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【プレイレポ】美しくも残酷な『ロゼと黄昏の古城』 ― 再生と絶望を繰り返し、少女は血を捧げ続ける

日本一ソフトウェアから2016年発売予定のPSV『ロゼと黄昏の古城』。雰囲気たっぷりの世界観とパズルアクションが魅力的な本作。今回は本作のイメージを損なわぬよう、小説風にてプレイレポートをお届けいたします。

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日本一ソフトウェアから2016年4月26日発売のPS Vitaソフト『ロゼと黄昏の古城』。プレイヤーは主人公のロゼと、謎の巨人を操作し、黄昏色に染まった古城を探索します。



雰囲気たっぷりの世界観とパズルアクションが魅力的な本作。今回は本作のイメージを損なわぬよう、小説風にてプレイレポートをお届けいたします。




これは茨に呪われた少女ロゼと
ロゼとともに行動する謎の巨人の物語。
昏色と血に染まった古城で紡がれる物語。
その全貌のほんの一部を覗いてみよう。


茨に呪われし少女






目が覚めたら、そこは色のない世界だった。唯一、血のしずくのみが、鮮やかな色彩を放っている。

地下牢で目覚めた少女ロゼは呆然としていた。黄昏に染められた牢獄。単色に彩られた世界はあまりにも味気ない。私はなんでこんなところにいるの……? 目覚めたばかりのロゼの記憶はあいまいだった。背中には大きな茨が絡みついていて、まるで囚人の手枷足枷のようだ。

地下牢には生命の気配はまったくなく、少女の足音だけが響く。



初めて目覚めた部屋を抜け、次のフロアへと進む。そこには脱獄者を阻むように奈落があった。

小さなロゼでもなんとか飛び越えられるほどの幅だ。左右に目を凝らすと、奈落には幾重にも重なった茨が見える。その太さは尋常とは言い難い。優しさのかけらも感じられぬグロテスクな容姿。落ちたら棘が容赦なく体を貫くであろう。慎重に飛び越えてゆく。



ロゼは高台を降りるのは少し苦手なようだ。調子に乗ってジャンプをするとすぐに転んでしまう。転ぶだけならまだいい。もし打ち所が悪かったら…想像するだけでゾッとする。ロゼはマンガやゲームのヒーローのように万能ではない。ここは慎重にいかねばなるまい。

さらに奥へと進むと不思議な光景が広がっていた。瓦礫が空中に浮かんでいるのだ。

触ってもビクともしない。瓦礫の先に出口があるが、行く手を阻ま進むことができない。



仕方がなく別の道を行くとふるぼけた紙片が落ちていた。

「茨を持つものは『時/色』を奪うことができ、『時/色』を奪えば空中で制止することも可能である」と記されている。

これは茨の呪いを受けた者の手記であった。ロゼは自分の背中を見返す。色を失った茨が絡みつく背中。おそらくロゼも呪いを受けし者だ。なぜこのような呪いが生まれたのか?そしてなぜロゼがその呪いを受けてしまったのか?研究ノート1冊では全ての謎は解明できそうもない。



フロアの先、闇に目を凝らすと、鮮やかな血の色が見えた。近づいてみると、それは瓦礫に潰された兵士の血であった。赤い「色」。いまこそ能力を試してみるべきだ。ロゼは呪いの力を使い、色を奪う。



その瞬間、ロゼの頭の中に見たことのない光景が広がった。振動する地面、崩壊する壁、慌てふためく兵士。

(兵士さん、あぶない……!……)

兵士は瓦礫に道を阻まれ動けない。その頭上には大きな瓦礫が……!

(もしかして、これは兵士さんの記憶?)

ロゼは少しだけ思い出した。この城では恐ろしい事件が起き、そして廃墟と化してしまったことを。

古城に残る血を吸えば、ロゼが今ここにいる理由、茨の呪いを受けた理由がわかるかもしれない。



来た道を引き返し、瓦礫の前に立つ。

(さっきの血、役に立つかも)

ロゼはひときわ大きい瓦礫に意識を集中し、茨の力を開放する。血を受け色を得た瓦礫は、「時」を取り戻し、自然落下をする。道は開けた。ロゼは勇気をふりしぼり、先へと進んだ。




死と再生




「色を持ち動く物から色を奪い停止させる。色を失い停止している物に色を与え動かす」

ロゼは万能ではない。高いジャンプ力も、敵を踏み倒す力も、炎のボールを投げたり、空中を浮遊する力もない。≪血を操る≫、その最小にして最大の能力を使い、先へ先へと進んでいった。だが能力を使いこなすようになり油断していたのだろう。彼女は足を踏み外し、奈落へと落ちてしまう。



幸いにも命に別状はなかった。だがそこは袋小路。脱出は不可能であった。途方に暮れたロゼが奈落の底を見渡すと、またしても紙片が見つかった。



「死ぬことを繰り返している」

恐ろしい言葉が並んでいた。茨に呪われた人はその力を使って自ら死を選ぶこともできるという。しかも何度でも再生することが可能だというのだ。

ロゼを最も怖がらせたのは「死の瞬間の苦しさと絶望はしっかり記憶に残る」という事だ。

奈落から見上げるとつぼみの光がわずかに差し込んでいた。本当に再生できるのかわからない。ロゼは勇気を振り絞った……。



光るつぼみの下で、ロゼは目を覚ました。どこも傷ついていない。ただ、その瞬間の絶望だけは鮮明に覚えている……。

(もう痛いのはやだな)

何度も繰り返さねばならない死と再生。それを考えるとほんの少し眩暈がした。≪血を操る≫が最小にして最大の能力と言ったが、それは間違いだ。≪再生を繰り返す≫、これこそがロゼの最大の能力なのだ。ロゼはしばらく呆然としたのち、再び歩き出した。




巨人との出会い






ロゼはまたしても空中に浮かぶ瓦礫に行く手を阻まれた。大きすぎて飛び越えることができない。

他の道はないかと目を凝らすと、蜘蛛の巣の先に道があることに気が付いた。



坂を慎重に下っていく。鎖が幾重にも重なった道。頑丈に、何かを封印しているようだと感じた。

その先には巨大な物体が転がっていた。動かしてみよう。ロゼは茨の血をそれに注いだ。



巨大な物体はロゼの血を受け、ぶるりと震えた。次の瞬間、左手が生え、右手が生え、そして足が生えた。突然のことに驚いたロゼは、それが自らの方へ振り返った瞬間、恐怖のあまり逃げだした。



逃げるロゼを封じるように、突然、空から大きな鉄の牢が落ちてきてロゼを捕らえた。

びくともしない鉄格子。近づいてくる巨人。

ロゼが再び自死を選ぼうとしたその時、巨人は重い牢を軽々と持ち上げて放り投げた。

(もしかして、助けてくれたの?)

ロゼはおそるおそる、頭を下げて感謝の気持ちを表現する。巨人に表情はないが、満足げな気配を感じ取ることができた。

「あなたもこのお城で迷子なの? じゃあ、一緒にいきましょう」

ロゼが話しかけると、巨人は軽々とロゼを持ち上げて歩き出した。誰もいない、時が止まった古城で、ロゼが初めてであった生き物である。もっとも、生き物であるかわからないが。



「あのガレキもあなたなら持ち上げられるかも!」

ロゼは先ほどの瓦礫を巨人に見せる。巨人はいともたやすくそれを持ち上げて、遠くへと放り投げた。

ロゼが時を操り、巨人が重い物を持ち上げて動かす。二人は力を補いながら進んでいった。幾度となくトラップが道を阻み、潰され、貫かれ、叩き落される苦しみを幾度も味わったが、一人の時よりも怖くはなかった。



途中、再び血の記憶を得たロゼは、茨に森に迷い込み、茨によって命を奪われた少女の記憶を見る。その少女はどことなく、ロゼに似ていた。




茨と処刑場






地下牢を抜け出したロゼと巨人。二人で力を合わせればきっとこの城から抜け出せる。そう希望を抱いた矢先、出口とおぼしき扉を封印するかのように茨がそびえ立ち、ふたりの行く手を阻んだ。

茨の前に落ちていた紙片を拾う。そこには処刑器具に自らの肉体を捧げ、その血で茨の封印を解いたことが記されていた。



ロゼが部屋の中を探索すると、巨大な茨の上に絞首台があることに気が付いた。絞首台に上がると、何者かの声が頭に響いた。

(血を捧げよ…)

声はそう告げていた。

この城の「ルール」に慣れ始めたロゼは悟った。

「わたしもやらなきゃ、だめなのかな」

縄に首をかけるのは勇気が必要だ。復活できるとはいえ、その痛みは忘れることはない。繰り返す絶望。だが先への希望のため、一時の絶望に身を捧げる覚悟をした。

縄のトゲがロゼの首に食い込み、容赦なく血を奪う。



ロゼの身体から滴り落ちた血は床を伝い、道を塞ぐ茨へと注がれる。

血で赤く染められた茨は萎み、道が開けた。光るつぼみの下で再生したロゼは悲しい気分に浸った。この先、何度絶望と苦しみを繰り返すのだろう?



封印されし扉の先には「謁見ノ間」があった。主を失った玉座がたたずむ。二人は小さな王冠を見つけた。巨人はそれを拾い、ロゼの頭へそっと載せた。この瞬間だけは二人がこの城の主である。

しばしの平穏な時間が流れた。しかし古城は二人を温かく迎えているわけではない。その先にも様々なトラップが待ち受けている。それだけではない。「時」を得た異形が容赦なくロゼに襲い掛かってくる。そしていくつもの処刑器具が、ロゼの血を待ち望んでいる……。

だが絶望だけではない。二人にはそれぞれ得意とする「能力」がある。そして何より、貴方の「知恵」が最大の希望なのだ。これさえあえれば、きっと古城の謎が、そして茨の呪いの謎が解けることだろう。

二人は再び歩き出す。
古城の探索は、始まったばかり。




『ロゼと黄昏の古城』は2016年4月26日発売予定で、通常版3,980円(税別)/初回プレミアムBOX5,980円(税別)/DL版3,086円(税込)です。

(C) 2016 Nippon Ichi Software, Inc.
《みかめ》

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