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【China Joy 2015】PS4でゲームが売れる市場になってきた~吉田修平氏・織田博之氏を囲んでのグループインタビュー

SCEプレスカンファレンスの終了後に行われた合同インタビューでは、VRの伝道師こと吉田修平氏と、SCEJAでアジア部門を統括する織田博之氏にも話を伺うことができました。

ソニー PS4
左: SCE World Wide Studiosプレジデントの吉田修平氏、右: SCEJAデビュティプレジデント(アジア統括)の織田博之氏
  • 左: SCE World Wide Studiosプレジデントの吉田修平氏、右: SCEJAデビュティプレジデント(アジア統括)の織田博之氏
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SCEプレスカンファレンスの終了後に行われた合同インタビューでは、VRの伝道師こと吉田修平氏と、SCEJAでアジア部門を統括する織田博之氏にも話を伺うことができました。ある意味では日本を凌駕しつつあるとも言えるPS4のアジア展開や、本格化する中国展開の現状、そしてChina Joy初出展となるProject Morpheusの意気込みなど、ざっくばらんな話が飛び交いました。

―――Morpheusが初めて中国本土で出展されますが、これまで台湾や香港で出展してきて、欧米や日本とアジアでの反応の違いはありましたか?

吉田:アジアの方は日本の文化に親和性が高いので、ものすごく興味があるようです。香港の「Ani-Com & Games Hong Kong 2015」ではスパイク・チュンソフトさんから『サイバーダンガンロンパVR 学級裁判』を発表していただき、非常に好調でした。アジアは欧米と日本の両方のゲームが好きな方が多いので、実はPS4のラインアップが一番充実している地域かもしれません。中国本土はセンサーシップの問題があるのでタイトル数が減りますが、アジア全体では非常に盛り上がっています。

―――今回Morpheusのデモで選出された4タイトルの規準は何ですか?

織田:E3で発表されたタイトルが、中国でもあっという間にニュースになって、SNSでいろいろ書き込みがありました。そうした反応をみながら、センサーシップの問題も含めて、何が展示できるか検討した結果です。ブースでは8台のMorpheusを展示する予定です。1人10分として、1000人弱くらいの方に体験いただけるかなと。

吉田:『The London Heist』は無理ですね。歴史的なものや、ファンタジー的なものは暴力的なものでも大丈夫みたいです。しかし現代的なものは難しいようですね。

―――『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO』が入っているのも・・・

織田:初音ミクが中国で大人気だからです。先日上海で『HATSUNE MIKU EXPO 2015 in Shanghai』というイベントがあったのですが、チケットが数分で完売したというほどです。どんな反応が見られるか楽しみですね。

吉田:どのイベントもそうなのですが、わざと体験者が見えるようなブース設計にしています。周りの人にも注目してもらって、相乗効果で広がっていきますので。

―――中国でMorpheusは発売されるのでしょうか?

織田:まだ2016年上半期というだけで、どの地域で発売されるかは発表していません。どの地域でも非常に期待値は高いですので、早くお届けしたいと思っています。

吉田:台湾では「今売ってくれ、今買うから」と言われました(笑)。

織田:やはりコンテンツ次第だと思います。中国本土に関してはハードよりも、ソフトのセンサーシップが通るかどうかが重要です。

―――中国のインディーズに向けてMorpheus用のソフトを作ってもらいたいという気持ちはありますか?

織田:個人的にはありますし、デベロッパー契約を進めていています。日本、アジアに関わらず積極的なデベロッパーさんには、どんどんMorpheus向けのソフトを作っていただきたいですね。

吉田:詳細は言えませんが、台湾のデベロッパーさんでもうやっているところがあります。

―――PS3までとPS4とでは、市場にどんな変化がありましたか?

織田:これまでは欧米とアジアでは1年くらい待たされるのが普通でしたが、PS4では欧米とアジアのローンチが非常に近かったので、それだけでも非常にポジティブに感じていただけました。アジアのPS4の売上はPS3の約3倍にも及んでいて、垂直立ち上げに近い形です。この勢いが今まで続いています。最近特に日系のサードパーティも増えてきたので、次第にラインナップが豊富になってきました。

吉田:これまでと非常に大きな違いとして、今回は皆さんにゲームを買っていただけるのです。文化的・経済的な水準が上がってきていて、海賊版のゲームを買ったり扱ったりすることに、ちょっと抵抗が出てきている感じがします。一方で中国本土に関していうと、実は発売前からユーザーさんが結構いらっしゃったんですね。そのため、徐々に中国向けでもユーザーが増えていけばいいなと思います。

――中国でのプロモーションは日本のようにCMを打てばいいというものではないと聞きますが、どういった形になるのですか?

織田:テレビよりもネットメディアが効きますね。コミュニティに対していろいろ発信したり、ファンのグループを募ったり。例えばうちの添田武人(SCEJA中国事業戦略部部長)には個人的なファンが多いんです。添田と一緒にPS4を遊べる会や、添田のサイン会もあります。そういった、非常に手作り感がある規模でビジネスを進めながら、コミュニティにアプローチしています。今日も中国メディアから取材の前にサインをくれという方が非常に多かったんですよ。

―――現代の高橋名人ですね!

織田:上海だけでなく、北京や地方にも行ったりしていますよ。

吉田:ちょっと奥地に行くと、あまりイベントがありませんので、皆さん非常に熱心に集まってきてくれます。できるだけそういうところで直接お客様と交流したいと思っています。

織田:イベント面でいえば台北ゲームショウですね。台湾の人口は二千数百万人ですが、インターネットで13億人の中国に情報が流れます。シンガポールを含めて中国語圏全体にプロモーションをしているつもりです。

―――中国のゲームコミュニティはオンラインのコミュニティが中心ですか?

織田:両方ですね。SNSの中でファングループがたくさんあったり、オフ会や草の根ゲームイベントがあったり。メディア自体が若くて、すごくゲームが好きな方がいて、パワーブロガーさんもいらっしゃいます。そういう方々を中心にコミュニティが広がっています。

吉田:さっきもアジアの記者さんからインタビューを受けていたのですが、皆さん若いんですよ。20台前半くらいです。

織田:そういえば、うちの社員もみんな若いんですよね。若い市場です。

―――今日のカンファレンスではいろいろな中国ローカルのタイトルが出ていました。

吉田:勉強不足で知らなかったので驚きました。映像を見ていても中国っぽいというか、歴史もので剣などを持って戦うようなものが多く、ローカルのコンテンツならではの特色があるなと思いました。個人的に遊んでみたいゲームもありましたね。またMMORPGが多かったですね。PCとPS4は非常に親和性が高いので、オペレーションを含めて持ってきやすいのかなと思います。

―――「風ノ旅ビト」の発表でも拍手がわいていました。

吉田:やはり中国出身のクリエイターの作品だとみんなわかっているのではないでしょうか。世界に文化を発信できることの重要性に、中国の方も次第に気づかれているのではないかと思います。これまではオリジナルではなく、受注仕事が多かったように思いますので。

―――スマホでもPCでもF2Pが増えています。PS4でもこれからF2Pのタイトルが増えていきますか?

吉田:そのとおりで、PCゲームをPS4に移植する上では、F2Pタイトルが一番入りやすいのかなと思います。

織田:欧米のパブリッシャーさんもアクティビジョンさん、EAさんをはじめ、自社IPをF2Pに変更して中国展開されていますよね。同じようにアジアのデベロッパーさんから、自分たちが持っているタイトルをどんどん移植しようとお話をいただいていて、とても嬉しいですね。

―――ワールドワイドスタジオ(WWS)のタイトルは中国展開されますか?

吉田:もちろんですよ。すでに『KNACK』『DRIVECLUB』が出ていて、『風ノ旅ビト』が8月18日に出ます。本当は同時発売が一番いいのですが、センサーシップで3カ月くらいかかってしまうので、それ次第ですね。タイトル次第ではありますが、今後は基本的に中国展開も踏まえて開発を進めていくつもりです。

―――中国にWWSのスタジオができるという可能性はありますか?

吉田:中国・台湾・ベトナムのディベロッパーには、すでにアセット制作でたくさんの仕事を発注しています。台湾のEXPECさんを訪問した時は、WWSの30タイトルで仕事をされていて、驚いたほどです。そういった会社から今後オリジナルをやりたいという話も出てくると思いますので、特にジャパンスタジオでは注目しはじめています。デベロッパーの力が徐々についてきている気がしますね。

―――ゲームが売れる市場になってきたという話もありました。

吉田:実はWWSの欧米のタイトルは、日本よりもアジアの方が売れるのです。文化の違いや英語への親和性などもあり、タイトルによっては日本の10倍くらい売れるものもありますね。SCEJAという1つの会社になっていることもあり、日本とアジアをあわせたボリューム感というか、技術的なつながりも含めて、ちょっと頭を切り替えていく必要があると思っています。

―――最後に、今回初めてのMorpheusの出展で期待されている方が多いと思いますが、改めて意気込みを聞かせてください。

吉田:実は私もChina Joyは初参加なんです。すさまじい人だと伺っていて、そこにMorpheusを持ってきて、しかも数台しかないというので、どんなことになるのか少し心配です。ただ、個人的には体験された方の様子を一番気にしています。欧米の方はMorpheusを外した瞬間に気持ちを素直に表現されることが多いんですよ。中国の方も近しい印象があるので、そうした反応を期待しています。
《小野憲史》

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