新年あけましておめでとうございます。2015年最初の掲載となります本連載も、気がつけば80回目を迎えることが出来ました。これもひとえに読者の皆様のおかげであると思っております。何卒これからも、「日々気まぐレポ」をよろしくお願い致します。
などと堅苦しい挨拶はこのへんにして。今回は、発売中のPS3/PS Vitaソフト『ガンダムブレイカー2』の初回特典で使用できる3機のうち、本連載ではまだ取り上げていなかった最後の1機である「HGBF パワードジムカーディガン」をご紹介していきたいかと思います。
こちら、アニメ「ガンダムビルドファイターズトライ」の序盤に登場するホシノ・フミナのガンプラです。その名の通り「0083」などに登場する「パワードジム」を元にした機体で、ゴツめのパワードジムにさらなる武器と追加装甲を満載した重武装モビルスーツとなっています。
中・近距離には携行火器のビームマシンガン、遠距離・狙撃には背面の大型ライフルが2門、近距離・牽制用に腕部内蔵ガトリングガンと1機で多方面に活躍できるオールラウンダーとして仕上がっています。その設計コンセプトを改めて見ると、「一人でなんでもこなさなくちゃいけない」という、セカイ君入部前のガンプラバトル部のフミナ先輩の孤独感を垣間見ることが出来るのでややフクザツな心境になります。
さて、本連載で先に取り上げました「HGBF ビルドバーニングガンダム」、「HGBF ライトニングガンダム」と違い、このパワードジムカーディガンは、基本的な部分に「HGUC パワードジム」を流用し、数枚の追加ランナーをセットしたキットとなっています。
機体色は、いかにも「ジム」！という感じのレッドから一転、フミナ先輩のパーソナルカラーであるポップでパステルなイエローに変更。キットでは成型色で再現されています。下手をすればチープでオモチャっぽくなってしまう黄色系統の成型色ですが、今回使用されているパステルイエローは非常に落ち着いた色合いで未塗装派も安心。腰部や足首アーマー部分など、一部に足りない色が存在しますが、その殆どを付属のシールで補うことが出来ます。
パワードジム自体が少し古いキットですので、やや目立つ合わせ目などが出てしまいますが、カーディガンの追加パーツが上手く隠してくれるのも好印象。追加パーツ自体も上手くパネルラインとして合わせ目を利用しているのでほとんど気になりません。隠し切れない前腕部や頭部といった箇所も処理はしやすく、最小限の工作で見栄え良く仕上げることが可能です。
ビルドファイターズ関連のキットといえば、やはりなんといってもそのプレイバリューの多さを避けて語る事はできますまい。作品自体があくまで「玩具主体」のアニメなので、その関連商品たるガンプラも非常に遊びの幅が広く取られているのが特徴です。このパワードジムカーディガンもその重武装を形作る装備の数々で様々な遊びを演出することが可能です。
まず目を引くのはなんといっても背部に接続された2門の大型ライフル。こちら、肩に担ぐ所謂ガンキャノンスタイルの武器として使うことももちろん可能なのですが、その真価は接続されたフレキシブルアームにあります。多関節のアームによって保持されたこの大型ライフルは見た目以上にクネクネと動かすことができ、様々な射撃ポーズを取らせることが可能になっています。また、同様のアームで保持されている2枚のシールドも同じく柔軟に可動。腕ではなく背部のアームに接続された自由に動くシールドというのは予想以上にそのポーズの幅を広げてくれます。機体前面の防御に当てるもよし、サイドの守りを固めるもよし、翼のように広げて表情をつけるもよしと、使い方は無限大です。
腕部を見てみるとやや大きめの装甲が取り付けられています。カバーを開くと中からは3連ガトリングガンが搭載されておりどこかアレックスを彷彿とさせる武装となっています。また、脚部サイドに設置された大型のブースターもアレックスに似た意匠を感じさせます。しかし、肩部ビームサーベルのマウントなどからも装備レイアウト的には「ジム改 ワグテイル」を意識している所が見られ、フミナ先輩の豊富なガンダム知識とガンプラ愛を感じることの出来るポイントともなっています。
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トライファイターズの他の機体と比べると、どうしても昨今のオールガンダムプロジェクトフォーマットのHGキットに慣れてしまった方にはやや物足りない部分も確かにあるかとは思います。しかし、その点を上手くカバーした配慮が感じられる意欲的な流用キットであることもまた本キットの魅力の一つ。アニメの方もいよいよ中盤ですが、ここらでひとつ序盤の名機の完成度を改めて見てみるというのも悪くないかもしれません。
「HGBF パワードジムカーディガン」は好評発売中。価格は1,944円（税込）です。
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■筆者紹介:ひびき
ゲームやアニメが大好きな駆け出しライター。
フミナ先輩派とかギャン子派とか
世間は言うとりますけども。
結局はどちらもおねショタ属性。
……YESだね。
Twitter：@hibiki_magurepo
