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【インタビュー】『無双☆スターズ』ウィリアムやオプーナたちはなぜ選ばれたのか、古澤Pに訊く…シリーズ初の試みは「30人のキャラを活かすため」

歴史シミュレーションに始まり、一騎当千の爽快アクションやファンタジーRPG、また女性向け恋愛アドベンチャーゲームなど、様々な代表作を数多く持つコーエーテクモゲームス。

ソニー PS4
【インタビュー】『無双☆スターズ』ウィリアムやオプーナたちはなぜ選ばれたのか、古澤Pに訊く…シリーズ初の試みは「30人のキャラを活かすため」
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◆新要素の導入は登場キャラをじっくり描くため──発売後の展開にも迫る


──続いては、ストーリー面に関してお聞きしたいのですが、まず本作の舞台となる世界の住人であるオリジナルキャラクター(環、志貴、刹那など)の見た目についてです。かなりケモノチックと言いますか、コーエーテクモゲームス全体を見渡しても、これまでにない造詣ですよね。


古澤氏:これも紆余曲折ありまして(笑)。最初は普通の人間としてデザインしたんですが、他の参戦メンバーと合わせてみると、全然勝てなかったんです。他が強すぎて埋もれちゃうんですよね。

かといって、単純にキャラクター性を強くすればいいかというと、それもまた違うわけで。せっかく様々な作品の主人公が集まるのにオリジナルキャラが飛び抜けたらダメじゃないですか。

──確かに、『無双☆スターズ』の持ち味を損なうことになりそうです。

古澤氏:埋もれてもいけない、しかし出過ぎてもいけない。なので、ちょっと違う方向性を模索していたところ、デザイナーが獣人系のデザインを持ってきたんです。その時「なるほど、こういう手があったか」と。

これだけ思い切ったキャラが出せるのは、『無双☆スターズ』ならではですよね。例えば、「真・三國無双」や「戦国無双」で獣人キャラを出すわけにはいきませんし。だったら、チャレンジしてみるのもいいかなと思いまして。


そして獣人デザインを煮詰めていったら、可愛いしかっこいいものが出来上がってきて。なので、「これイケるね」となり、そこから更に方向性を固めて、今のデザインになりました。

──そうして生まれた三人が、それぞれの理由から王位を競い合う形で物語が動き始めますが、その展開をフリーシナリオ&マルチエンディングで描こうと思ったのはなぜでしょうか。

古澤氏:この30人のキャラクターを、しっかりとやり込んで欲しかったんですよね。そのため、1本道のシナリオ構成の場合だと、非常に長い物語にする必要が出てくるんです。30人分のキャラクターを盛り込むわけですから。

──かなり長い道のりになりそうですね。

古澤氏:また、物語の途中でスポットのあたるキャラが頻繁に切り替わると、焦点がボヤけてしまう恐れもありますしね。なので、30人のキャラクターをしっかり味わってもらうための構成として、フリーシナリオという仕組みを導入することにしました。これなら、物語の分岐を楽しみつつ、色んなキャラで遊んでもらえますから。

──一度エンディングを迎えた後、次は別のキャラでやってみようといった楽しみ方もできますしね。


古澤氏:ストーリーなどが固定化されてしまうと繰り返して遊ぶのも辛いですし、あまり長すぎるのも負担ですからね。30人をじっくり楽しんで欲しいので、フリーシナリオ&マルチエンディングを盛り込みました。

──各作品の主要キャラが勢揃いする本作だからこその導入だったんですね。分岐を見つけて新しい物語を楽しみつつ、キャラ育成ができるというのは嬉しいところです。

古澤氏:チームメンバーの組み合わせとかも、1回のプレイで全て試すとかは無理ですしね。フリーシナリオというゲーム進行と、マルチエンディングを見つける遊びが加わることで、キャラクターの育成やスキルの組み合わせなどを能動的に楽しめるようになっています。

──エンディングを迎えた後の引き継ぎ要素は、どのような感じになっていますか?



古澤氏:ほとんどのものが引き継げるようになっています。「無双」シリーズで言うところの武器に当たる「ヒーローカード」はもちろん、カードに付加効果を加える素材、お金、レベル、友好度なども引き継げます。引き継がないのは、どのキャラが仲間にいるのか、という点くらいですね。

──仲間は、フリーシナリオで獲得していくと。そして以前仲間にしたキャラならば、レベルも引き継がれているんですね。

古澤氏:はい、そうなります。

──ところで、エンディングが多数用意されていますが、そこに至るまでの話の大筋も、いくつかに分岐していくのでしょうか?

古澤氏:そうですね、大きく分岐してまた収束するようなものもあれば、それぞれのルートの先にある「真のエンディング」へ向かうルートがあったりします。体感的には、10前後くらいの分かれ方をすると思っていただければ。

──そしてプレイヤーの判断や行動の結果によって、エンディングが分岐していくわけですね。

古澤氏:はい。あと、キャラクター性を重視したエンディングに辿り着く場合もありますね。のぶニャがが活躍するものや、一部の女性キャラクターが華やかな「戦い」を繰り広げるものもあれば、いわゆるバッドエンドもあるので、バリエーションも豊かになっています。エンディングの数は15個です。

──1周あたりのプレイ時間は、どれくらいでしょうか。

古澤氏:一直線に進むと、10~15時間ほどですね。そして、仲間を増やしたりといった寄り道をすると20時間くらいになります。また、育成に力を入れるとその分伸びる感じになるかと。友好度上げやヒーロカードの強化などもありますからね。

──物語面、キャラクター、育成と、今回もじっくり遊べる手応えになっていそうですね。ちなみに、本作発売後の展開についても伺ってよろしいでしょうか。予定されているDLCなどがあれば、ぜひ。


古澤氏:初回特典や店舗別特典で行っている「なりきり衣装」があるんですが、これをキャラクター分用意しようと思っています。オプーナとオリジナルキャラクターは除いて、それ以外の全キャラ、と思っていただければ。ちなみに、AさんとBさんを入れ替えるのではなく、「AがBの衣装を、BがCの衣装を」みたいな形になります。

──現時点では、キャラクターの追加などは予定されていませんか?

古澤氏:発売後、ユーザーさんの反応を見極めてから、その後の展開を考えていくつもりです。

──もしかしたら、『無双☆スターズ2』などの展開に繋がる可能性もあるわけですね?

古澤氏:そうなってくれたら私としても嬉しいですし、そういった形になれるよう皆さんの声を受け止めて次に繋げていけたらいいなと思います。

──期待させていただきます。それでは最後になりますが、本作を楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。

古澤氏:「無双」シリーズの最新作ということで色々と入れ込んでありますし、30人のキャラクターを魅力的に感じてもらえるよう作り込みをしました。従来の「無双」シリーズファンにも新しい気持ちで遊んでもらえると思いますし、「無双」シリーズは遊んだことがなかったけど参戦作品のファンという人にとっても遊びやすい形にしてあるので、まずは手に取ってもらい、楽しんでもらえたら嬉しいです。

──本日はありがとうございました!



◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

『無双☆スターズ』は2017年3月30日発売。価格は、PS4のパッケージ版・ダウンロード版が7,800円(税抜)、「TREASURE BOX」が12,800円。PS Vitaのパッケージ版・ダウンロード版が6,800円(税抜)、「TREASURE BOX」が11,800円です。なお、ダウンロード版は2017年4月12日までの間、早期購入キャンペーンとして通常価格より10%オフで購入できます。

キャラクターデザイン/NOCO、左、前田浩孝、眞島真太郎、水野十子、ゆーげん、四々九
(C)コーエーテクモウェーブ 
(C)2007 ArtePiazza/コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)2017 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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