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【インタビュー】完結を迎えた『BLAZBLUE』森Pが明かす心の内 ― 気になるあのシーンやイザナミの脇について訊いてみた

 

ソニー PS4
【インタビュー】完結を迎えた『BLAZBLUE』森Pが明かす心の内 ― 気になるあのシーンやイザナミの脇について訊いてみた
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『GUILTY GEAR』シリーズが10周年を迎えた2008年、ゲームセンターに“画面比率16:9の2D格闘ゲーム”が登場しました。作品の名は『BLAZBLUE』――アークシステムワークスの『GUILTY GEAR』スタッフが再集結して贈り出された次世代の2D格闘ゲームです。

当時の2D格闘ゲームの画面比率は6:4でしたが、『BLAZBLUE』では16:9を採用し、HDでグラフィックを描画。その鮮やかかつ激しいゲーム画面は瞬く間に話題となりました。また『BLAZBLUE』の特徴として個性豊かなキャラクターと独自システムがあげられますが、帽子+ぱっくり空いた背中+ミニスカ+ニーソな衣装で、二丁拳銃による激しい近接攻撃を繰り出す「ノエル」は特にインパクトがあり、彼女を始めてみた時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。

そんな衝撃から8年と数ヶ月が経過した2016年10月6日、ついに『BLAZBLUE』シリーズ完結作である『BLAZBLUE CENTRALFICTION 』がPS4/PS3向けに発売されました。それを記念し、インサイドではプロデューサーである森利道氏(@zatuyoP)にインタビューを実施。ラグナの物語、新キャラクター「スサノオ」のコンセプト、森氏の今後などを伺いました。


企画・編集・文:栗本浩大(@koudai5511

◆完結を迎えたBLAZBLUE


―― ついに発売日を迎えましたが、まずは今の気持ちから伺ってもよろしいでしょうか。

森:本音を言うと、やりきった感とかは全然ないですね。製品としては発売しましたが、たぶん「ああ、終わったな」と振り返るのは2017年になってからだと思います。というのも、追加キャラクターの「マイ」(10月27日配信)がまだ出てませんし、今回の『CENTRALFICTION』はできるだけ長く遊べるように模索と思索をしていまので、発売してやっと始まったという感覚です。

ただ、どこかで休みをもらって出雲大社に行きたいですね。あれだけ「アマテラス」や「スサノオ」とか使わせてもらったんで、神様にお礼を言っておかないと、さすがに怒られるんじゃないかなと(笑)。

――休めるのはまだまだ先ということですね(笑)。

森:こう言うとブラックに聞こえるかもしれませんが、8年間『BLAZBLUE』を休むことなく作り続けてきたんで(笑)。もうここまで来ると、何かしながらインプットするようになりますね。ちょっとした移動時間やちょっとした暇にいろんなものを見て、とにかく何らかの形でインプットしていくようにしないと、やっぱり長期間は作れないです。


――では「ラグナ」という主人公を今振り返っていかがでしょうか。

森:もともと、ラグナを2枚目キャラにするつまりはなかったんですよ。2.5枚目にしたかったので。だから、カッコ良さとおちゃらけた感を上手く表現してくれる杉田君をボイスアクターに選んだんです。普段はひょうひょうとしているんですが、キレた時や戦いの時は真面目になるキャラクターにしたいなと。そういう意味だと杉田君はラグナというキャラクターを体現してくれたと思いますし、僕の考える最終的なキャラクター像に到達させてくれました。最初の方は登場キャラ数の都合で振り回されることが多かったんですが、今回は主人公主人公してまして、やっぱり“ラグナで始まりラグナで終わる”という形に収まったなと。

因みに、よく「某少年漫画のアニメを見て杉田君を選んだんじゃないか」と言われるんですが、本当は2002年に放送されたTVアニメ「ちょびっツ」の本須和秀樹を演じているのを見て気に入ったんですよ。

――8年間作り続けられて、変えなかった部分と変えた部分はどこでしょうか。

森:変えなかった部分は「格闘ゲームとしてだけではなく、コンテンツとして楽しめる作品にする」というコンセプトで、6割ぐらいは達成できたかなと(笑)。そして変わったのはキャラ数とシナリオのボリュームですね。前回のインタビューでもお話しましたが、最初は『CHRONOPHANTASMA』で終わらせようと思っていたところ、小説「フェイズシフトシリーズ」に登場した「セリカ」の存在が大きくなりまして、彼女にスポットを当てた結果、このようになりました。


――いざ『BLAZBLUE』が完結するとなった時に社内から反発はありませんでしたか?

森:そりゃありますよ。「もっと作れ!」「EXTENDもやれ!」って(笑)。ただそれに関しては「僕は絶対にやらない」「仮にやるとしても、僕の名前は出さないでください」とお願いしました。

もちろん人気が出たからには長く続けないといけないということは理解しているんですが、僕自身がだらだら長くやるのが好きじゃないんです。「ぶるらじ」もすぐに終わる予定だったんですが、まさかあんなに受けるコンテンツになるとは……。当時は企業が投稿しているニコニコ動画の動画って1万再生超えるのがほとんどなかったんで、我々としては「杉田君、今井さん、近藤さんを使っているから3万行けばいい方か」と思ってたんですが、あっさり10万再生を超えまして(笑)。非常にありがたかったですね。

――何度も言われていますが、今回は『EXTEND』を作らないと。

森:先ほどお話したように、できるだけ長く遊べるようしようと思っているのと、海外との差異を生まないようにしようというのがあります。当然コンテンツとしての『BLAZBLUE』をもっと広げて生きたいという思いはありますが、格闘ゲームとして長く遊べる作品にしようと思ってまして、もし『EXTEND』を発売した場合、日本で『EXTEND』が発売される頃に海外では通常版が発売されるという差異が生まれてしまうんです。しかも日本ではアーケード版が先行してますから。だから『CENTRALFICTION』に関しては出来るだけ早く海外でもリリースできるように調整しました。

――前回のインタビューで「『CHRONOPHANTASMA EXTEND』の売れ行きがよければ次回作が豪華になるかもしれません。」というのがありましたが、こちらは無事実装されたのでしょうか。

森:皆様のおかげで入りました!ロビー部分の作り直しや、合計7キャラの追加、そしてオープニングテーマのフルバージョン収録などですね。フルバージョンはラストバトルの部分で使われているんですが、今まではショートバージョンだったんで、バトルが終わる前に曲が終わっちゃってたんですよ。なので、今回はKOTOKOさんに「フル尺で入れさせて下さい」とお願いしまして入れさせてもらったんですが、これ結構大変なんですよ!交渉が。お金の問題だけじゃないですからね。本当にKOTOKOさんと関係者の皆様には感謝しています。

次のページからネタバレを含みます。
ネタバレを含まない後半の話題はこちらから

《栗本 浩大》
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