人生にゲームをプラスするメディア

「"爆速"で今日からゲームを提供開始」ヤフージャパンとグリーの提携記者会見

既報の通り、ヤフージャパンとグリーが業務提携を発表しました。夕刻からヤフージャパンの入居する六本木・東京ミッドタウンホールにて記者発表会が開催されました。

ゲームビジネス その他
ヤフー宮坂社長
  • ヤフー宮坂社長
  • スマートフォンでのPVが大幅に伸びている
  • 知恵袋も同様
  • ショッピングも同様
  • Gayoの視聴回数も同様
  • 電子書籍の取り扱いも同様
  • スマートフォンゲームには大きな可能性がある
  • ヤフーのスマートフォンユーザーにもゲームの喜びを
既報の通り、ヤフージャパンとグリーが業務提携を発表しました。夕刻からヤフージャパンの入居する六本木・東京ミッドタウンホールにて記者発表会が開催されました。

まず登壇したのはヤフーの宮坂学社長。就任以来「爆速」をキーワードに掲げ、インターネットの名門が活気を取り戻しつつあります。そのヤフーが最も力を入れるのはスマートフォン分野。「スマートフォンファースト」を掲げ、あらゆるリソースをスマートフォンに集中させています。宮坂氏は明日9日に初めて行う社内の取り組みとして「スマートフォンフライデー」を紹介。午後からパソコンの使用は禁止され、スマートフォンとタブレットだけで業務を行うそうです。「不便な事も多いと思いますが、未来の業務の形です。それを今から会得しておかなくてはなりません」

実際にヤフーにおけるスマートフォンの存在感は急速に高まっています。宮坂氏は約8割の日本のスマートフォンユーザーが毎月1回以上ヤフーにアクセスしているといったデータを紹介。検索、動画、ECといったあらゆるヤフーのサービスをスマートフォン化していることを説明しました。しかし、と宮坂氏は言います 「全部をやり尽くしたわけではありません。非常に大きな市場であるゲームは殆どやれてませんでした」。これに対する解がグリーとの提携でした。

新体制におけるヤフーで目を引くのは積極的な提携です。宮坂氏は「ヤフーはポータルで、インターネットにおける入り口。最も大事なのは、この世で一番良いサイトにリンクを貼っていくこと、これが使命」と説明。この実現のためには、一番優れたサービスやビジネスを提示できる企業と協業するのは当然であり、「食べログ」や「クックパッド」との提携も同じ文脈にあると言います。ゲームについても、ディー・エヌ・エーと「Yahoo!Mobage」をやるだけでなく、スクウェア・エニックスやバンダイナムコなど得意なパートナーと協力をどんどん進めていると指摘しました。独占に拘るわけではなく、「ファーストパートナー」としてスマートフォンではグリーと組んだと強調しました。

続いて登壇したグリーの田中良和社長は昨今の取り組みについて説明。PCのSNSから始まったグリーはモバイルで急成長。現在は特にスマートフォンでの展開に力を入れ、他社タイトルも含めてGREEプラットフォームでは約1000タイトルが提供されていると言います。さらに、グリーはソーシャルゲームを中心としながらも広くエンターテインメントを事業領域と考えており、実際に『探検ドリランド』ではアニメやグッズ展開もスタート。特にグッズは専門の会社も立ち上げ、好調な出だしだったと述べました。そうしたエンターテインメントの幅広い展開において、ヤフーとの提携は大きな意味を持つと田中氏は指摘しました。

■既にヤフーとグリーの連携はスタート

具体的な提携内容は両社長から説明がありました。

まずはヤフーのユーザー向けにグリーのソーシャルゲームを提供します。具体的にはスマートフォン版ヤフーのトップページにリンクを設けて、ユーザーを誘導。宮坂氏は「開始時期を気にされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし今は"爆速"です。もう30分前に始めました」とコメント、会場を沸かせていました。グリーはヤフーウォレットを決済手段として追加し利便性を提供するほか、IDやポイントでの連携も協議するとのこと。

ゲームに関しては共同出資でジョイントベンチャーの設立も協議を行なっていて、両社で新たなソーシャルゲームの開発にも乗り出すとのこと。具体的な時期は明らかにされませんでしたが、宮坂氏は「ヤフーのエンジニアの中にもゲームを作りたいという人は多い」とコメント、田中氏も「ヤフーのエンジニアさんが参加することで新しい息吹を吹き込めるのではないか」と期待を寄せました。

エンターテインメント全般では、まずは映像分野において連携を進めたい意向で、ヤフー傘下のGyaoとグリーの共同出資で新会社を設立。映像とソーシャルゲームを組み合わせて新たなビジネスモデルを構築したいとしました。田中氏は「アニメを中心に日本のコンテンツ産業に広く両社で貢献していきたい」と述べました。

CSR活動についても連携していきます。様々な社会貢献活動に対して共同で協賛することや、エンジニアやクリエイターの育成に貢献する各種活動を共同で支援していくなどが検討されているとのこと。田中氏は「CSR活動については、それぞれが取り組みを行なってきましたが、両社で一緒にやることで更に発展が期待できるのではないか。直接的な収益ではないかもしれないが、産業への還元にも貢献していきたい」としました。

具体的な連携についてはまだ詳細を協議中というコメントも多かったものの、両社長とも「爆速」で詰めていく姿勢を強調。ヤフーとグリーという強者連合によってどのようなエンターテインメントが生み出されていくのか注目です。
《土本学》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. 【CEDEC 2012】開発環境共通化の意義とメリット ― カプコン「MT FRAMEWORK」の場合

    【CEDEC 2012】開発環境共通化の意義とメリット ― カプコン「MT FRAMEWORK」の場合

  2. ポケモンはここで作られる!ゲームフリーク訪問記(前編)

    ポケモンはここで作られる!ゲームフリーク訪問記(前編)

アクセスランキングをもっと見る