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日本初(?)のUnreal Engine 4を使ったモバイルゲームをたった一人で開発 『ダンジョン&バーグラー』のヒストリアを直撃

Unreal Engine 4(以下UE4)に精通したプロフェッショナル集団を謳うヒストリアは、初の自社タイトルとして『ダンジョン&バーグラー』をGoogle Playにて配信開始しました。

ゲームビジネス 開発
日本初(?)のUnreal Engine 4を使ったモバイルゲームをたった一人で開発 『ダンジョン&バーグラー』のヒストリアを直撃
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Unreal Engine 4(以下UE4)に精通したプロフェッショナル集団を謳うヒストリアは、初の自社タイトルとして『ダンジョン&バーグラー』をGoogle Playにて配信開始しました。

本作はダンジョンを潜りながら「おたから」を集めていくフル3Dのアクションゲーム。難易度は比較的高く、敵や様々なトラップがプレイヤーを待ち構えます。何度も死んで覚えていく、いわゆる「死にゲー」。地下30階を目指して冒険の始まりです。30階に到達するだけでもなかなかの難易度なのですが、上級者はタイムアタックを全国のプレイヤーと競うやりこみ要素もあります。



もちろん本作はUE4で開発されていて、モバイル作品としては恐らく日本初の試みだとのこと。さらに、メインスタッフはテクニカルアーティスト1人のみで、しかも1ヶ月という超短期間で作られた作品だということです。それでいて、ゲーム面でもビジュアル面でもクオリティの高さを感じさせるものとなっています。本作がどんな風に開発されたのか、ヒストリア代表の佐々木瞬氏と本作を手掛けた我妻徹矢氏を尋ねました。

右: 佐々木氏 左: 我妻氏


「UE4を用いれば、ゲーム業界の最先端のテクノロジーを、非常に簡単に利用してゲーム作りが出来ます。その点に魅力を感じて、UE4を中心とした事業を展開しています。受託開発や開発支援がメインですが、モバイル開発でもUE4が普及して欲しいという思いも込め、自社での作品作りにチャレンジしました」(佐々木氏)

ゲームを手掛けた我妻氏はテクニカルアーティストという肩書で、本作でも「C++のコードは一行も書きませんでした」(我妻氏)とのこと。その代わり、ノードベースでゲームロジックを実装できるUE4の機能である「ブループリント」を全面的に使用してゲームは作られました。開発スタッフは一人のみということで、背景やモデルなどのアセットはメインのキャラクターモデルを我妻氏が手掛けたほかは、Unreal Marketplaceにて購入したものが使用されたそうです。

モバイルでUE4を使う苦労について尋ねたところ、「モバイル端末向けだと一部マテリアルのノードが使えない等の制限がありますが、そもそもモバイルを前提として考えて作りましたので特に問題は起きなかったです」(我妻氏)。一方、機種対応はモバイル向けの共通の悩みのようです。「実験的なプロジェクトということもあって、細かくこだわったわけではありませんが、機種対応は頭の痛い問題ですね」(佐々木氏)とのこと。

まずはリリースすることが最優先で、特にビジネス的な期待が大きいわけではないようですが、「これも勉強の意味を込めて、グーグルのAdMobを導入しています。UE4にインテグレートされているので、こちらも非常に簡単に導入が出来ました」(佐々木氏)とのこと。

ヒストリアでは「人生観を変えるような作品を」というビジョンを掲げていて、「UE4を使う事で、少人数でもハイクオリティな作品作りができ、このビジョンへの近道になる」(佐々木氏)と考えているそう。今回のように一人で、短期間でゲーム作りを行うプロジェクトも定番化していきたいということで、既に次の作品も始動していると話していました。

今年のGDCでは無料化が発表されたUE4。『ストリートファイター5』(カプコン)、『スクール・オブ・ラグナロク』(スクウェア・エニックス)、『ナレルンダー!仮面ライダードライブ』(バンダイナムコゲームス)など国内でも大型タイトルを中心に採用が進んでいるほか、ゲーム以外でも映像、建築、車などの分野で利用が広がっているそうです。ヒストリアもそれに合わせるように業容を拡大中だとのこと。『ダンジョン&バーグラー』以外にも複数のプロジェクトが進行しているそうなので、今後の発表も楽しみです。

『ダンジョン&バーグラー』は現在Google Playにて配信中で、近日中にiPhoneのApp Storeでもリリースされる予定。現在「予約トップ10」にて事前予約が行われていますので、是非チェックしてみてください。
《土本学》
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