときには厳しいご意見も、僕らにとっては必要となるものです。これから先もみなさんといっしょに『禍つヴァールハイト』を育てて大きくしていって、3年、5年、10年と続けられればと思っていますので、よろしくお願いします!

(C)KLabGames
《蚩尤》

汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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