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鎖に繋がれた美しき少女と共に世界に色と音を取り戻せ!VRステージクリア型謎解きゲーム『VoxEl』体験レポート

“VR元年”と呼ばれた2016年以来、VR対応ゲームが続々と発売されるようになりました。しかし、まだ馴染みのないという読者の方もいるのではないでしょうか。

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鎖に繋がれた美しき少女と共に世界に色と音を取り戻せ!VRステージクリア型謎解きゲーム『VoxEl』体験レポート
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“VR元年”と呼ばれた2016年以来、VR対応ゲームが続々と発売されるようになりました。しかし、まだ馴染みのないという読者の方もいるのではないでしょうか。


実はVR対応ゲームは未プレイだった筆者ですが、DeNAが開発中のVR専用ステージクリア型謎解き&バトルゲーム『VoxEl(ボクセル)』を体験してきました。プレイヤーは色と音を奪われた世界で、足を鎖でつながれた不思議な少女「エル」と共にステージごとのギミックを解き明かし、たどり着いた先に現れる敵に対してギミックを利用して戦います。

同作は4月4日から8日にかけてフランスで開催された20回目となるAR/VRをテーマにした世界最大級の展示会「LAVAL VIRTUAL」に出展。子どもから大人まで200人以上が体験し、「VR技術をうまく活用したゲーム性が、革新的で面白い」「VRゲームとしてのグラフィックが良い」など好評を博しました。

写真はプレイ中のイメージ。被写体はインサイド編集長

テストプレイでうかがったのは、本作の共同開発をしている東京都新宿にオフィスを構えるあまた。スタジオに入ると、さっそくPCにつないだVRヘッドセット、VRゴーグルを装着し、片手で操作できるコントローラーを手に持ってゲームスタートです。

■扉を開けるとそこには足を鎖で繋がれた美しき少女がいた



『VoxEl』ヒロインのエル

目の前の扉を開けると、牢屋を思わせる暗い部屋で足を鎖につながれた少女と出会います。物語の始まりを告げる「ボーイミーツガール」は定番ですが、牢獄のような場所で鎖につながれた美少女エルには驚きました。輝く銀髪にサファイアの瞳、陶器のように白い肌のエルは、肩や胸元があらわになった白フリルのついた黒いドレスを纏(まと)い、黒タイツに赤のソールが入った黒ハイヒールを履いています。ゴシック・ドレスを完璧に着こなす少女が本当に目の前にいるようで…というか近い、近すぎて照れる!


今後は日本の声優による収録や日本語字幕も予定していますが、現時点でエルの音声は英語のみ。英語は「ハロー」くらいしか分からない筆者なので言語による意思疎通は全くできなかったのですが、エルの瞳や表情のしぐさ、リアクションだけで、「待ってた!」「来てくれて嬉しい!」がバッチリ伝わって来ました。良く分からないけど待たせたな!

エルが一通り話し終わったので、ようやく落ち着いて周りを見渡しています。360度対応のため、上下左右を見渡しても世界が途切れません。目の前のエルや壁の質感がリアルで本当にゲームの世界に入り込んだような没入感が素晴らしい。


プレイヤーはエルによって現実世界から魂だけが呼び出された状態。こちらの世界では色と音が奪われており、エルと一緒に取り戻していくことになるのですが、エルは大きな石に鎖で足を繋がれて身動きができません。ただし、プレイヤーは重力を操ることでエルの石を持ち上げ、エルはそれに乗って移動することができます。
エルに導かれるまま、部屋にあった文様が入った台座に座らせると、エルが歌い出してまばゆい光に包まれ、世界が切り替わります。

■360度どこから見てもエルが可愛い



現実世界でプレイヤーが持つコントローラーも、VR世界ではカッコいいワンドに様変わり

次に移動したのは中世時代を思わせる灰色のレンガで積み上げられた空間。ここからの脱出が最初の目標です。プレイヤーとエルを覆う壁や扉、見上げる空の曇り具合、木々の枝一つまで作り込まれていて質感がリアルの一言。灰色なのが惜しいと感じる鮮明さで幻想的な雰囲気をかもし出しています。ステージごとに色を取り戻して行くので、色を取り戻したフィールドを見るのが楽しみです。

プレイヤーがゲーム世界でできるのは、「重力を操り、物を動かすこと」「自然のエネルギーであるエレメントを吸収し、放つこと」の2つ。片手で持つコントローラーのパッドを親指でさわり、進む方向を指定してテレポーテーションで移動します。人差し指はトリガーボタンを操作して、エルがつながれた石を持ち上げたり、フィールドに隠されたエレメンタルキューブから自然エネルギーを吸収して放つ事が可能。


エレメンタルキューブは火・水・風・土といった属性ごとのエネルギーを宿していて、例えば、吸い込んだ火エネルギーをフィールドの動力炉に放つと扉を開けるしかけが作動したり、風エネルギーを風車に放って動かしたりと、様々なギミックを作動させることができます。つまり、ステージ内に隠されたギミックを見つけて作動させないと先に進めません。

ただし、操作自体は2つのボタンのみであり、一つひとつのギミックはシンプルなものであるため、あまりVRになじみがなくても、子どもから大人までストレスなくゲームの進行ができると思います。子どもは発想が柔軟なので、どんどん謎を解いていきそう。


プレイヤーは魂だけの存在であるため、この世界の物に直接触れることができません。重力を操作して物を持ち上げたり、自然エネルギーを操ることはできても、ギミックのレバーを下げるといった作業はエルが担当。その都度、エルを近くまで運んであげる必要があります。360度のVR世界、それはエルを360度あらゆる方向から見ることができるということ。それこそ、エルを真上に持ち上げれば…残念、移動する時は石に乗っているんだった!

■ハラハラドキドキのギミックが満載



ギミックを解き明かすと出現する台座にエルを運ぶ

それぞれのギミックの謎を解き明かすまで試行錯誤が必要でしたが、順調にステージを進んで行きます。持ち上げられるものは紫色、自然エネルギーと連動するギミックは同じ色をワンドが放つので、ヒントとして分かりやすいです。途中から谷に隔たれた場所にさしかかるのですが、こちらでもギミックを解き明かして、エルを運んで行きます。谷底にエルを落としてしまうとその時点でゲームオーバーです。


少女を落とすなんて男として許されないかもしれません。ただし、エルを運ぶときの力加減は自分の思うようにできるので、乱雑に扱おうが、エスコートするように優しく扱おうが、プレイヤーのさじ加減次第。言わせてもらえば、「落ちそうになるエルが石にしがみつく姿もかわいかった」でしょうか…悪魔が耳元で囁いてるな。


なんとかギミックを解き明かして谷を超えると、隔絶された倉庫のような場所に繋がっていました。このエリアで一番難しいギミックになっているため、ちょっと時間がかかりましたが無事に解き明かして先に進むと、突然、部屋が大きく揺れ動きます。すると、この世界に流れた年月を感じさせる巨大なボスが出現。本当に目の前で動き出したものだから、とっさに本体(筆者)も逃げてしまった。

ステージのボス。巨大すぎる

■ギミックを利用してボスを倒せ!



押し寄せる絶望感

ボス出現時に、重力操作や自然エネルギーを直接使った戦いを想定していた筆者ですが、あくまでもこのゲームは「謎解き」がメイン。ステージに仕掛けられたギミックを使ってボスを倒すことが求められます。ただし、今度はボスが迫り来るのと、プレイヤーが使うワンドの機能を一時的に停止させるエネルギー波を撃ってきます。これも反射的に避けてしまいましたが、回避は不可能のもよう。ワンドを激しく振ることで働きを取り戻します。

エルを吸い込もうとするボス

そして、ボスの本当の狙いはエル。彼女が吸い込まれたらゲームオーバーなので、重力を操ってエルを引っ張り返さないといけません。ステージを見渡してボスを倒せるギミックの謎を解くのと、いつ吸い込まれるか分からないエルを救うのとを両立させる必要に、筆者も少しテンパってしまいました。

ゲーム世界は緊迫した状況であっても、現実に戻るととても静か。VR世界の没入感がすごい。インサイド編集長もニッコリ


執拗にエルを狙うボス。つまりは、エルを囮にして敵を誘導して時間を稼ぎつつ、ギミックを発動させるわけです。エルは守られるだけの少女じゃなかった。今エリア最後の山場に移動し、知恵を巡らせてボスを倒せるギミックを解き明かします。エルが吸収されても、谷底に落としても、ゲームオーバーと状況はより追い込まれているのですが。

色を取り戻したフィールドのグラフィックが美しくて、スクショしたくなる

見事に謎を解き明かしてボスを倒すことができれば、世界に再び色と音が戻ってきます。エルが「やったね!」というような眩い笑顔で微笑んでくれました。この笑顔を見られて頑張って良かった。あっ!すっかり時間を忘れていましたが、現実世界に戻ると40分ほどが経過していました。「LAVAL VIRTUAL」で200人以上がプレイした際の平均クリア時間は約30分とのこと。頭の固い筆者は少し時間がかかってしまいましたが、それだけエルと長くいられたのだから良しとしましょう。

■プロデューサー兼ゲームデザイナー、サウンドクリエーター・永田峰弘氏とディレクター・渡邊哲也氏にインタビュー



プレイ後、開発を担当したDeNAのプロデューサー・永田峰弘氏(ゲームデザイナー、サンドクリエーターも兼任)(以下、永田)と、あまたのディレクター・渡邊哲也氏(以下、渡邊)に同作についてお聞きしました。

DeNA永田峰弘氏(写真右)と、あまた渡邊哲也氏(写真左)

ーー同作はエルが本当に魅力的なのですが、中でも個人的にハイヒールが好きです。デザインではどのような点を大切にしていますか?

永田
VRでは様々な角度で見ることができるので、デザイナー、モデラーの方にはどのような角度でも違和感がなく、可愛く見えるように考慮してもらいました。エルのハイヒールのソールを赤にしたのもポイントで、モノトーンで色調を統一しているエルを持ち上げた時の見え方に華を添えていると思います。

ーー「LAVAL VIRTUAL」に出展していますが、エルのデザインについて現地での反応はいかがでしたか?

渡邊
ブースを訪れた海外の方からは、「日本のキャラクターだ!」「日本っぽい」という声を多く聞きました。エルの露出度もちょうどいいくらいで嫌悪感も持たれず、日本の会社が作ったと分かるキャラクターデザインにできたと思います。

永田
そこも含めて良いバランスにできたと思っています。最初から世界配信を意識していましたが、完全に海外に向けたデザインにしてしまうと日本的な色がなくなってしまので、自分たちの個性を活かして海外で勝負することを意識して、その上で自分達も楽しめるデザインを追求しています。

ーーステージデザインはどのように考えられたのですか?

永田
ビジュアルに関しては色と音を奪われた世界というコンセプトに沿って、世界観も現実世界の何世紀くらいがモデルで、でもこういう文化的な発展があったという設定を含めたイメージを伝えてデザインしてもらいました。今はまだプロトタイプのステージしかありませんが、ステージは今後どんどん作って行きたいと考えています。

ーーギミックに関してはどのように考えられたのですか?

渡邊
ギミックに関しては自分が中心となって、最初の基本デザインを作りました。実際にVR空間内で見える角度や、どこに何を置くかが非常に重要になるので、開発ツールでモックアップ(模型)を作って、皆で意見を出し合ってどんどんブラッシュアップしていきました。

永田
完全に決め打ちで作ったと言うよりは、作っては壊しを繰り返してもらって、それに対して皆でレビューをしていくという流れですね。

ーーエルのリアクションがすごくリアルだと感じました。どのように作られたのですか?

永田
コンシューマー出身で、キャラクターの動きを細部まで追求して作ってくれるアニメーターがメンバーに加わったのが大きいと思います。その方がアニメーションの作成をものすごく丁寧にやってくれました。落ちそうになるエルが石にしがみつくパターンだけでもすごくバリエーションがあります。その辺もじっくり見て頂けると良いなと思います。

ーーギミックの動きとエルの動きは別々に作られたと思いますが、どのようにマッチングさせていったのですか?

渡邊
エルのアニメーションは仮当てにして先にギミックを完成させ、その動きに合わせて実際のモーションを付けてもらいました。例えば、レバーをガチャンと下げるアクションがありますが、それを見て先ほどのアニメーターが「エルだったら全身で乗っかってやったほうが面白いんじゃないか」と、キャラの性格も含めてアニメーション付けをやっていく形です。もちろん、動くエルを見ているプレイヤーが酔わないような配慮もしています。

ーーここまで開発にどれくらい時間がかかったのでしょうか?

永田
こういう感じのゲームデザインで行くというのを確かめるためプリプロトにだいたい4ヵ月、その後にショウプレイアブル版(現在の体験版)の製作に5ヵ月くらいかけています。SE(効果音)と曲も僕が一人でコツコツ作りました(笑)

ーー発売の目処はどれくらいでしょうか?

永田
現時点では決まっていないんですよ。どういう展開の仕方が今後のVR市場に対して最適かを調査しながら進めて行く形になります。今はできるだけ多くの方にプレイして頂くフェーズ。ただ、今後こういうステージを作ろう、だいたいこれくらいのボリュームでやろうといった話は始めているところなので、目処が立った時点で完全にスタートします。

ーー直近で出展する予定のイベントはありますか?

永田
まだ日本で一般に向けて開放はしていないので、ゲーム関連やVRのイベントにどんどん出して行こうと計画しています。その時にはまた何らかの形でお知らせできると思うので、楽しみに待っていてください。

ーーそこで遊べることに期待ということですね。ありがとうございました!

エルが可愛い
《乃木章》

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