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【インタビュー】『バイオハザード7』の恐怖を支えた新技術が凄い ― 写真から3Dモデルを生成、各キャラには実在モデルが居た

 

その他 オリジナル
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◆ほぼ全てのキャラにモデルが居た



ジャック・ベイカーのモデル

――少し話が出ましたが、効率や制作スピードの面ではどうでしょうか。

キャラ担当:プレイヤーキャラクターレベル(もっとも高品質を求められる)だと、最終的に掛かる時間は一緒ぐらいですね。ただ費やす時間に対するクオリティは格段に上がりました。また、それ以外のキャラクターだと段違いのスピードで作れるようになりましたね。

津田:確実に言える事は、現状『バイオハザード7』で出ているクオリティはフォトグラメトリーを使わないと到達しないということです。今振り返っても、目指すものを実現させるために必要な技術だったと思います。

――因みに人間のキャラクターはあまり加工されないのでしょうか。

キャラ担当:基本的にはモデルさんの顔がそのまま出ていますね。ただ一部のキャラクター、例えばマーガレットのモデルさんは設定年齢よりもだいぶ若い方だったのですが、皮1枚被るぐらいの特殊メイクを施しました。


スタジオ内にはメイク場所も


更衣室も用意されている

――ではキャスティングはどの様な基準で行われたんでしょうか。

津田:気にするのは顔と全体の雰囲気ですね。モデルさんの顔よりも全体の雰囲気を選び、特殊メイクで顔を合わせたキャラクターもいます。

キャラ担当:人間をスキャンする場合は、その時のモデルさんの印象がそのまま出るんですよ。なので、キャスティングは慎重に進めました。

スキャンスタジオ担当:後は「顔はこの人がイメージに近いけど、佇まいはこっちの人だよね」というパターンもありまして、その場合は「顔はこの人で、体はそっちの人にして、後で合体させよう」となったりもするんです。


――因みに、現実に実在しないクリーチャーはどのよう作られたのでしょうか。

キャラ担当:クリーチャーはスキャンできないので、従来通りのフルスクラッチですね。“人間”とは全くアプローチが違います。ただスキャンした人間と並べても違和感がないようにする必要があったので、いつも以上に時間は掛かりました。これも作りながら調整していったんですが、スキャンした人やモノの中に囲まれるという「なんだこの虐めは!?」状態でしたので(笑)。

神田:プロモーションに使用する追加素材のリクエストが沢山くるんですが、クリーチャーのクオリティはどれも凄いですね。ディテールがよく出ていて、スキャンした様な見栄えです。素材としても使い応えがありました。

津田:恐らくこの環境は、急速なスキルアップを招いたと思います(笑)。

キャラ担当:冷や汗を流しながら作りました(笑)。ただ昔と同じ作り方と言っても、全てがそうではないです。これまでは手作業で血管などのディテールを描き込んでいましたが、今回はフォトグラメトリーを用いているので、できるだけイメージに近い素材からテクスチャーを持ってきています。

というのも、手で描き込むと空想感が出てしまうんです。だからといってナチュラルにしすぎるとキャラクターとして薄れてしまうので、そこのバランス感覚はフォトグラメトリーに対応して、新しくなりましたね。

――(巨大なハサミを持って襲ってくる状態の)ジャックはどちらの作り方なんでしょうか。

キャラ担当:チームでは“ハサミジャック”と呼んでいるジャックですね。あの状態はスキャンして作っていますが、顔はモデルさんで、体は社内のスタッフです。たまたまオフィスを歩いていた彼を見かけ、「いい体してるね、撮っていい?」とパンイチになってもらいました(笑)。ただ、それだけだと迫力が足らないんで、ゲームに実装してから色々と調整しました。


持ち出せないものは現地で撮影

――オブジェクトや背景にもフォトグラメトリーを用いているのでしょうか。

津田:そうですね。割合で言うと少ないんですが、まずは物や地形を探すところから始めます。その上で、重要なものや画面の占有率が高いもの、複雑なものなどはスキャンして行きました。逆にこの世に存在しなかったり、PC上で作った方が早いものや、ゲームの仕様で形状が変わりやすいもの、小さすぎるものなどはスキャンを避けました。


ヒゲもスキャンでの再現が難しいため、後で加工する。

キャラ担当:スマートフォンなどの工業製品、髪の毛もスキャンには向いていないので、そういう素材や形状でも判断しています。

スキャンスタジオ担当:特に髪の毛は、隣と隣が融合していて1つの固まりになってますからね。そういうのは専用のCGで作って、後から合成させています。

津田:とはいえ何だかんだスキャンしましたね。例えば作中に出てくる動物の剥製は、本作の舞台であるルイジアナでスキャンしたものです。あとマネキンもスキャンですね。ルイジアナに佇んでいるのを見つけまして、何処かで使えるだろうと(笑)。


スタジオ内にはオブジェクトに特化した撮影セットもある

――ルイジアナ取材ではどのようなことを行ったのでしょうか。

津田:舞台なので一通り見て周りました。スキャンできそうなものを探したり、実際の建物の広さを確認したり。実は体験版にも出てくるピートはうちの社員がモデルなんですが、彼には実際に現地の家の中を歩いてもらいました(笑)。

 
地形スキャン

――逆に日本でスキャンしたものや地形はありますか?

津田:いくつかありますが、例えば食事は鶴橋(焼肉が有名な大阪の地域)のホルモン屋さんで買ってきまして、最初は凄くおいしそうだったので不味そうに加工しました。

あと地形は奈良に行って撮影したりしました。そういった欲しいものや地形を探すといった準備は、キャラクターのスキャン同様に時間を要しましたね。


スタッフの庭に放置されていた木材やレンガ


大阪の林から採取した枝や落ち葉


各所から集められた小物の数々


スタッフの手によって加工される人形


大阪の川から引き上げた草

《栗本 浩大》
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