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【特集】初代PS迷作料理ゲームを比較レビュー…究極の『チャルメラ』VS至高の『ラーメン橋』

ソニー PS

【特集】初代PS迷作料理ゲームを比較レビュー…究極の『チャルメラ』VS至高の『ラーメン橋』
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みなさん、食欲の秋がやってきましたよ!美味しい食べ物といえばラーメンですよね。ラーメンはもとは中華料理ですが、日本で独自の進化を遂げ、いまや国民食とも言えるほどの人気料理です。これから秋冬、寒い季節に差し掛かると温かいラーメンを求めてしまうのが人情というものですよね(筆者は年中ひっきりなしに食べてるんですが……)。ということで今回はそんなラーメンをメインに据えたゲームの特集です!

筆者が調べてみたところによると、スマホアプリやフラッシュゲーム、ミニゲーム系などでわずかに配信されている程度。コンシューマーでフルプライスのパッケージとしてラーメンをメインの題材として取り扱ったゲームなんて……そうそう出てるものじゃないんですよね(国民食なのに!)。筆者が知る限りそんなゲームは、たった2本しか存在していません。そしてそのどちらもが、初代プレイステーションのゲームなのです。

1本目は『チャルメラ』。かの有名な明星食品のチャルメラとコラボレーションした今作こそ、究極のラーメンゲームと言えるでしょう。


◆『チャルメラ』
SIE製品概要
発売元: パックインソフト
発売年:1999年

以下、ジャケット裏の文章を引用します。
    「プレイヤーはチャルメラおじさんとなり、屋台を引いて町にラーメンを売り歩き、日本一をめざすのだ! みそ、しょう油、塩、北海道から九州まで……オリジナルラーメンも思いのままにできるラーメン作りも楽しい!」


(猫が「明日はもっとおいしくなるニャン!」と考えていますね。かわいいですね。)

そして2本目は『ラーメン橋』です。知名度は高くないですが、評価は良く、知る人ぞ知る傑作ラーメンゲームです。これこそまさに、至高のラーメンゲームと言えるのではないでしょうか。


◆『ラーメン橋』
SIE製品概要
発売元: トミー(現・タカラトミー)
発売年:1999年

    「スープの素、だし、具など細部にこだわったラーメン作り、1950年代から現代へ移り変わる情景と音楽を再現、年代とともに変化する主人公の風貌、まさにこれは人生シミュレーションドラマだ!」


(表ジャケットも含めると三箇所も「人生シミュレーションドラマ」と書いてあり、よほどそのジャンルを押し出したいのだなということが推測できます。)

こうして2つ並べて見てみると、「おじさんが主人公」「白地に赤文字のタイトル」などラーメン以外にも様々な共通点を見出すことが出来ます。では、内容のほうはどうなのでしょうか。どっちがよりすばらしいラーメンゲームなのでしょう?究極のラーメンゲームと至高のラーメンゲームと聞けば、対決させずにはいられませんよね?対決させずにはいられないので、今回筆者はこれら2つのゲームを入手しました!これから各パートに分かれて詳細に比較していこうと思います。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


■対決その1「世界観」

ゲームにおいて世界観というのは、全体のイメージを決定づける部分です。ラーメンで言えば“スープ”に該当するところと言えるのではないでしょうか!言えないかもしれませんが、まあそういうことにしておいてください。


「チャルメラ」では、プレイヤーは“彼”を操作することになります。ジャケット裏の説明によると、彼はどうやら「チャルメラおじさん」という人だそうです。商品名がアイデンティティとなっているので、かなり倒錯した自我を持っているであろうことが推察されますね!ちなみに彼は作中で喋ることがなく、彼の感情は「おじさんは~した」という謎の三人称のモノローグによって表現されます。

(なると町の風景)

『チャルメラ』の舞台は「なると町」と呼ばれる架空の町。時代背景が具体的に示されることはありませんが、作中に登場する数々の記号からおそらく昭和の高度成長期あたりが舞台になっているのではないかと推測されます。町の建物などは雰囲気いっぱいで、グラフィックも素晴らしい出来です。


『ラーメン橋』の主人公は彼、「寿 秀蔵」です。シベリアから復員してきた元軍人で、彼が出兵中に亡くなってしまった父親の遺志を継いでラーメン屋になることを決意します。おそらくですが、長いビデオゲームの歴史上、シベリアに抑留されていたという経歴を持つ主人公は彼だけではないでしょうか(チャルメラおじさんも言ってないだけでレイテ島を生き延びたりしているのかもしれないですけど……)。

ほぼ喋ることなくゲーム中ずっとうっすら微笑みつづけるチャルメラおじさんとは対象的に、秀蔵は銀河万丈によるボイス付きでガンガン喋りまくり。銀河万丈ファンにはたまらない一作となっています。

(ナミダ橋横丁の風景)

(秀蔵のラーメン店)


『ラーメン橋』の舞台は恐るべきローポリで描かれた「ナミダ橋横丁」という町ですが、おそらくは「あしたのジョー」の舞台としてもおなじみの泪橋のことなのでしょう。秀蔵はゲーム開始時から両親の遺産である店舗を所持しているので、屋台を引いて歩くチャルメラおじさんとは対象的です。『ラーメン橋』では1950年代からおよそ半世紀にわたって、この町の変化を目撃していくことになります。

比較をしてみると、どちらも昭和(『ラーメン橋』では最終的に平成に至りますが)、かつ東京の下町っぽい舞台設定になっており、似たような世界観を持っているということがわかります。たぶんラーメンという食べ物自体がそういうイメージを持っているのでしょうね。

そんなわけで世界観はどちらも甲乙つけがたいところ。では、次はビデオゲームの根幹ともいえるゲームシステムを比較していきましょう。

■対決その2「ゲームシステム」
ゲームにおいてゲームシステムというのは主役であり、もっとも重要な部分です。これをラーメンで表現するならば、間違いなく「麺」の部分でしょう。ツルシコでプツプツ切れる細麺ゲームなのか、腹にガッツリくる太麺ゲームなのか……例えに多少ムリがあることは承知の上ですが、まあ比較していきましょう!

大枠として、どちらのゲームもラーメン店経営シミュレーションというよりは「ラーメンを作れるアドベンチャーゲーム」といった感じに仕上がっています。どちらのゲームにおいても経営破綻によるゲームオーバーなどは存在せず、アドベンチャー的な探索やフラグ立て、シナリオなどが重視されています。システム面は、「ラーメンの調理販売」「シナリオの進行」という二点に着目して見ていこうと思います。

「チャルメラ」は基本的に、ラーメン調理パートで作ったラーメンを、屋台で販売することによってシナリオが進行し、シナリオが進行すると食材を入手できる、という工程を繰り返していくゲームです。

(ラーメン調理の様子)

ラーメンの調理パートはとても自由度が高く、タレ、麺、器、隠し味をそれぞれ1つずつ選択し6つの食材の組み合わせでスープをつくり、そこにさらに6枠、自由に具を載せることができます。ゲーム開始時から結構多くの食材を所持しているので最初からわりと多彩なラーメンを作ることが可能です。


作ったラーメンはラーメン通のタクシー運転手のところに持っていくと評価してもらえます。最高評価は「星10」。なにせ組み合わせが無数に存在するので、トライ&エラーを繰り返して細かくラーメンをマイナーアップデートしていきたくなる衝動に狩られます。


販売は町中を屋台を引いて歩き回り、思いついたところでチャルメラを吹くことによって行います。場所によって客層は様々にことなり、たとえば工場地帯ではガッツリ系のラーメンを好む客が増えます。販売の結果は「販売杯数」だけで表示され、金銭の概念は存在していません。販売をしていく中で偶発的におこるイベントをこなすと、使える食材や器が増えていきます。


フラグが非常にわかりづらく(販売場所や現在の販売杯数と紐付いているのではなかろうかと推察されますが)どのようにすればシナリオが起きるのか謎。急いで攻略するというよりは、心にゆとりをもってプレイすることが推奨されるゲームと言えるでしょう。また、シナリオの進行上「激辛ラーメン」「金ぱくラーメン」「精進ラーメン」など興味深いものを作って欲しいと頼まれるのですが、プレイヤーがそれを作ることはなく、勝手におじさんが作ったことになって進行していってしまうところも、ゲームプレイの不満点といえるでしょう。


至高のラーメンゲームであるところの『ラーメン橋』では、シナリオが開始するとまず目的が設定されます。たとえば第一章のシナリオの目的は、「町を荒らす愚連隊の隊員にラーメンを食べさせて「うまい」と言わせる」というものです。その目標を達成するためラーメン店での調理販売で金銭を稼ぎ、それを元手に食材を買い集め、ラーメンの完成度をあげ、充分に完成度があがったらシナリオを進行させラーメンによる対決に挑む、という繰り返しになっています。

その仕様上シナリオを一章クリアするごとに所持する食材はリセットされ、食材の揃わぬシナリオ初期からおいしいラーメンを作ることは不可能で、ある程度まずいラーメンを提供することは避けられない仕組みになっています。そこで生きてくるのが特徴的な「販売パート」なのですが、これについては後述します。


食材の入手は町の中をうろつくことで行います。よろづやで購入することもできるのですが、たばこ屋や風呂屋を利用するとおまけとして食材がついてくることもあります。食材の入手は攻略を見ない限りは運要素が非常に強く、苦戦すること請け合いです。古典的なゲームらしくメモをとりながらプレイするのがいいかもしれません。とはいえ「ラーメン橋」では、もし高評価ラーメンが作れず、ラーメン対決に失敗してもそのままシナリオは進行していくのですが。


食材を入手できても出来なくてもある程度町の中をうろつくと日が暮れ、舞台は「販売パートへと移ります。販売パートは非常に特徴的で、客が来ると、麺をちょうどいい塩梅に茹でるミニゲームが始まります。これも最初は完全にノーヒントなのですが、慣れてくると秀蔵の麺を茹でる時の「鼻歌」でタイミングを取れるようになってきます。そして茹で上がったラーメンを客に提供することになるのですが、前述の通り、最初は美味しいラーメンなんて作れないので、客は当然の如く「まずい」と文句をつけてくることになります。『ラーメン橋』ではそこでの秀蔵のリアクションを選択することが出来ます。

第一章のシナリオボスである「愚連隊」。時代感が表れていておもしろい)

この選択が正しければ、客は「わかったよ、うまい、うまいよ」的なことを言ってくれて、おいしいラーメンを提供した時と同じだけの金銭を入手することができます。また、この選択は秀蔵の性格がどうなっていくかを左右し、シナリオの分岐やエンディング時の評価に密接に関与しています。販売パートが終われば一日の儲けが所持金に加わり、食材入手パートで使える、という仕組みになっています。そして、それを何度か繰り返し、いいところでシナリオボスに挑戦することでゲームが進行しています。ボス戦(と仮に表現しますがラーメンをつくるだけです)では茹で時間のタイミングを測るための「秀蔵の鼻歌」がサイレントになっており「自分で鼻歌を歌わねばならない」のも面白い仕掛けです。

さてこうしてシステムを比較してみると、似ているように見えながらも大きく特色が別れていることがわかります。まずラーメン作りの楽しさ、詳細さでは『チャルメラ』に軍配が上がるでしょう。『チャルメラ』のほうが使用できる食材も多く、評価も細かく、選べる項目も多いからです。しかしシナリオの進行面では『ラーメン橋』のほうがぐっと豊かです。分岐が数多く存在し、ボイスドラマ仕立ての進行もあって非常に興味深くシナリオを眺めていることができます。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


■総評

比較を通して、どちらのゲームにも良さがあり、一長一短であるということがわかりました。細かいラーメン作りと美しいグラフィックが楽しめ、ゆっくりとしたペースで楽しめる『チャルメラ』、アクの強いキャラクターと多彩なシナリオの分岐で何度でもリプレーできる『ラーメン橋』……困りました、筆者には甲乙つけがたいです!ただ、どちらのゲームの発売も1999年で、この年はまさにラーメンゲームの当たり年と言える、ということだけは明らかでしょう。家庭用機からこういうゲームが無くなってしまって久しいですが、やはり今になって評価すべきというか、これからもインディーゲームなどでこういった手触りをもった、変なゲームが出ていってくれればなと切に願います。

ということで、筆者としましては、わざわざ対決というテーマにしておきながら、今回は「どっちのゲームもぜひともプレイして頂きたい!」という、非常にカドのたたない結論を出させていただこうと思います。いいですよね?

《文章書く彦》

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