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【アナログゲーム決死圏】第12回:ミニチュアゲームが気になる人にオススメの新作『フロストグレイブ』

今回はボードゲーム『枯山水』や、TRPG『パラノイア 日本語版』等でお馴染みのアナログゲームメーカーのニューゲームズオーダーから日本語版が発売される新作ファンタジー・ミニチュアゲーム『フロストグレイブ』をご紹介いたします。

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今回はボードゲーム『枯山水』や、TRPG『パラノイア 日本語版』等でお馴染みのアナログゲームメーカーのニューゲームズオーダーから日本語版が発売される新作ファンタジー・ミニチュアゲーム『フロストグレイブ』をご紹介いたします。(ミニチュアゲームって何……って方はこちらをご覧ください


製作は日本では歴史関連書籍で知られ、実はミニチュアゲームもたくさん出してるイギリスの出版社の「オスプレイ・パブリッシング」とミニチュアメーカーの「ノース・スター・ミリタリー・フィギュア」。ちなみに、海外で今年の7月に発売されたばかりの新作。

筆者は前から注目していたタイトルで、早速英語版を買いましたので、そこに書かれている情報を元に紹介していきますね!

◆設定




ゲームの舞台は、千年前の魔力の暴走で起こった猛吹雪によって滅びた魔法帝国の首都「フェルスタッド」。そこは今や周囲の人々から「凍てつく墓(フロストグレイブ)」と呼ばれるようになった遺跡であり、かつての魔術実験によって生み出されたアンデッドやゴーレムがさまよう危険な場所。



プレイヤーは、そんなフロストグレイブに富や力を求めて集まった魔術師とその手下を操り、そこに眠る財宝を奪い合うというミニチュアゲームです。

◆編成


ミニチュアとメジャーとダイスを使うオーソドックスなスタイル。ゲームで使うのは基本的に各プレイヤー最大10体。ちなみに、10体しか使わないのは主要なミニチュアゲームとしてはかなり少なめです。



その10体の中でゲームの中心的存在となるのが魔術師。魔術には召喚術や占術といった10の流派があり、その中からメインとなる1つの流派を選び、その他の流派に含まれるものと合わせて、計8つの呪文を選び、装備も選んでRPGのキャラクターのキャラメイクの簡易版のような形でカスタマイズします。



流派は火の玉などを放つ派手な元素術、ゴーレムを生み出し魔法の武器を作る錬成術、ゾンビを呼び出す恐ろしい死霊術といった定番のものから、戦うだけじゃなく呪文書を作って売ってお金も稼げる秘文術、時間を操り速度を上げたり物体を急速に劣化させる時間術など、ちょっと変わったものまで様々。どの流派の呪文を選ぶかが肝であり、そこにキャラクター性をもたせたり、呪文を組み合わせてのコンボ技を考えたりするのがとても楽しそう。



また、魔術師は弟子を1人雇うことができます。弟子は能力は少し劣るものの師と同じ魔法が使え、師が戦いの最中で命を落としたら、その後を継ぐ重要な役割です。



そして残りの8体は魔術師に雇われた「兵士」。彼らはいわゆる傭兵であり、騎士や盗人、蛮族といった様々な能力を持った者達が登場します。彼らが揃うとまさにRPGのパーティーみたいな感じに。

◆判定とシナリオ


判定はD&D等でお馴染みのD20(20面ダイス)を各プレイヤーが1つ使います。お互いダイスを振って、その場面に対応する能力値を出目に足して比べ、勝者(より大きい目を出した側)の出目を、敗者のアーマーの値と比べてその差でダメージが発生する、というようなシンプルでわかりやすいもの。

D&D等に慣れ親しんでいる方ならわかるかと思いますが、D20は数字の振れ幅がけっこう大きい(しかもフロストグレイブの能力値は基本一桁)ので、出目に一喜一憂して盛り上がれるはず。ちなみに出目20を出して判定に勝てばクリティカルで大ダメージという選択ルールもありますよ。



ゲームは、相手を全滅させるか、より多くの財宝を回収したプレイヤーが勝利。セッティングを決めるシナリオは、10種類。スケルトンがわらわら出てくる墓所や、迷宮のようになった図書館の中で戦うものもあれば、財宝を拾うと怒ったランプの精やワームが出てきたりするものなど、いろいろなシチュエーションが用意されています。



また、フロストグレイブが危険な場所であることを表現した選択ルールを使うと、シナリオとは関係のない、吸血鬼やホワイトゴリラ(吸血鬼と同じくらい強い)といった野良のモンスターがふらっとボード上に現れ魔術師たちを襲うなんていうことも起こったりします。

キャンペーン・プレイ(次回のゲームにデータを持ち越し連続した形で遊ぶ形式)も推奨されているシステムで、キャンペーンだと魔術師と弟子が成長したり、魔術師のアジトを作って集めた金貨でアップグレードしていったり、拾った魔導書から新たな魔法を覚えたりなどという新たな要素も増えていきます。というわけでキャンペーンでは、よりTRPGっぽい遊び方が楽しめるゲームとなりそう。

■なぜミニチュアゲームが気になる人にオススメなのか
この記事を読んで見たという人の中には、ミニチュアを使ったTRPGやボードゲームを遊ぶうちにミニチュアゲームが気になってきたなんていう人も多いはず。『フロストグレイブ』はきっとそういう人がミニチュアゲームを始める最初の一本としてオススメできるタイトルだと思います。


◆ゲームの規模




まず、ミニチュアの数が少ないというところが初心者にフロストグレイブをオススメできるポイント。もちろん、最大でも10体+αしか使わないゲームなので、たくさんのミニチュアを並べて遊ぶという醍醐味は味わえませんが、大軍勢を使うゲームに比べれば準備の時間が格段に少なく済みます。

また、最小で縦横60cmで推奨で縦横1mのサイズの卓があればOKで、比較的小さめなスペースで遊べるというのもいいところ。これくらいのサイズなら専門店に行かなくても、なんとかカラオケボックスとかで遊べますからね。

一方で、設定的にも遺跡での戦いであり、ルール的にも市街戦を想定しているで、ミニチュア以外にも卓の上には結構な数の廃墟や残骸といったジオラマ的なもの(ゲーム用語でテレインや情景モデルと呼んだりします)のある程度の準備は必要となるでしょう。

幸い簡単に作れる色付きのキットや、持ち運び的にも楽な紙製のキットなどもあるので、まずはその辺を活用すると良いはず。またそういったものが揃わないうちは、専門店やゲーム会に行けば、テレインを借りて遊ぶことができるはず。

◆自由に選べるミニチュア


一般的に広く遊ばれているミニチュアゲームの多くはそのゲーム専用にデザインされたミニチュアを使って遊ぶのですが、フロストグレイブは特に指定がありません。

ルールブックにも様々なメーカーのものを自由に使っていいと書いてある珍しいゲームです(実は歴史物のミニチュアゲームはこんな感じで自由なものが多かったりします。歴史物のミニチュアゲームも多く手がけるオスプレイらしい判断なのかも)。

というわけで、『ウォーハンマー』なんかの他のミニチュアゲームのものはもちろん、『リーパー』や『D&Dミニチュア』などのTRPG用のもの、さらには『ディセント』や『DORASURE』などのボードゲームのミニチュアで遊ぶこともできます。大きさも対戦相手のもの近ければ問題なし。なんとなくカッコイイから買ってみたミニチュアなんかも使ういい機会ですよ。

というわけで、ミニチュアは持っているというアナログゲーマーにはここもオススメできるポイント。中世風のファンタジー世界に合いそうなミニチュアだったらなんでもOKなので、とりあえず、魔法使いと弟子と兵士に当てはまりそうなコレクションの中から探してみてはいかがでしょうか。



もちろん、フロストグレイブのミニチュアもあります。それぞれの流派に対応した魔術師と弟子のミニチュアや、各種装備に対応した兵士のミニチュアも合わせて用意されていますので、ミニチュアを持ってない人でも大丈夫。ベテラン原型師を起用し、最近は減ってきた頭身が低めのクラシックな見た目のミニチュアにあえてしているのも面白いところでもあります。





個人的にTRPGプレイヤーに注目して欲しいのはこちらのプラキット。武器や防具はもちろん、松明やランタン、ロープといったTRPGではおなじみの小物類のパーツがたくさん入っていて構成で、フロストグレイブだけじゃなく中世風ファンタジーTRPGにそのまま使えるはず。TRPG的視点で見れば、旅を始めたての冒険者やちょっと雑魚寄りな敵キャラを出すときに便利そうな感じだと思います。

ちなみにこのプラキットは20体入りと、1人では十分すぎるくらい入っているので、一緒に始める仲間がいたら2人で分けるのもいいかもしれません。

◆シンプルなルール&日本語版


また、他のミニチュアゲームに比べても、かなりシンプルなルールで遊びやすく、ゲーム中に読まなきゃならない文字の量がそこまで多くないというのも手軽で、オススメできるポイント。

呪文に関してはそれぞれ説明があるものの、兵士は基本的に能力値と装備が違うだけで、それぞれが複雑な特殊ルールを持ってはいないので、自分や相手の駒の能力を把握するのが初心者でも簡単な部類であるといえるでしょう。





そして最大限オススメできるポイントは、日本語版であるというところ。現状、正式な日本語版で遊ぶことのできるミニチュアゲームの数はまだ限られていて、基本ルールは訳されているものの、ゲームを遊ぶのに必要なデータ部分が訳されていないものも結構あったりします。

そんな環境の中で、こうした日本語版は遊びやすいし、ミニチュアゲームに興味を持ってくれた友達を誘いやすいので、出るだけでとても嬉しいものです。

ちなみに仕様としては、ハードカバーの136ページ、フルカラーというなかなか豪華な完全日本語版となっています。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

こんな感じで、ミニチュアゲームを始めてみたいと思っている人には現状一番オススメできるタイトルとなりそうな『フロストグレイブ』。これを機会にミニチュアゲームの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか(以前のこちらの記事も参考にどうぞ)。



『フロストグレイブ 基本ルールブック日本語版』は定価6000円(税込)で8月中旬発売予定。現在公式ストアでは8月9日までの限定特価5000円(税込)で予約受付中。先ほどご紹介した、兵士や魔術師のミニチュアも公式ストアで予約受付中です。

日本語版の最新情報をつぶやく公式Twitterアカウント(@frostgravejapan)もありますので気になる方はこちらも合わせてチェックしておくとよいでしょう!

アナログゲーム決死圏では、これから何回かに分けて不定期で「『フロストグレイブ』から始めるミニチュアゲーム」として、ゲームの遊び方から、ミニチュアの組み方、塗り方などなどを特集予定ですので乞うご期待! それにしても、どの流派の魔術師で始めるか迷ってしまうなぁ……。


*日本語版の製品画像は製作途中のものです。


■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。アーカイブ動画もありますので、是非チェックしてみてね!
Twitter:@Sir_Motor
《傭兵ペンギン》
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