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「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!」 ― 何が起きているかがよく分かるスペシャルセミナー「カプコンサウンドの創り方」レポート

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8月11日、カプコンは銀座アップルストア内のシアターにて、セミナー「カプコンサウンドの創り方」を開催しました。

スピーカーはカプコンのサウンドマネージャー・岡田信弥氏、コンポーザー・北川保昌氏、サウンドディレクター・山東善樹氏の3名。1時間半にもおよぶセミナーは、カプコンの代表作を取り上げながら、笑いあり豆知識ありでゲームサウンド制作の裏側に迫りました。

■音が映像に与える影響力
ゲームのBGMとして流れているサウンドを、普段意識して聴きこむことはあまりありません。しかし実は演出の大黒柱ともいえるのがゲームサウンド。その効果が、冒頭の実験で明白になりました。実験は、『バイオハザード5』の中でクリスがウェスカーにぼこぼこにされるシーン。ジルがウェスカーに体当たりし、そのまま自分ごと窓の外へ落下するという緊迫した場面です。これに、海外のカートゥーン調のポップなBGMとSEをつけると…なまじタイミングがぴったりなだけに、完全にコメディになってしまいました。その後オリジナルバージョンが流れ、シーンに見合った緊迫感に、音の重要さが証明されました。

■驚きのサンプリング方法
続いて実際の音づくりがどのように行われているのか・ということで、『ドラゴンズドグマ』『バイオハザード6』の2タイトルを中心に、収録模様が公開されました。

『ドラゴンズドグマ』
ゲーム内のモンスター声の元素材となる音はなんと動物の肉声。ライオンやアライグマ、クマなどを金網に入れて唸り声や吠え声を録音します。動物園内の屋根がある施設では反響音・残響音が入ってしまうため、鉄格子越しに至近距離というスリリングな収録です。『ドラゴンズドグマ』の中で重要なファクターでもある鐘の音は、米ワーナーブラザーズスタジオが所有する、街1つ分の巨大なセット内で実際に鐘を鳴らして収録されました。街中での自然な響きを再現するために、丸々街のセットを使用したそうです。剣を抜く音、膝当てやプレートがぶつかる音といった装備品のSEは、ゲーム内の装備品と同じ材料を使って収録します。毛皮の腰巻の音なら毛皮を撫でたり、弓を射る音なら簡易な弓の弦を弾いたり、といった具合です。

『バイオハザード6』
『バイオハザード6』ではFOLEY(フォーリー)収録という技法を使っています。FOLEYとは「スタジオでの擬似録音された効果音」のことで、架空のクリーチャーの歩行音や声などをつくる際に不可欠な方法です。硬い外皮を持つ生物「ナパドゥ」のSEは、水枕とチューブを使ったFOLEY収録で、スタジオに移された「ナパドゥ」の映像を見ながら音をアフレコするような感じで、イメージに合わせたSEをつくっていきます。スタジオで出している音はリアルタイムで、ハーモナイザーという機器で音程を下げていて、エフェクトを掛けた状態で録音する「掛け録り」という技法も使っています。音素材を収録するための中国取材も行われたそうです。アメリカ、東欧、中国が舞台となっているため、水上の音など現地でしかサンプリングできない音を録りに行ったとのこと。細部までリアリティを追及していることがわかります。

【オーケストラ収録】
『モンスターハンター4』テーマ曲の収録は東京フィルハーモニーの演奏で、コンサートホールで行われました。近頃カプコンではオケ収録が流行りらしく、『モンスターハンター3』ではチェコ・プラハでの収録、『ドラゴンズドグマ』ではブルガリア・ソフィアでの収録、『バイオハザード5』ではオーストラリアのシドニースコアリングオーケストラを起用と、テーマ曲だけでもワールドワイドな展開をしています。

■ゲームだからできる「インタラクティブ性」とは
インタラクティブとは、「状況変化に応じて鳴らし方を変える」こと。ゲームというのは当然ながら、プレイヤーの一挙一動によって無数の状況が生まれます。映画やアニメであれば、スチルやボイスのタイミング込みで音楽もつくられますが、ゲームの場合状況はリアルタイムで変化します。その状況変化の中で臨場感を維持するために、『バイオハザード』ではボイス演出上の工夫がいくつもあるのです。

『バイオハザード5』では、クリスの指示に応じる相方・シェバの声が、近くにいるときは肉声で、一定以上の距離が開いているときは無線機を通した音声に加工されるようになっています。また洞窟や地下通路などを通るときは、1Pの声や足音だけでなく無線越しの声もちゃんと反響のエフェクトがかかっています。

『バイオハザード6』では、場面によって声のトーンが変わるという演出があり、静かなシーンでは指示と応答がひそひそ声で交わされますが、ゾンビがうようよする街中のようなアクションの激しいシーンでは、大声で叫ぶやりとりに変わります。

■『エクストルーパーズ』
『エクストルーパーズ』は2012年11月にカプコンより完全新作として発売された「マンガチック爽快アクション」です。本作のサウンド面でのコンセプトとして、BGMがすべてクラブミュージックであることと、ゲームならではのインタラクティブなサウンド演出を徹底的につくりこむということがあったそうです。そのため、シーンに合わせたサウンド面での演出が、クラブミュージックの特徴を踏まえている部分が一味違うところ。今回のセミナーではピッチを使った演出、フィルターを使った演出、舞台的演出、映像に対する演出が紹介されました。

【ピッチの演出】
タイムカウントダウンのステージで残り時間が少なくなったとき、焦らせる演出として通常はテンポをあげることがほとんどですが、『エクストルーパーズ』ではピッチを上げています。クラブミュージックをDJがコントロールするのを同じ感覚で、テンポによってではなく音程を丸々いくつかあげることによってスピードアップを感じ取らせる・という工夫です。逆に、『エクストルーパーズ』では攻撃されるとプレイヤーキャラが雪だるまになってしまい、動きが鈍くなるというシーンがありますが、そこではピッチを下げる演出が使われています。

【フィルターの演出】
フィルター(イコライザ)を使うと高音や低音など特定の音域をカットすることができます。『エクストルーパーズ』ではまず、プレイヤーキャラが戦闘不能になるとダウンボイス以外の高音がすべてカットされます。高音をカットすると音がこもり、やられて気が遠くなる様子を表現できる・という演出です。それから、ワイヤーで高速移動をするステージがありますが、その空中滑走中は低音の4つ打ちをすべてカットすることで、「キュイーン」という滑走音や風切り音を際立たせ、スピード感を演出しています。ちなみに風切り音やスピード感の研究とサンプリングのため、制作チームが車を走らせつつ窓を開けたり閉めたり…というロケ時の様子も映されました。さらに低音カットと高音カットを組み合わせた演出もあります。吹雪のステージでは、プレイヤーキャラが室内に入るときは低音がカットされて、BGMのボーカルパートがクリアになるのに加え、環境音である吹雪の音は高音をカットしてつくられています。

【舞台的演出】
ゲームならではの要素に、「ロード」があります。これは舞台のセット転換や暗転に通ずるもので、それと同じ感覚で『エクストルーパーズ』ではロード中にも工夫を仕込んでいます。次のステージが砂浜でのトレーニング・というシーンで、砂浜に移動する前のロード画面にフライングして波の音を入れ込むというものです。これにより、次のシーンを連想させ、直後に映像が追い付いてくるという舞台的な演出になります。

【映像に対する演出】
『エクストルーパーズ』のオープニングは約10分の長尺映像です。そこにクラブミュージックを同期させていますが、ストーリーの山と曲の抑揚がぴったり合うように、細かい部分まで計算されてつくられています。セミナーではムービーを流しながら、北川氏が解説をしました。
・スタートはBPM100
・後々の演出のため、1小節のブレイク
・ベースの4つ打ちをストップし、次の展開に備える
・BPM136にテンポアップする(ここでタイミングを合わせるのにブレイクが生きる)
・時々音をはねたりしてメリハリをつける
・2小節のループで、次の展開・ロボ起動を待つ
・音を重ね、終盤の盛り上がりへ準備
・盛り上がりと尺調整のため、2小節のブレイク
・最後のキメに向けての調整で、ループ(曲のキメとロボのジェット噴射をずらすため)
・そのままプレイアブルパートへ突入
・デモムービーに戻り、挿入歌イン。ここではセリフが入るため、ボーカルパートのみ音量をダウン

『エクストルーパーズ』にはこういった「マンガデモ」が計2時間以上も収録されているそうで、ちょっとした映画並みですねという感嘆のコメントも零れました。

また説明書にも載っていない隠しネタがギャラリーモードには仕込まれています。一度プレイ時に聴いたBGMを通常再生するのに加え、プレイヤーがイコライザ調整をできるという機能です。カウントダウンや高速移動に使われた低音カットや高音カットができるようになっています。音楽を流したまま再生ポートから離れると、それがライブサウンドになってフィールドBGMになるという演出もあり、多彩なサウンドを楽しむことができます。

■「ゲームを作っているんだ!」
セミナーの終わりに飛び出した名台詞「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!」。もとい、「我々は音楽や効果音を作っているんじゃない!ゲームを作っているんだ!」。曲をBGM上の演出で様々な形にいじることは、嫌がる作曲家さんも珍しくないようですが、カプコンではむしろどんどんやっていく姿勢だそうです。それは曲そのものを作っているのではなく、ゲームをおもしろくするための音楽を作っているという共通認識があるからこそ。音楽の中での、ゲーム音楽の特殊な立ち位置がよくわかります。


カプコン作品のサウンドに関する情報は、公式サイト「CAP’S TONE」で随時更新しています。近日「「異議あり!」を募集する」というユーザー参加型のイベントも開催される予定のようです。WEB上で回答できるアンケートの結果は、ライブイベントの開催などに反映される可能性もおおいにあるそうなので、ぜひチェックしてみてください。

(C)CAPCOM
《井口 宏菜》

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