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【そそれぽ】第134回:まさかのフルボイス!アメリカンジョークまみれRPG『シチズンズ オブ アース』をプレイしたよ!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそ こと 津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第134回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

任天堂 3DS
ハチャメチャな副大統領が主人公
  • ハチャメチャな副大統領が主人公
  • わけわからずに事件に巻き込まれていくけど、これで大統領を狙える?!
  • イベント会話は英語フルボイス+日本語テキスト
  • 仲間スカウトにはさまざまな条件も
  • キャラごとの特徴を活かした攻撃
  • 下画面でクエスト進行度合いなどをサポート
  • 敵は植物にロボットに…いろいろ!!
  • まじめなストーリー展開がある…かも?
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第134回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

想像通りでしょうが、筆者には友達が少ないです。人付き合いが下手くそで、人同士のバランスが上手く取れないのです。その分、人生のほとんどを彼らと過ごしていると言っても過言ではない、長く深い付き合いの友達が数人います。たくさんの広い友人関係よりも、狭く深い友人関係の方が自分に合っていて、ぶっちゃけ「ラク」だなぁと(笑)。ありがたい限りなので、この場で彼らにお礼を言いたいです。これからもヨロシク(笑)。



というわけで、今回プレイするのはアークシステムワークスのニンテンドー3DSソフト『シチズンズ オブ アース 戦え!副大統領と40人の市民達!』です。


40人も仲間キャラクターが登場する異色のゲーム。カナダのインディーゲームメーカーであるEden Industriesが開発を手掛け、アトラスのアメリカ法人であるAtlus U.S.A.がコンシューマ版のライセンスを取得し、ローカライズと日本版の販売をアークシステムワークスが担当するという、これまた異色の組み合わせによって日本でリリースされました。すべてが“カオス”な気になるこのゲームの魅力を探っていきたいと思います。それでは、早速プレイしていきましょう。


◆『シチズンズ オブ アース』ってどんなゲーム?



■プレイヤーは「世界の副大統領」
世界観からもう意味不明ですが「“世界”の副大統領」が主人公です。なんだかよくわからないさまざまな事件に巻き込まれるも、解決することで支持率が上がると考えて、“仲間たちを事件解決に挑ませます”(笑)。副大統領は基本、仲間たちを率いて行動するのみ。口だけ。そんな副大統領が、さまざまな場所を訪れて、その土地で起きている事件や問題を解決していきます。目指せ大統領。

■基本は普通の見下ろし式RPG、しかし…
ベーシックな部分は『MOTHER』シリーズと雰囲気が近い見下ろし式のRPGです。戦闘はシンボルエンカウントで、王道のフロントビューで展開。しかし、現代っぽい時代の、よくわからない「世界」が舞台なので、ストーリー展開などはRPGの王道からは良い意味で思いっきりハズれています。

■副大統領が率いる個性豊かな40人の市民たち
副大統領は「スカウト」することで、さまざまな職業の市民たちを仲間にできます。市民たちは職業ごとに異なる特色や攻撃方法、スキルなどを持っているので、最大3人パーティーの組み合わせ次第でさまざまな戦略を練ることが可能です。「ママ」は説教で相手の心を折り、「パン職人」は“のし棒”で敵をぶっ叩いたり…(笑)。

戦闘開始後にパーティーを入れ替えて戦闘を仕切り直すこともできるので、敵の弱点にうまく合わせたパーティーで戦いに挑むことも可能。プレイヤーが各職業の特色を理解していれば戦闘もグンと有利になります。


◆アメリカンジョークとボリュームがもりもり



■イベント会話がまさかのフルボイス
イベント会話は、英語音声ですがフルボイスです。ローカライズされた日本語テキストが英語音声のテンポとマッチしていて、軽妙なアメリカンジョークの雰囲気をネイティブ感覚で楽しめます。毒っぽい部分や、パロディっぽい部分など、翻訳の仕方が優秀で、違和感はまったく感じません。ローカライズがよくできている証拠とも言えそうです。

■豊富なサブクエスト
メインとなるストーリーと同等にサブクエストも豊富。メインの部分で起きる出来事だけが街で起きている事件ではありません。サブクエストの達成は、やり込み要素の意味合い以外に、経験値がもらえたり、あるいは仲間のスカウトのトリガーになっていたりするので、積極的に挑みたいところ。ただし、その分自由度が高く、適正レベルではないところまで探索に行けて敵に大苦戦してしまうようなこともあるので、そのあたりは注意が必要です。

■自由に歩き回れる範囲が広い
ゲームをある程度進めると、自由に歩き回れるエリアがめちゃくちゃ広がります。どこから行けば良いかわからないぐらいです(笑)。迷ったらメインストーリーを中心に、探索や仲間集めなどを楽しみたい人はサブクエストやスカウトを中心にゲームを進めると良いかもしれません。これらの進行度は、メニュー画面から確認も可能です。


◆気になったところ



■ローディングの多さ・長さ
3DSの、しかもダウンロードゲームにも関わらず、すべての場面切り替えにローディングがあります。長い場合、2~3秒。歩きまわって探索するのがゲームの主軸になっている部分も多いにも関わらず、いろいろな場所を探索しようとすればするほど、ローディングが付きまとって、正直かなり煩わしかったです。特に高い建物は階段ごとにローディング。最上階まで上って探索が終わったら、下りも階段ごとにローディング。ちょっと今どきっぽい仕様には感じられませんでした。

■9000ブロック以上の容量、ボイスは必要だったか
本作の容量は9000ブロック以上と、ニンテンドー3DSダウンロード(専用)ソフトとしては最大級ではないでしょうか(ちなみにカード版のある『モンスターハンタークロス』が約12,000ブロック、『とびだせ どうぶつの森』が約5,600ブロック程度、ダウンロード専用だと同価格帯の『蒼き雷霆ガンヴォルト』が約3,100ブロック程度)。パッケージソフトのダウンロード版の中でも、相当“詰まっているソフト”と同等の容量となっています。大容量の原因は、やはりイベントシーンでしゃべり続ける極めてフルボイスに近い仕様ではないかと思うのですが、イベントフルボイスが本作に絶対必要な要素であったかどうかやや疑問です。逆に、やるならもっと徹底して・・・(続く)

■どうせなら日本語ボイスが欲しかった
価格を上げてでも、追加でコンテンツを発売してでも、日本語ボイスが欲しかったです。英語のボイスに合わせて表示される日本語のメッセージも“味”があって良いのですが、例えば『レゴシティ』のように、より会話のテンポが良くなる例もあります。一例として個人的な願望を言ってしまうと、もし副大統領の声が玄田哲章さんの日本語だったら、ゲームの面白さが跳ね上がっていた気がします(笑)。よりクレイジーなゲームとして突き抜けた仕様になれたかもしれないのに、ちょっと残念です。

■仲間を増やすハードルが高い
本作のサブタイトルでもある「40人の市民達」をパーティに「スカウト」するためのハードルがかなり高いです。仲間にするためには、ストーリーをある程度進めたり、高いレベルが必要なクエストをクリアしなければならなかったり、難しめのミニゲームをクリアする必要があったりと、サクサクと仲間にはなってくれません。パーティーメンバーの特徴を活かして、切り替えながら遊ぶことがひとつの“ウリ”にも関わらず、なかなか増やせない仲間たち。もう少し増やしやすくても良かったのではないでしょうか。

■「弟」と「ママ」が万能すぎる
あくまでも個人的な印象や筆者のプレイスタイルも含めてですが、最初の仲間である「弟」と「ママ」が非常に優秀に感じられて、あとからスカウトした市民と入れ替えるタイミングが難しかったです。基本はキャラクターごとに“一長一短”でみんな“トガっている”のですが、「弟」と「ママ」はトガり方がかなりまろやか。最初の仲間なのでゲームバランス的な配慮もありそうですが、この2人をはずすと一気にゲームの難易度が上がるようにも感じました。結果的にレギュラーメンバーからほぼ外せず、レベルも先行して上がってしまい、余計にはずしにくくなり…。パワープレイではなく、戦略的にパーティーを組むことが面白いゲームなのに、パワープレイが起きやすい状況をゲームバランスからのアプローチでもう少しだけなんとかしてほしかったです。

■学校システムが不便
上記のような状況の救済措置が、お金を払うことで時間経過だけで大量の経験値が得られる「学校」なのですが、あまり使い勝手が良くありません。これなら、最初から戦闘に参加していないメンバーにも経験値が入るような仕組みの方がわかりやすかったし、新加入の仲間がパーティーとしてもっと使いやすくなったのではないでしょうか。

■メインストーリーとサブクエストの垣根が曖昧
メインのストーリーを進めるために、サブクエストのクリアが必要であったり、そのサブクエストのクリア条件に「○○をスカウトする」みたいな場合があったり、ストーリーを集中的に進めることがなかなかできず、「サブクエスト」が“サブ”になりきれず主張し過ぎている印象です。メニュー画面から、ストーリーを進めるための今の“主目的”や進行中の「サブクエスト」などは確認できるのですが、普通に流れでプレイしているとサブクエストが前面に出て来すぎていて、メインストーリーに関係があるのかな?とプレイしてみると、全く関係なかったりで、何がメインなのかイマイチつかみづらかったです。

■音楽が攻めてない
ゲーム性のわりに音楽が全体的に薄味で無難な印象。個人的にはもっと攻めていて濃い味の音楽にしても良かった気がします。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

◆総評


アメリカンジョークでクレイジーな世界観をひたすら楽しむRPG!
独特なノリについていければ納得の価格帯&ボリューム!



『MOTHER』シリーズライクな第一印象とは全く逆方向に突っ切った、どちらかと言えば“バカゲー”に属するRPGでした(笑)。主人公の口だけの「副大統領」や登場キャラクターたちのジョークはコテコテのアメリカン。イベント会話も無駄に(?)フルボイスですが、英語音声+日本語テキストという仕様です。ローカライズそのものは非常に丁寧で、洋ゲーということを忘れるぐらいスムーズに遊べました。

大容量・大ボリュームと引き換えに、3DSのダウンロード専用ソフトにしてはローディングが頻繁に発生。広大な探索範囲・場所が用意されているため、逆にテンポの悪さがやや気になってしまいますが、このあたりは慣れ次第でしょうか。ただし、ローディングを兼ねて通常のセーブデータ3つとは別枠でオートセーブしてくれるので、何かしら不測の事態に陥っても安心です。

スカウトして仲間にしたキャラクターの特徴をつかむことで、戦闘の戦略性が増すシステムは歯ごたえがあります。職業ごとに特殊なスキルを持っていて、その内容はゲーム的に役立つものから役立たないものまでさまざま。スカウトできる仲間コンプ欲がそそらえれますが、「こいつのスキル、サウンドテストできるだけ?お、おぅ…」というようなこともあります。そのあたりを「こいつぁクールだ!HAHAHAHA!」と豪快にスルーできる人なら本作をドップリ楽しめること間違いなしです。

【こんな人にオススメ】
・「バカゲー」が好きな人
・ボリュームがあるRPGをプレイしたい人
・サブクエスト的なやり込みが好きな人

【こんな人はちょっと注意】
・『MOTHER』シリーズのようなゲームを求めている人


根本的には面白いゲームで、ローカライズも文句がないのに、「バカゲー」として突き抜けきれていないのが唯一残念なポイントかもしれません。アメリカンコメディなノリは人を選ぶ部分があり、そのあたりが好物な人には、お高めの価格にしっかり見合ったボリューム・仕様なので特にオススメできると思います!


【そそれぽ】第134回、いかがでしたでしょうか?脳内妄想の「副大統領(CV:玄田哲章)」が頭から離れなくなりました。次回もどうぞお楽しみに!


『シチズンズ オブ アース 戦え!副大統領と40人の市民達!』は、好評配信中で価格は1,800円(税込)です。

(C) 2015 Eden Industries. (C) ATLUS. Licensed to Atlus U.S.A., Inc. Published in Japan by ARC SYSTEM WORKS


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ

作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。

Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity

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《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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