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3回目を迎える東京ロケテゲームショウ!ロケテの聖地に同人・インディーゲームが一堂に会する 主催者と出展社が語るイベントの意義と未来

11月9日に開催される東京ロケテゲームショウは、IGDA日本が主催する自主制作ゲームの認知度向上と開発者の交流、およびゲームの評価機会を提供する目的のイベントです。こ

ゲームビジネス その他
昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • IGDA日本の戸崎氏と大澤氏
  • スタジオインデックスの瀬川氏と寺門氏
  • マサシロウ氏
  • ドラゴンシーカー
  • ドラゴンシーカー
今井:
では開発者の方に今回、出展されるゲームと来場者に見て欲しいポイントを説明していただけますか?

瀬川:
私どもは現在、『ドラゴンシーカー』というRPGを開発しています。これまでシューティングやアクションゲームが多かったのですが、プロダクトのライフサイクルを考えるとRPGの方が長くやっていただけるのではないかと。また幅広い年齢層をターゲットに見据え、グラフィックスはレトロなドット絵にしました。

今回の展示では、やはり操作性を来場者の方に見ていただきたいです。スマートフォンの特性をいかした操作を採用していますが、それが効果的に機能するかテストしてみたいと考えています。

寺門:
まだシナリオや物語は完成していないので、フィールドと戦闘だけの試作段階です。ただ戦闘システムも新しい要素を入れているので、その点についても感想をいただけたらと思っています。

戸崎:
スマートフォンで操作性などをテストしたいということならば、上につり革のようなものを用意して電車に乗っている風のブースを作ってもらってもいいと思います(笑)。そういう風に、目的に合わせて空間は自由に使ってください。

今井:
ぜろじげんでは何を出展するのですか。

マサシロウ:
PS Mobile向けに開発している『ロイヤルレッドロワイヤル』というゲームを展示します。テキサスホールデムのポーカーの要素を入れたアドベンチャーゲームで、今回はロケテショウの来場者からゲーム内に登場するキャラクターを応募しようと思っています。

今井:
最近ではKickstarterなどの高額出資者には、ゲームへの登場の権利などが与えられたりしていますよね。そういった試みに近いものですか?

マサシロウ:
そうですね。同人ゲームならではの試みとして、開発に関わっていただいた方には金銭以外で何かお返しができないかなと思っています。

戸崎:
今回は電源容量に余裕があるので、もしよければブルーバックにライティングして、ユーザーの方を撮影しますか(笑)。

マサシロウ:
そういうこともぜひともやってみたいですね。他にもPS Vitaの操作性などをテストするため、アンケートも準備しています。またスコアアタックのイベントなども開催したいですね。これまでもスコアアタックやタイムアタックなどのゲーム大会をやっていたサークルさんは非常に盛り上がっていました。

また同人ゲーム制作者は売れるかどうかは二の次であることが多く、何よりもプレイヤーが楽しく遊んでいるところを見たいのですね。ゲームを楽しんでいるプレイヤーの姿は、開発していても見る機会が少ないので、私としては一番楽しみです。

大澤:
そういった意味でロケテゲームショウに出展される方は、インディーのような商業に近い方から、本当に趣味でやっている同人の方々まで広い層が集まります。日本の中ではインディーと同人というのはちょっと違う部分がありますので、それら全部を包含するイベントとしてやっているので、参加する方はいろんな目的があります。


ロケテの聖地に同人・インディーゲームが集結

今井:
今回の出展者の数は50までと聞いていますが、現在の申し込み状況はいかがでしょうか?

戸崎:
IGDA日本の公式サイトをご覧いただければ一目瞭然ですが、現段階ではまだ4団体です......。

大澤:
秋葉原という場所の面から考えると来場者数はあまり心配していないのですが、やはり出展者がいないとイベントが成立しません。やはりロケーションテストということのメリットが伝わりづらいのもしれませんが、6000円を払うだけの価値はあります。

戸崎:
参加申し込みの期限が9月15日までですが、状況を見て延長するかもしれません。いずれにせよ、ガンガン申し込みしていだければと思っています。

今井:
では、出展者募集という面でも今回のロケテショウの最大の目玉をお聞かせください?

戸崎:
今回は秋葉原の廣瀬無線の5階フロアで行います。ビルの下のフロアにはシューターのメッカであり、ロケーションテストの聖地でもあるゲームセンターのHeyがあります。そういった本場のゲームセンターの近くで開催することが最大の目玉ですね。

いわば昔ながらの本場のロケテと最新の同人・インディーゲームのロケテが真っ向勝負するという図式です(笑)。まあこれは半ば冗談ですが、とにかくそういう雰囲気でみんなが楽しめるイベントを目指します。場所柄としてもゲーマー層がたくさん来場すると思います。

今井:
なるほど、ロケテの本場で開催して、ゲーマー層が訪れるのが今回の最大の魅力ということですね。一般来場者にしてみれば、飽きたら下のフロアのゲームセンターに行けばいいので気軽に参加できますね(笑)。

戸崎:
ただ一般の来場者の方に1つだけのお願いをしています。というのは、来場者される方も100円を払っていただきたいと。これは私の個人的なこだわりでもありますが、このイベントがロケーションテストであることを理解していただくために、ワンコインは支払って欲しいのです。

大澤:
会場にただ来るというわけではなく、「ゲームをやりにきた!」という意識を持ってもらうため、少額ですが100円を払っていただいています。一度、払うと出入りは自由ですが。

戸崎:
また前回と同様、10社以上のメディアが取材に訪れる予定です。またニコニコ自作ゲームフェスの方にニコ生配信を行ってもらう計画もあります。特設ブースを設け、出展者のゲームを動画で紹介してもらいたいと思っています。いずれにせよ、お祭りのようなライブ感を積極的に打ち出していきたいなと考えています。

マサシロウ:
せっかく秋葉原なのでメイド喫茶のメイドさんを呼んだらどうですか?

戸崎:
そちらは前回も行ったのですが、メイド喫茶のシャッツキステさんのメイドの方にウグイス嬢をお願いする予定です。会場にもメイドさんがいるかもしれません(笑)。また、一般来場者向けのフライヤーも制作できればと考えています。


日本ならではの同人・インディーゲームの文化を発信

今井:
では、最後にIGDA日本の方に日本の同人・インディーゲームシーンについて伺いたいです。海外ではインディーゲームがゲーム産業としても無視できないくらいに盛り上がっていますが、日本の現状をIGDA日本はどう捉えていますか?

戸崎:
日本ではこの2、3年がインディーゲームのターニングポイントだと思っています。海外では大手スタジオからこぼれた人材がインディーゲームの中心を担っています。映画の『Indie Game: The Movie』からは海外インディーゲームのもの凄い情熱を感じますが、日本のクリエイターはもう少し静かな情熱を燃やしていると思うのです。また日本にはインディーゲーム以前に同人ゲームの文化があり、それがベースとなり、現在の盛り上げりがあります。なので、海外のシーンとは異なるものとして、アピールしていきたいと思っています。

今井:
つまり、海外のインディーゲームの盛り上がりとは異なるものとして、日本の同人ゲームを海外に発信していく段階にあるということですか?

戸崎:
少なくともロケテショウはそういった場所として捉えています。今年は東京ゲームショウでもインディーゲームコーナーがあり、海外の開発者の多く展示すると聞いていますが、そちらとは多少異なった場所になると思います。

今井:
他の同人・インディー系のイベントがある中でロケテショウは、既に日本の文化にあったゲーム制作文化をアピールする方向というわけですね。

戸崎:
そうですね。

今井:
開発者の方々はどのように捉えていますか?

瀬川:
私どもはやはりチャンスだと思っており、東京ゲームショウのインディーゲームコーナーにも出展します。我々はiモードの頃には出遅れましたが、スマートフォンで新たなチャンスが現れました。人のライフスタイルやデバイスに接する機会が大きく変化しつつあり、積極的に挑戦していきたいと思っています。さらに将来的にはオリジナルIPにつながるものを作っていきたいと思っています。

マサシロウ:
戸崎さんに語っていただいたアーケードから始まる日本のゲーム歴史の延長線で考えると、今の日本のゲーム産業は盛り返す段階に来ていると思います。しかしながら、私がロケテゲームショウに求めるものは、そういう日本の歴史とは関係なく、現在ゲームを制作している人々も巻き込むことです。

いわゆるニコニコ動画の「作ってみた」みたいな感覚でゲームを制作する人が現在、増えています。そういった方にも、作って終わりではなく、その後、遊んでもらうことで、さらに新しいものが生まれることを期待しています。

また日本のインディーゲームといっても同人ゲームやフリーゲームなど様々な人がいます。今回のロケテショウに参加する人たちは、作りたいもの作って誰かに見てもらいたいという点では共通した心を持っていると思います。そういった方々が一堂に会するのは、商業ゲームの世界とも海外のインディーゲームの世界とも違うものではないか、ゲームを作りたい人と遊びたい人が集まること、それ自体が面白いところではないかと思っています。

今井:
なるほど。ありがとうございました。私も日本のインディーゲームを応援していますので、ぜひとも出展者も増えて、イベント自体が盛り上げることを祈っています。
《今井晋》
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