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ネットワークを活用したゲーム開発のパートナーでありたい―「Game Platform for Azure」が紡ぐエンターテイメントの未来

株式会社クラウドクリエイティブスタジオが提供する「Game Platform for Azure」。同社がこのサービスを通じて描こうとする未来とは? 日本マイクロソフトの増渕大輔氏を聞き手にお招きし、その経緯や狙いを語っていただきました。

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3月14日、株式会社クラウドクリエイティブスタジオ(以下、CCS)は日本マイクロソフト株式会社と「Cloud Solution Provider」プログラムのリセラー契約を締結。ゲーム業界に向けて、日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(以下、Azure)」を基盤とするゲーム開発のノウハウを「Game Platform for Azure」として提供していくことを発表しました。

同社がこのサービスで描くヴィジョン。果たしてそれは、どのようなものなのでしょうか。今回は、日本マイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト増渕大輔氏を聞き手に、CCSの秦泉寺章夫氏、小田洋平氏の3名で、その狙いを語っていただきました。

――日本マイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト・増渕大輔です。ゲームサーバーのテクニカル支援などを担当しています。本日はよろしくお願いします。

秦泉寺CCS代表取締役の秦泉寺章夫です。会社の経営をしつつ、プログラマーも兼任しています。

小田同社で制作部の部長をしております小田洋平です。シニアプログラマーとして「Azure」を使っており、マイクロソフトさんともやりとりをさせていただいています。

――まずは御社の紹介からお願いできますか。

小田社員は今、開発が26人ですね。増渕さんと初めてお会いしたのは、まだ社員が2人のころでした。

――そうでしたね。CCSさんは年ごとに社員が倍増する勢いで規模が大きくなっていますよね。

秦泉寺そのペースもこの辺でひと息かな?という感じです。おかげさまで新卒の応募者は大勢来てくれるのですが、小田が門番のように厳しく振るいにかけてしまうので……(笑)。

小田2019年度の新卒希望者は250人ほどでした。弊社としては「カルチャーが合うかどうか」が重要な採用基準です。若者は保守的になる必要はまったくないんですよ。とにかくアクティブに、さまざまなことにチャレンジする気概がある人がいいですね。

――CCSさんはここ1年半くらいで関わられているタイトルを矢継ぎ早にリリースされ、一気に存在感を発揮されてきました。

日本マイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト増渕大輔氏

小田3~4年ほど前にお受けした案件が相次いでリリースされました。スマートフォンゲームの『京刀のナユタ』、『トリプルモンスターズ』、『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』などのサーバー開発、および運用に携わらせていただいています。

――自社制作案件も、VRプラットフォーム「V-REVOLUTION」がありますね。

小田VRの楽しさをより多くの方に味わっていただくためのロケーションとして用意しました。また、「台北ゲームショウ2019」で、エアガンとVRの融合を目指したゲーム『Airsoft Shooter』も発表させていただきました。

――そういったVRゲームのプラットフォームやソフトを作るうえで、どういったところに気を付けておられますか。

秦泉寺VRゲームはHMDを装着するわけですから、周囲は見えなくなるわけですよね。だからこそ、自宅ではなく同じ場所に集まってみんなでわいわいしてもらえたらと思ったんです。

――先日、弊社でも「HoloLens2」を発表しましたが、こういったXRは最終的に「そのすごさは実際に体験して確かめてください」になってしまいがちなのが少しネックですね。

秦泉寺Airsoft Shooter』のコンセプトは「デジタルを使ってアナログを楽しむ」というものです。愛用のクラブやバットでゴルフや野球をするように、愛用のエアガンで楽しめるシューターをやりたいなと。残弾の管理やヒットの判定など、デジタルで判定できればより気軽で、より正確なものになりますので、そういった側面からも幅を広げられればと。

――なるほど。それでは創業のきっかけもおうかがいできますか。

秦泉寺僕はもともと株式会社SNKプレイモア(現・株式会社SNK)でプログラマーをしていました。そんな折、同社が中国でリリースするオンラインゲーム『拳皇世界』を手がける機会がありまして。『拳皇』は『THE KING OF FIGHTERS(以下『KOF』)』の中国表記で、『KOF』のキャラクターや世界観を用いたMMOでした。小田が新卒で入社してきたのはその頃です。意外と食らいついてくる根性があったので、会社を立ち上げるのでこないかと声をかけたのが始まりでした。

――その頃は、プログラミング言語は何を使われていましたか?

秦泉寺コンシューマーゲームですから、C++でしたね。

――ゲームエンジンなどもさまざまなものがあって、当時はフレームワークという名前の"秘伝のタレ"みたいなものがメーカー各社にあるような状況でしたね。C#を導入したきっかけは何でしたか?

秦泉寺C#って最初はあまり惹かれなかったんですよ。ランタイムが全然公開されていませんでしたしね。本格的に導入したのは、ゲームではなくサーバーの開発をし始めてからでした。C#、Azure、PHPと幅を広げていきました。

クラウドクリエイティブスタジオ代表取締役の秦泉寺章夫氏

――CCSさんに「Azure」を初めて使ったいただいたきっかけは、弊社がお付き合いしていたメーカーさんのゲームのサーバー構築にヘルプとして入っていただいたことでしたね。そのタイトルが採用しているゲームエンジンがまた別会社のもので、しかもその会社はその時点でもう存在していなかったという……。

当時はソーシャルゲームが一気に勃興した時期で、いろいろなところがソーシャルゲームに乗り込んできていましたが、得てしてそういうところはデータベースの設計はしないのにインフラの構築だけはするというところも多かったですね。


秦泉寺それがまたひと苦労でした。作業分担をもっときっちり分けさせてくれれば、もっとやりやすかったんですけどね。

――CCSさんは一見Web畑に見えますが、それを支える技術はコンシューマーゲームを手がけた経験の賜物でもあるというところがユニークであり、強みですよね。さて、いよいよ本題に入りますが、先日プレスリリースを発表されたマイクロソフトとのCloud Solution Providerとしての「Game Platform for Azure」の取り組みについておうかがいしていきます。

小田僕らがこれまでにソーシャルゲームの運営をして培ってきた「Azure」のノウハウを提供しようというものです。「Azure」の前には「Amazon Web Services」や「ニフティクラウド(現・ニフクラ」)などのクラウドコンピューティングサービスも使ってきましたが、どちらも自分たちでかなり手を入れないといけないんですよね。その点「Azure」は最初から使いやすくまとまっていると感じています。

ですが、少し込み入ったところに手を伸ばそうとすると、ブラックボックスのようによく分からないところも出てきがちです。そこで僕らがノウハウをご提供すれば、不具合やトラブルが起きたときに、すぐ原因が調べられるようになると思います。

――これまで「Azure」を使ってきて、もっとこうしてほしいというような改善点などはお持ちですか?

小田弊社はエンジニアにとって恵まれている環境だと思います。困ったときに疑問に答えていただけるホットラインがありますから。SR(修正プログラム集)を適用して終わりなのではなく、技術的な見解を得てまず何をすべきかを考えられるのは大きいです。ゲーム開発において「Azure」に関する疑問は誰に聴けばいいか……それが明確になれば、「Azure」はもっと広まっていくのではと思っています。

クラウドクリエイティブスタジオ制作部部長の小田洋平氏

――なるほど……「Game Platform for Azure」としてサービス展開していくにはいいタイミングなのかもしれません。オンライン要素を持つゲームの開発では、開発に必要となる膨大なデータを管理しつつ、複数のサーバーに散らして負荷を分散するデータベースが必要不可欠です。「Azure」では「Azure Cosmos DB」を採用していますが、ここへの期待値や研究状況はいかがですか?

小田いまやスマートフォンのゲームは、国内だけでなく海外にも展開する例が少なくありません。そんな中でお客様に満足してもらえるゲームを提供するためにベストなデータベースを考えたときに「Azure Cosmos DB」は確実に選択肢のひとつとなりますね。

――今はサーバーを構築するためにミドルウェアをインストールしなければなりませんが、将来的には、技術の発展でそういた事前準備がいらなくなる日もくるのではと思います。開発者の業界に関して、そうした将来の展望はどう見ておられますか?

秦泉寺今僕が感じているのは"モノを作れる人"が足りていないということです。サーバーを作ることはできても、中身を理解したうえでやっている人が少ない。とはいえ、全員が知っていなければいけないわけではないとも思っていますので、ソフトウェアの発展で補えるなら、それはそれでいいのかなと。

そこに深い知識を持っている人って、乱暴に言ってしまえば"変態"なんですよ(笑)。決して普通ではない。でも、なにかトラブルが起きたときにそうした人たちの手が必要になる現状は、今も変わりがありません。

――それはクラウド業界でも似たようなことが言われています。「クラウド環境が普及すればインフラエンジニアは不要になる」などという向きが一部で見られたりしますが、そのクラウドのデータセンターを構築するには、結局一流のインフラエンジニアがいなければならないという。


秦泉寺なるほど。弊社はその"変態"――言い換えるなら一芸特化のスペシャリストを作りたい会社ですので、他にはあまりいなくてもいいと思っているところもあります(笑)。「なんでもできます」という人より「ここには絶対の自信があります」という人を歓迎します。だから、弊社は「ゲームを作ります」とは決して言わないんですよ。強みを生かすために「分業してオンラインの環境整備に特化させてください」と言っています。

――昨年、『黒い砂漠』で知られる韓国のPearl Abyssさんをお訪ねしましたが、韓国のゲーム市場は欧米とは異なってMMO人気が根強いんです。だからか、そこのゲームデザイナーさんたちは脳がネットワーク化されているのではというくらい、ゲームデザインのコアな部分をネットワークありきでデザインするんですね。

私は、今の時代はネットワークをそのくらいゲームに組み込むべきだと考えています。そんなときCCSさんのようにサーバー開発・運用に特化した会社がいてくれれば、より多くのメーカーさんが新たなゲームにチャレンジできるのではないでしょうか。それでは最後にあらためて「Game Platform for Azure」を展開していくうえでの意気込みをいただけますか。


小田「Game Platform for Azure」を利用してくださる皆様にとって、少しでも満足度の高いサービスとして今後も展開できるように努めていきます。その過程で弊社もさまざまなチャレンジをして、エンターテイメントの未来につなげていければと考えています。そしてそこには、これからもマイクロソフトさんがパートナーとしていてくださるものと信じています。

秦泉寺エンターテイメントって、遊ぶ側はもちろん、作る側もその過程を楽しむくらいじゃないと本当の娯楽とは言えないと思うんです。もちろんしんどいことだってたくさんあります。でも悩んだあげくに、作る側にも楽しさが生まれるものであってほしい。サーバーの開発や保守など、ゲームのクリエイティブに直接関わらない悩みは弊社が取り除いてみせますので、お気軽にお声がけしていただければうれしいです。

Microsoft Azure公式サイト
3月14日、クラウドクリエイティブスタジオは日本マイクロソフトとのCloud Solution Providerプログラムのリセラー契約を締結し、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を採用したソーシャルゲーム業界の開発・運営向けのノウハウを「Game Platform for Azure」として提供すると発表しました。

◆Game Platform for Azureの全体図

◆Game Platform for Azureの詳細構成の一例(PaaS)

同社は本サービスを通じてソーシャルゲーム特有の負荷対策やさまざまなゲームの運営経験などを含むノウハウを惜しみなく提供。クライアントからの「Azure」に関する問い合わせや支払いの対応がすべてクラウドクリエイティブスタジオに集約されるため、多くのユーザーが満足するゲームの創出へ向けた、よりスマートなビジネスが実現できるとしています。また、今後の展望としてはゲームの枠を超えた「Azure」のソリューション提供も視野に入れており、ゲーム業界以外のクライアントにも柔軟に対応していくとのことです。

「Game Platform for Azure」の提供開始にともない、日本マイクロソフト執行役員 パートナー事業本部 パートナービジネス統括本部 統括本部長の金古毅氏からも「日本マイクロソフトは、クラウドクリエイティブスタジオ様との協業関係を通じて、お客様のさらなる企業価値向上、プレイヤーの満足度向上に貢献します」とコメントが寄せられています。
《蚩尤》
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