――本作は100%無料という新しい試みに挑んでいますが、どういった意図があったのでしょうか。
Raoul Barbet氏(以下、Barbet):おっしゃる通り、新しいアプローチだと思います。スクウェア・エニックスとDONTNODが相談しあった結果、無料で配信できることになってとても嬉しいです。クリエイターとして多くの人々にプレイしてもらえるのは大切ですしね。そして『ライフ イズ ストレンジ』を知らない方にとっても、この機会に作品がどんなものか知ってもらえるのは良いアプローチだと思います。今作は完全なスタンドアローンタイトルで、プレイボリュームがおよそ1時間から2時間なので、『ライフ イズ ストレンジ』というフランチャイズを知っていただきたいですね。
――本作は『ライフ イズ ストレンジ』のときに使用していたUnreal Engine 3からUnreal Engine 4に移行しましたが、表現力など、ここを見てくれという点はありますか。
Barbet:『ライフ イズ ストレンジ』を発売したあと、改善すべき点はいくつかありました。Unreal Engine 4では、表情の変化やボディアニメーション、環境エフェクト、シネマトグラフィ、深度などが進化したので、そういった面は向上していると思います。ただ、アーティスティックな面で『ライフ イズ ストレンジ』をどう見せるのかという点についてはテイストは同じです。
――本作のタイトル名には"ライフ イズ ストレンジ"というワード自体が入っていませんが、デモの冒頭を見たときに思ったのはすごい『ライフ イズ ストレンジ』だな、というところでした。らしさみたいなものを忘れないための秘訣や心がけていることはありますか。
Barbet:『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは本作と『2』も含めて僕と、Michel(Michel Koch氏)がディレクターをやっているんだけど、言葉にできないし、自分たちにもわかりません。僕たちは『ライフ イズ ストレンジ』の遺伝子って言ってますけど。脚本も含め開発陣全員も『ライフ イズ ストレンジ』らしさを意識しなくても、らしさが出ていると思います。大切だと思っているのはシネマトグラフィやカメラワーク、物語のペース、音楽のチョイスなどですね。
――『ライフ イズ ストレンジ』は時をさかのぼる特殊能力が登場していましたが、本作では、スーパーパワーだと思っても、その種明かしをしっかりしていますよね。ズバリ超自然的な能力は本作に存在するのでしょうか。
Barbet:本作に登場する「能力」という意味で言うと、それはクリスの「想像力」になります。『ライフ イズ ストレンジ』というゲームは、とてもリアルな世界に時間を巻き戻すという超自然的な能力が付け加えられていますが、『The Awesome Adventures of Captain Spirit』にそういった超自然的なものがあるかどうかは、プレイして確かめてみてください。
――本作の主人公クリスは、『ライフ イズ ストレンジ』と同じユニバースのキャラクターではありつつも、シリーズ作品には一切出てこないキャラクターでした。本作で新たな世界観を打ち出そうとした理由はありますか。
Barbet:『The Awesome Adventures of Captain Spirit』は、『ライフ イズ ストレンジ』と同じユニバースなので、完全新作というわけではありません。僕がクリエイターとして皆さんに伝えたいことがあるので、マックスとクロエではないけど、『ライフ イズ ストレンジ』らしさを維持した新しいテーマを基にしたキャラクターや脚本を作るのは自然なことだと思います。
――それでは最後に、『ライフ イズ ストレンジ 2』についてですが、続編でもクロエやマックスのお話になるのでしょうか。
Barbet:まだ『2』についてはお話ができないんですが、おそらく数か月後には『2』の詳細も徐々に出していくと思うので、楽しみにしていてください。
今回、日本のメディアに来ていただいて嬉しく思っています。フランスはアニメ文化が根強くて、少年時代に体験したアニメやマンガの要素が『The Awesome Adventures of Captain Spirit』には詰め込まれています。オマージュもあるので、日本の皆さんにも感じ取っていただければ幸いです。
『The Awesome Adventures of Captain Spirit』は、2018年6月26日よりXbox One/PS4/Steamにて無料配信予定。現時点で日本展開は未定です。
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