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『GOW』クレイトス、そして三浦カズなどの生きるレジェンド達が見せた「老いと成長」【特集】

2018年に高い評価を得た傑作『ゴッド・オブ・ウォー』。その主人公クレイトスの年老い方を身近なものだと考えるために、中年を迎えた様々な芸能人やアスリートと比較します。

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三浦知良



今日までの日本のサッカーをけん引した代表的な選手こそ、三浦知良選手でしょう。10代からブラジルのサッカーリーグに飛び込んで実力を積み、Jリーグで活躍した以降もイタリアのセリエAをはじめとした海外リーグに出場するなど華々しい実績を残しました。現在のサッカー選手が歩むキャリアを先行していたひとりと言えます。

そんな三浦氏のキャリアで今でも語られるのは、高い実績があったにもかかわらず1998年のフランス・ワールドカップにて、日本代表選手に選ばれなかったことではないでしょうか。

1993年のワールドカップ予選にて、イラクにロスタイムで同点をゴールされることで本戦の出場を逃す、“ドーハの悲劇”を経験。その後、高いモチベーションでフランス大会に臨んだことは知られています。にもかかわらず、当時の岡田監督が行った采配で、代表選手から外されてしまいます。

大きな目標を達成する目前で駄目になってしまうタイミングで、三浦氏の全盛期が過ぎ始めたことは痛々しく映っていました。しかし三浦氏はその後もフットサルに参戦したり、Jリーグにて現役を続けています。

50代を迎えた現在も試合に出場し、世界最年長の現役選手としてゴールを決めたことでギネス記録にも残る活躍をしています。還暦を迎えるまで現役を続けるとも言われており、どのような結果であろうとも揺るがない姿は理想的な老い方ではないでしょうか。

葛西紀明



1998年の長野で行われた冬季オリンピックでは、スキージャンプの日本代表として原田雅彦氏と船木和喜氏らが活躍し、メダルを獲得しました。特にスキージャンプ団体にて、原田氏が号泣したシーンは記憶に残っているのではないでしょうか。

この時、葛西紀明選手も個人で出場。結果は7位に終わり、原田氏や船木氏の影に隠れる形となっていました。このようにスキージャンプが日本で注目された時期、大会によっては怪我で出場メンバーから外れてしまうなど、不遇な立場でした。

しかし葛西氏の場合、年齢を重ねるごとにその実績を上げていきます。独特のスキージャンプのスタイルの確立や、断食を行うことで減量するなどストイックな姿勢を貫くことで、スキージャンプ界で前例のない30代後半を越えて活躍を見せていきました。

実に7度のオリンピックを経験し、そして2014年のソチオリンピックにて、ついにラージヒル個人で銀メダルを獲得します。若い時期に不遇な立場を経験し、老いていく中でむしろそれを覆していく執念を見せるという、類まれな生き方をしています。

花田光司(元貴乃花親方)



花田氏は現役時代、平成の相撲ブームを巻き起こした人物でした。少年時代より才能を見せ、入幕するやいなや、兄の若花田(現・花田虎上氏)とともに若貴フィーバーを生み出します。

その後も当時の横綱である曙を退けるなどの活躍を見せ、22歳には横綱に昇進。2003年に現役を引退するまで、「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!おめでとう!」と小泉元首相に称賛をされるほどの逆転優勝を飾るなど、華々しい実績を積み上げていきました。

花田氏の真摯な大相撲への姿勢は、引退後の相撲協会との関わりかたでも貫かれます。既存の相撲協会へ異議を申し立てる姿勢を見せたのです。特に2010年代を過ぎてからの大相撲界は、八百長問題、新弟子の暴行問題など大スキャンダルが立て続けに噴出したこともあり、協会がそれらを隠す動きを見せたのに対して花田氏の姿勢に共感が集まっていました。

花田氏の一連の行動は、硬直化した大相撲界を変えたいという意図があったのでしょう。しかし相撲協会理事長選で落選。協会内で孤立化したと言われています。今年には相撲協会からの退職が発表され、大相撲界の改革は志半ばにして挫折しました。

現役時代から才能に恵まれ、相撲に対して高い理想を掲げた花田氏の老いは、これからどのように進むのかはわかりません。花田氏がこれからどのように生きていくのかが現在問われていると言えるでしょう。

改めてクレイトスの姿を見ると……



こうした現実の老いから、あらためて新生『ゴッド・オブ・ウォー』でのクレイトスの姿を振り返ってみましょう。

彼の逞しい腕には、手首から肘のあたりまで包帯のようなものが巻かれていますが、これはスポーツ等で受ける傷害を治療・または予防するテーピングの一種のように見えます。そして、これまでは白い脚を露出させる短パンのようなものを履いていましたが、今作では脚を覆い隠すようにズボンを履いており、さらにショルダーパッドも装着しています。まるで衰えた肉体を補強するかのようです(あくまで推察に過ぎませんが)。

このクレイトスの姿から、現役を引退してもなおセカンドキャリアとしてスポーツに取り組もうとするアスリートを彷彿とさせるではありませんか。息子との会話の端々にクレイトスの老いを感じるところがありましたが、外見にもそれが表れている気がしてなりません。



さて、黄金時代が過ぎ去った後も人生は続きます。ふつう、ビデオゲームでキャラクターが年を重ねることはありません。いつまでも黄金時代の姿で構わないはずです。しかし『ゴッド・オブ・ウォー』に限ってはそうではありません。私たちが普段目にするアスリートや芸能人たちが黄金時代を過ぎ去ったあとの生き方を見せているように、ビデオゲームにてそれを体験できるのです。
《葛西 祝》
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