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チート行為で書類送検、ゲームメーカーと不正行為の終わりなき戦い

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2013年9月に発売された大ヒットタイトル3DS『モンスターハンター4』。発売直後から不正改造されたクエストのデータが出回り、対策としてVer.1.1となる更新データが配信されました
  • 2013年9月に発売された大ヒットタイトル3DS『モンスターハンター4』。発売直後から不正改造されたクエストのデータが出回り、対策としてVer.1.1となる更新データが配信されました
  • シリーズ初のMMORPG『ドラゴンクエストX』。多大なコストを投資し、確率に関する処理をすべてサーバー側で行うという事前策を施すことでチートの介入を防いでいます
6月25日、オンラインゲームでチート行為をした未成年のプレイヤー3人が、神奈川県警により電子計算機損壊等業務妨害容疑で書類送検されるという事件が起きました。元々は詐欺(師)、不正をするなどという意味を持ち、そこから転じて「(自分が有利になるように)ゲームのデータを不正に改変する」という意味で用いられるチート。そのチートは何が問題なのか、この事件は何を意味するのかを考えてみましょう。

◆チートの問題点とは


チートの一番分かりやすい問題点は、ほかのプレイヤーに悪影響をおよぼすことです。ゲームの仕様上ありえないような能力を持つ相手に対戦で負けたら納得がいかないでしょうし、協力するにしても、どんな強敵にも苦戦すらしない"作業"が待ち受けている可能性があります。レアアイテムを不正に入手・複製などされたらやがてそのアイテムはレアではなく誰もが持っていて当然のものになりますし、MMORPGであれば、巨額のゲーム内通貨を入手してそのお金を市場にまく(そのお金で派手に買い物をする)ことで、またたく間にインフレが起きてしまうという問題もあります。

オフラインメインで遊ぶゲームなら影響はないかというとそうでもなく、不正改造されたデータとやりとりをすることで、正規のプレイヤーのデータに悪い影響をおよぼす可能性すらあります。昨年秋、3DSの『モンスターハンター4』でチートで不正に改造されたクエストのデータ配布が横行し、カプコンが注意喚起の声明を出したのは記憶に新しいところです。

◆チートは「規約違反」ではあっても「法律違反」であるとはかぎらない


では、そんなチートをしていることが発覚するとどうなるのか? それがオンラインゲームであれば運営しているメーカーからアカウントを剥奪されたりしますが、チートをしていること事態が警察沙汰になることはほとんどありませんでした。規約違反ではあっても、法律違反であるとは言い難いからです。

冒頭で述べた事件の罪状の一つには「有料アイテムを無料で入手した」というものが挙げられていますが、それでも窃盗の罪には問われない(問えない)理由がここにあります。窃盗罪は刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定義されており、「財物」は「有体物にかぎる」、「自分で管理できるもの」などと解釈されて用いられることが多いのです。これでピンと来た方もおられると思いますが、オンラインゲームのアイテムはそのどちらにもあてはまりません。実体を伴わないのは説明するまでもありませんし、メーカーがサービスを終了したらそのゲームのアイテムも使えなくなる以上、たとえ有料であってもどのアイテムを個々のプレイヤーが管理できているともいいがたいのです。

オンラインゲームにおけるチートや、MMORPGで問題視されるリアルマネートレードは運営の定める規約に違反していても、それが即法律違反となるわけではない理由がお分かりいただけたでしょうか。過去にはオンラインゲーム上でアイテムを騙し取った悪質なプレイヤーが逮捕された事件もありましたが、これも詐欺罪ではなく不正アクセス禁止法違反の罪だったという事例もあるようです。

◆この世に優越感があるかぎりチートはなくならない?


もちろんゲームメーカーもさまざまなチート対策をしています。事後の対策としては、前述の『モンハン4』はオンライン専用ゲームではないこともありアップデートファイルの配信で沈静化しましたし、そもそもそうした事態を起こさないための予防策としては、『ドラゴンクエストX』がレアアイテムのドロップや装備の生産など確率に関する処理をすべてサーバー側で処理するという対策を施しています。クライアント(ソフトがインストールされたゲーム機、PC、タブレットなど)はあくまでその結果を受け取っているだけなので、不正をしたくともしようがない……というわけですね。とはいえ、これはかなりコストがかかる技術とのことで、今後オンラインセキュリティのスタンダードとなるにはハードルが高そうです。

チートの誘惑に負けてしまう理由の一つには優越感が挙げられると思いますが、優越感を得たいと思う気持ちそのものはなんら問題になるものではありません。今回の事件をもってしてもチートが根絶されることはなく、今後もゲームメーカーと不正行為の戦いは続くものと思われます。安直な結論ではありますが、法による締め付けをこれ以上チラつかせられることなく、チート使用者が減ってくれればそれが一番ですね。

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《蚩尤》

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