1998年1月22日に、セガサターンソフト『センチメンタルグラフティ』が発売されました。発売前から大きな注目を集めていた本作を、今も色濃く覚えているゲームファンは多いことでしょう。
ゲームにおける「美少女キャラ」の活躍は、黎明期から既に始まっており、マイコン時代にもその先駆けを見ることができます。今も『キング オブ ファイターズ』シリーズなどで活躍している「アテナ」のアーケードゲームや、ファミコンソフト『マドゥーラの翼』といった作品も有名です。
ですが、美少女との恋愛を描くゲームが一大ブームとなったのは、『ときめきメモリアル』から。『ときメモ』のヒットはシリーズ展開のみならず、多数の恋愛SLGや恋愛ADVを生み出すきっかけとなりました。その大きな流れの一端で、ひときわ存在感を放っていたのが、『センチメンタルグラフティ』です。
『センチメンタルグラフティ』の物語は、これまで日本各地で転校を繰り返してきた主人公の元に、差出人不明の手紙が届くことで幕開け。この手紙の送り主を探すため、かつて出会った12人の女の子と再会し、彼女たちとの関係を深めていくという流れになります。
本作において特に印象的だった点のひとつは、入念なメディア展開です。当時もメディアミックスを行う作品はありましたが、『センチメンタルグラフティ』もかなり力を入れており、小説を含めた雑誌展開やラジオ放送を発売前から行い、その認知度を広げます。
また、『センチメンタルグラフティ』より一足先に、限定生産として『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』をリリースしたのも、珍しい展開のひとつ。『ファーストウィンドウ』はキャラクタービジュアルなどを納めた、いわば予告編やファンディスクのような内容でしたが、ほとんどの店舗であっという間に完売。当時の市場ではプレミア価格となり、注目度の高さを改めて知らしめる形となりました。
甲斐智久氏が生み出した美少女たちはいずれも魅力的で、どのような物語が展開するのかと、多くのユーザーが期待を寄せていました。当初の予定から延期こそしましたが、1998年1月に無事発売を迎え、そこから更にTVアニメの放送や続編なども展開。発売後も様々な形で話題となり、記憶に残る一作となりました。
現在、プレイステーションソフトのアーカイブス版が、PS Storeにて配信中。PS3やPSP、PS Vitaなどでプレイできるので、もう一度遊びたい方や、美少女ゲーム史に残る一作に触れてみたい人は、そちらが最も手頃と言えるでしょう。ただし、日本全国を舞台としていますが、方言要素はほとんどありません。個人的には、その点が非常に残念です。
(C)GungHo Online Entertainment,Inc.
※画像はプレイステーション版のものです。
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