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満を持してMac対応を実現 新しい「OPTPiX SpriteStudio」が2D アニメ制作を強力にサポート

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SpriteStudio UIを一新し、新鮮な印象を与える
  • SpriteStudio UIを一新し、新鮮な印象を与える
  • SpriteStudio(Windows版)
  • SpriteStudio(Mac版)
  • 様々なゲームエンジンに対応している
ウェブテクノロジは、2Dスプライトアニメーションデータ作成ツール「OPTPiX SpriteStudio」で、Windows版とMac版の両対応を実現。HTML5やゲームエンジンのUnity、Cocos2d-x、CoronaSDKなど様々なプラットフォーム上での再生に対応しました。同製品は4月8日にPC向けに発売を開始し、5月8日には英語版を正式リリース、そしてMac版についても順次リリースを予定しています。

「SpriteStudio」は2004年にリリース後、家庭用ゲームソフトを中心に、さまざまなタイトルで使用されてきました。しかし、これまではWindows向けにしかリリースしておらず、スマホアプリ向けの用途が増加するにつれて、Mac対応が急務となっていました。今回エンバカデロ・テクノロジーズが提供するマルチデバイス向けC++開発環境、C++Builder XE上でゼロから作り直され、まったく新しいツール「OPTPiX SpriteStudio」として生まれ変わりました。

「せっかくソースコードレベルから作り直すのだから、過去のシリーズで心ならずも引き継がれてきた仕様上の問題点を一掃したい。その上でさまざまな新機能を付け加え、より使い勝手の良いツールにしたい。」開発チームには、そうした思いがあったといいます。

「これまでは一部の処理が重かったり、他のアニメーションツールと操作が異なる箇所があったりしました。そこでバージョンアップにあたり、より高速に動作して、より快適に使えるといった具合に、アニメーションツールとしての完成度を高めることを念頭におきました。その上で、複雑なアニメーションをより手軽に作れる、データの修正が、より簡単にできるといった具合に、生産性をより向上させることをめざしました」(OPTPiX SpriteStudio プロダクトマネージャ 遠藤義輝)。

起動して一目で分かるのが、新しいインターフェースです。ユーザーさんへのヒアリングをもとに使いやすさに改善を加え、これまではメニューの奥にあった「セルマップ」「レイアウト」「アトリビュート」といった項目が表に配置されるなど、より直感的に操作できるようになりました。必要な情報はアトリビュートに一括表示され、キーフレーム情報が一目で確認可能になっています。各ウィンドウの大きさは自由に変更したり、配置場所を自由に変えられます 。UIには力が注がれたようですが、もっと改善を図っていきたいとのこと。

「これからもユーザーさんの使いやすさを念頭に、進化し続けることで長く愛されるツールに育てて行きたいと思います。」(遠藤氏)

体感速度も大幅に向上し、同一マシン上で3倍から4倍の速度向上を達成できました。「新バージョンでは実機上で60フレームでアニメーションするデータを、ツール上でも同じように、60フレームでプレビューできます。スマホやタブレットの画面サイズ拡大にともない、高解像度のアニメーションデータも高速に編集できます。大量のアセットをコピーする時も、より高速に処理を終わらせることができるようになりました」(同社R&D 部 エキスパート・橋本孔明氏)。

作業面では制作フローのさらなる簡素化が追求されました。「OPTPiX SpriteStudio」の機能の一つに、キャラクターアニメーションを作成する際、モーションの始点と終点をキーフレームで設定するだけで、中間の動きを自動的に補間できる機能があります。補間されたモーションをマウス操作だけで簡単に修正できるカーブエディタについて、操作性やカーブ種類を追加することで性能が強化されました。この自動補完とカーブエディタを繰り返せば、複雑な動きが要求されるモーションでも、短時間で自然な形に仕上げられます。

多関節アニメーションの編集方法の1つとして、3Dツールなどで一般的なインバース・キネマティクス方式を新たに搭載しました。総じて3Dのモーションエディタ的な操作方法で、より自然な動きが、より簡単に実現できるようになっています。

アニメーションデータの修正フローが簡素化された点もポイントです。「作業中に髪型だけ差し替えたい、パーツの画像サイズを変更したいなど、後からキャラクターをパーツ単位で変更することがありますよね。こうした修正も登録した素材をリストから選択するだけで、簡単にすませることが可能になりました」(同社セールス・コミュニケーション部 マネージャ・浅井維新氏)

これを可能にしたのが、新たに実装されたプロジェクト方式のファイル管理であり、「セルマップ」という機能です。髪の毛や体、手足など、キャラクターを構成するさまざまなパーツをセルリストに登録しておけば、あとからパーツを個別に差し替えるだけで、全てのアニメーションデータで一度に反映させることができるようになったのです。これにより、異なるアニメーション間でのデータのやりとりも容易になりました。

もちろん作成したアニメーションデータは、独自のバイナリ形式に加えて、より汎用性の高いXML形式や、HTML5で利用できる形式での出力が可能です。特にXML形式は汎用性と可読性に優れるため、任意のフォーマットへのコンバートが容易に行えますし、独自のアニメーション再生エンジンの開発も低コストで可能になります。「ブラウザごとに動作面で課題があるとされるHTML5ですが、たとえばゲーム以外にデジタルサイネージ的な、いわば動く広告といったコンテンツを作るのに使ってもらうのも、面白いかもしれません」(浅井氏)。

またマルチスクリーンにも対応し、片方のモニタでキーフレームを修正しながら、別のモニタでプレビューするなども可能となっています。Mac版ではRetinaディスプレイにも対応し、細かい文字も綺麗に表示させられます。

「こうしたツールが望まれているときに、ゼロから作り直すチャンスを与えられて、本当に良かったですね」。開発を統括した遠藤氏はプロジェクトを振り返って、このように語ります。コアゲーマー向けを筆頭に、スマホアプリが2Dから3Dへと移行していく中で、2D向けアプリの開発支援ツールの開発やアップデートが、総じて手薄になっている昨今。一方で国内ではモバイル・ソーシャルゲームのスマホ対応などの特殊事情もあります。今後も2Dアプリがなくなることは少ないといえるでしょう。

「とはいえ、こういったツールをゼロから作る会社も、なかなか少ないと思うんですよ。それでもお客さんは、まだまだたくさんいらっしゃるし、実際に望まれているのだから、自分たちで作る意義はあるだろうと」(浅井氏)。

リリース後のアップデートでは、「リリース直後はバグフィックスをはじめ、火急の修正案件もあると思いますので、毎月ペースで細かいアップデートを続けていきたいですね」と、遠藤氏が早くも意欲を示しました。具体的にはレイアウト機能、テクスチャパッキング機能、Flashのアニメーションデータをインポートする機能の追加や、スプライトシートの出力対応なども視野に入れられているそうです。
またOPTPiX SpriteStudio で作成したアニメーションデータを様々なプラットフォーム上で再生するための”プレイヤー”の整備と充実にこれまで以上に力を注いでいくとの決意を語られました。

このほか英語版にも対応し、海外展開も進行中。ゲーム制作に携わるクリエイターの方々だけでなく、今後はカーナビを組み込み機器などの開発者もサポートできるツールとして進化していきたいと抱負が語られました。
《小野憲史》

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