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ゲームはどうして面白いの? それは現実で味わえないの?─感覚的な“当たり前”を改めて振り返ってみた【コラム】

コンピュータゲーム業界は、様々な進化を遂げ、現在の発展へと至りました。これまでの歩みを振り返ると、ファミリーコンピュータやゲームウォッチを思い出す方も多いでしょうが、これらはいずれも1980年代に登場。その発端は、更に遡る形となります。

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◆「できないことができる!」現実を超える体験がここに


PS4のCMは、ゲームが持つ魅力を端的に表現しています

「できないことが、できるって、最高だ」は、皆さんご存じの通り、PlayStation 4のCMで使われているキャッチコピー。この言葉はまさに、ゲームが持つ魅力の一端を的確に表しています。

人間は、飛行機で空を飛び、車や電車で地上を素早く移動できます。しかし生身だけでは、地面から数メートル離れるのも至難の技ですし、100メートルを9秒台で走るのが人類の限界です。

ですがゲームならば、生身のまま空を飛ぶことも、驚くような速さで地上を疾走することも可能。身体能力だけではなく、世界を救うヒーローになることもできますし、ビルや街を容赦なく破壊し尽くすことも行えます。また、ファンタジー世界で冒険をしたり、宇宙を渡り未開の惑星を探険することだって、本体とゲーム、そしてコントローラだけで体験できるのです。

現実とは異なる世界で、人間離れした力を振るうことができるのも、ゲームならでは

科学が発展すれば、例に挙げたいくつかは実現可能になるかもしれません。しかしその時のゲームは、これまで以上に様々な体験を味わえるデバイスとなっていることでしょう。人が想像力を持つ限り、現実に先んじて“できないことができる”を、この小さな箱が楽しませてくれます。

ちなみに、例えば「プロサッカー選手になる」や「オリンピックで金メダルを穫る」といった、現実世界の誰かは実現しているけど一個人レベルではかなり難しいものも、ゲームでは多くの方が体験できます。“できないこと”だけでなく、“できなくはないけど実際問題難しいこと”もゲームという形で楽しめるのは、やはり魅力のひとつと言えるでしょう。

◆ゲームには“ご褒美”や“お得”が満載!


これまでのアクションゲームになかった超スピードを「ソニック」が実現

多くのゲームは、プレイすることで“得”を感じられるように出来ています。といっても、ここで言う“得”は、儲かったり割引してもらえるなどの金銭的な意味ではなく、感覚や体感などの話になります。

例えば、アクションゲームの名作として知られている『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。ちょっとした操作を行うだけで、目にも止まらぬ高速アクションが飛び出し、これまでになかった新たな刺激を提供し話題となりました。

高速アクションをすると、「なんかすごいプレイをしてるぞ自分!」という気持ちにさせてくれます

高速アクションを上手く攻略に盛り込むには一定のテクニックも必要ですが、高速アクションそのものは簡単に出すことができます。この“ちょっとした操作”だけで、“高速アクション”という大きな快感が得られるのは、非常にお得な交換と言えます。前述の“負荷と開放”に似ている面もありますが、こちらは「小さな労力が大きなリターンになる」と考えていただければ、性質の違いが分かりやすいかと思います。

ボタンひとつで空を駆けめぐる『GRAVITY DAZE』シリーズ。あらゆる方向に“落ちる”という感覚も斬新で刺激的でした

この“お得な交換”を採用しているゲームも多く、『GRAVITY DAZE』シリーズのように操作が斬新な体験に繋がるものもありますし、武器をひと振りするだけで何人もの敵を倒せる『無双』シリーズも“得”の大きさを感じられます。また、“まるでそこにいるような感覚”が手軽に味わえるVRゲームも、お得度の高い新ジャンルかもしれません。

現実世界では、支払う労力とそれに対するリターンはある程度釣り合いが取れており、むしろそれが崩壊すると市場の混乱などを招く場合もあります。その点で考えると、弊害なく“お得”を楽しめるのもゲームの長所と言えそうです。

女の子のこんな“表情”が見られるのも、ゲームならでは・・・かも!?

また、“お得”に近い話で言えば、ゲームは“ご褒美”が明確なのも特徴的です。大きいところで言えば、ゲームクリアは大きなご褒美のひとつ。また、要所要所で分かりやすいご褒美が用意されているゲームも数多くあります。

服が多少破けても、彼女たちの戦いは止まりません!

例えば、脱衣麻雀は“ご褒美”と直結しているゲームと断言しても過言ではありません。また、戦闘中にダメージを受けたり与えることで衣服が破れてしまう『閃乱カグラ』シリーズも、“ご褒美”が随所に盛り込まれていると言えるでしょう。ただゲームを進めているだけ“ご褒美”がもらえるなんて、夢のような話かもしれません。

次ページ:物語との関わり方や、幅広い楽しさもゲームの魅力
《臥待 弦》
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