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【GDC 2014】最新開発キット「DK2」と、「タイムワープ」で遅延対策に挑むオキュラスリフト

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SCEのHMD「プロジェクト モーフィアス」が電撃発表され、俄然もりあがりを見せてきたVRゲーム界隈。一方、ゲーム専用HMDの草分けであるオキュラスVR社は最新の開発キット「Development Kit (DK) 2」を発表。GDCの3月19日にはマイケル・アントノフ氏とネイト・ミッチェル氏が登壇し、「Working with the latest Oculas Rift Hardware and Software」と題した講演を行いました。

講演内容は前半がDK2のスペック紹介、後半が「タイムワープ」と呼ぶ遅延対策の説明という二部構成となりました。タイムワープは『DOOM』シリーズの生みの親として知られ、天才エンジニアとして名高いジョン・カーマック氏の発案で研究開発が行われています。

取り急ぎDK2の概要を簡単にご紹介しましょう。最大の特徴は液晶ディスプレイが有機ELとなり、解像度も1080Pとなったこと。片目あたり960x1080となり、これを光学レンズで拡大して視聴します。リフレッシュレートは75 Hz, 72 Hz, 60 Hzで、一般的に高い方が見やすいのはご承知の通り、製品版ではさらに向上される可能性もあるそうです。ヘッドトラッキングに使われる加速度センサーも1000Hz駆動に引き上げられています。

一方DK1の問題点として、6軸のヘッドトラッキングセンサーを備えた一方で、空間上の位置測定ができない点がありました。そのためDK2では新たにポジショントラッキングを行う外部ユニットを追加。これで頭の位置変化に対してもVR映像を正確に追従・再現することができることが可能になっています。

他にUSBアクセサリーポートが加わり、USBカメラなどが装着可能になりました。USBカメラの映像をPC側にエクスポートし、VR映像に重ね合わせることで、拡張現実的な表現も可能になるとのこと。他にレイテンシーテスターと呼ばれる機能がハードウェアで実装されました。これにより遅延をできる限り減らして、快適なVR体験を実現するとしています。コントロールボックスも排除され、取りまわしがより楽になりました。

視野角は110度(対角)/90度(水平)と変化がなく、重量は0.97ポンドとDK1よりちょっと重くなりました。製品版ではさらに改良が加わる予定です。もっとも、これ以上開発機のバージョンを上げる予定もなく、そろそろスペックを固める時期に来ているとのこと。E3で大々的に宣伝し、年末に発売というのがゴールデンストーリーだと思われますので、今後の発表を期待したいところです。

後半ではタイムワープを柱とした遅延対策について説明がありました。すでにオキュラスリスト対応ゲームを体験した人ならわかるかと思いますが、アプリケーションによっては、ひどい3D酔いの原因となります。そこでDK2ではさまざまな対策が進められています。その一つがポジショントラッキングであり、レイテンシーテスターであり、そしてタイムワープというわけです。

オキュラスリフトでは頭部の動きをトラッキングセンサーが読み取り、差分に応じて画面の構図を決定し、VR映像をレンダリングして、ディスプレイに出力します。しかし、60FPSのゲームなら1フレームのレンダリングでも10ミリ秒以上の時間が発生します。これほど短い時間でも、その間に頭部が移動すると、遅延の遠因となります。そして遅延はしばしば3D酔いの原因の一つになるのです。

ポイントはトラッキングセンサーが位置を読み取り、ディスプレイに出力するまで、タイムラグがあること。一方でトラッキングシステムは1000Hzで駆動しているため、プログラム的にはいつでも最新の視線方向を取得できます。そこで描画の直前に改めてセンサーを読み取り、視線方向にあわせて描画内容を差分調整すれば良い・・・。これがタイムワープの基本的な考え方となります。

もっとも言うは易し、行うは難し。「立体視表現のために120FPSで実現できるのか」などの疑問も発生するわけで、まさに鋭意開発中とのことでした。

なお、講演の最後に「ソニーの『プロジェクトモーフィアス』についてどう思うか? という質問がありました。これに対してアントノフ氏は「ソニーの発表はVRゲームを盛り上げるために大歓迎だし、製品もすばらしい」とコメントしていました。実際、講演内でも「一番大変なのはキャズムを越えること」という話も飛び出したほどです。体験していない人に魅力を伝える難しさや、少しでも不快感を与えさせないための方策などについて、苦心しているようでした。

ポイントは昨年度のGDCから1年が経過して、聴講者のオキュラス熱がさらに高まっているように感じられたこと。開発キットを購入してでもアプリケーションを実験したいという熱心なコミュニティが築き上げられていることが改めて知らしめられました。この財産を糧にどのような製品に仕上げられるか期待しましょう。
《小野憲史》

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